L→R 金山謙太(Ba)、キャイ(Gu)、和田純次(Vo)、三田 慧(Key)、木邑啓太(Dr)

L→R 金山謙太(Ba)、キャイ(Gu)、和田純次(Vo)、三田 慧(Key)、木邑啓太(Dr)

【円盤少女 インタビュー】
“明日から夏休みだぜ、何しよう?”
みたいな気持ちを
死ぬまで持っていたい

初めてロックを聴いた時の
あの感覚は絶対に忘れちゃいけない

レコーディングで印象に残っているエピソードはありますか?

キャイ
ドラムの音を録って、家でそのデモ音源を聴きながらギターのアレンジを作って重ねていきました。家でパソコンとギターに向き合って、12時間くらい作業していたので大変でしたね。中でも「ベルクマシン」はすごくこだわって、雰囲気を出すためにちょっとロカビリーっぽいエフェクターを入れて、フレーズやギターソロもめちゃくちゃ考えました。やりたいことを詰め込めたぶん、お気に入りの曲になりました!
金山
キャイくんは自分が作ったパートをレコーディングに持って来て、“なんか違うな”って言われてブチギレたもんね。
キャイ
それくらい気合いが入っていたんだよ、俺も(笑)。
三田
キーボードは家で録ったんですが、すごくリラックスして演奏できたので、制作する上での発見も多かったですね。どの曲も歌詞の持つ雰囲気を意識してプレイできたから、他の楽器もしっかり聴きながらやれました。
金山
ベースはいつもどおりというか、歌がしっかり聴こえるように録りました。レコーディング中のエピソードとしては、普段は大人しい三ちゃんが「街角」で叫び声を入れることになって、その時だけバカでかい声で叫んでいるのが面白くて。映像にも残してあるので、いつか公開したいと思っています(笑)。
三田
自分で言うのも何ですけど、真面目な性格なので。真面目に叫ばなあかんと思ったら、スイッチが入りました(笑)。
木邑
ドラムはできるだけ一発で録り終えるように集中して録りました。それ以外では世界観を広げたいと思って、フライパンやカウベルを入れたり。「ベルクマシン」のサビにもタンバリンが入っているんですけど、架空のマシンがガシャガシャ進んでいる感じが出せたかなと思っていて。フライパンはボツになったけど、自由にやれたと思います。

円盤少女は正統派のロックンロールサウンドという土台があるからこそ遊びも入れられるし、和田くんの独特な歌やメロディー、少し不思議な歌詞がより際立ちますね。しっかりした演奏があるから+αのオリジナリティーが出せていると思うんですが、それぞれの音楽的ルーツってバラバラだったりするんですか?

和田
バラバラだけど、遠からずなところがあって。自分やったら音はTHE BLUE HEARTSや↑THE HIGH-LOWS↓が好きなんですけど、パンクやブルースって自分のことや不満を歌っているじゃないですか。でも、僕は不満もないし、自分のことをしゃべるタイプでもなくて。SF漫画が好きで、藤子・F・不二雄が好きなので、歌詞はそういうところに影響を受けたり、好きなものを集めて作る感じですね。奇をてらって聴きにくくなったら嫌だから、音はど真ん中をいく感じで。そのぶん、歌詞は作り込んで書きたいので、小説家が文章を練るみたいに、すごく考えて書いています。

1曲目「少年少女七不思議」の歌詞とか、すごく好きですよ。風景や感情が見えて、フレーズが刺さってきてドキドキしました。

和田
中学の時に校内放送でTHE BLUE HEARTSが流れて、“この曲、俺、知ってるぜ!”って嬉しくなって、思わず廊下を走った思い出が忘れられなくて。今もそんな子供が絶対にいると思うし、走り出したくなる気持ちを持っているはずなので、あの時に感じた幸せな気持ちを、俺たちの曲で分けてやりたいんです。
キャイ
初めてロックを聴いた時のあの感覚は絶対に忘れちゃいけないと思っています。終わらない思春期ですね(笑)。お酒を呑みながら昔の『ドラえもん』の映画を観てドキドキして、“この感じ、ロックンロールと一緒だな”と思いましたし、それは年を取っても変わらない。今回のアルバムにはそんな気持ちが込められていると思います。

そんな今作のタイトルに“鶏”と名づけた意味は?

和田
“ポジティブとネガティブ”とか、“平和と戦争”とか、何でもいいんですけど、対照的な物事ってあるじゃないですか。そのどっちにも1ミリも寄っていないものって何かと考えた時、思い浮かんだのが鶏だったんです。みんなから一番近いものであり、遠いものであり、対象物が何もないものをタイトルにしたかったんですよね。

そこに意味を持たせたくなかったと。そして、手応え十分のアルバムを携えたリリースツアーも始まりますね。

和田
今までは東京とか大阪とか決まったところしか行ってなかったので、円盤少女をもっと知ってもらうためにも、ちょっと寄り道をしてもいいのかなと思っています。“一回一回のライヴを大切にして、各地を盛り上げていこうぜ!”って気持ちで挑みたいです。

取材:フジジュン

アルバム『鶏』2022年12月14日発売 屋根裏音楽舎
    • YNOG-007
    • ¥3,080(税込)

【ツアー情報】

※終了分は割愛
12/28(水) 東京・吉祥寺BLACK&BLUE
12/29(木) 東京・八王子MATCH VOX
12/30(金) 東京・下北沢ろくでもない夜
[2023年]
1/06(金) 東京・上野音横丁
1/12(木) 東京・新宿red cloth
1/21(土) 東京・下北沢近松
2/15(水) 東京・新宿Marble
2/17(金) 大阪・難波Mele
3/01(水) 愛知・池下CLUB UPSET
5/03(水祝) 東京・渋谷La.mama(ツアーファイナル)

円盤少女 プロフィール

エンバンショウジョ:2011年、和田純次(Vo)を中心に結成された日本語ロックンロールバンド。コミカルなライヴパフォーマンスと、一緒に声に出して叫びたくなるようなメッセージがあふれた楽曲を武器に活動中。一見、コテコテの青春パンクバンド的な印象も受けるが、和田の書く少年SF漫画を読んでいるような世界観の歌詞と、日本製歌謡曲特有の心地良いメロディーラインとキャッチーさを巧みに含ませた楽曲は、ロックファン以外の人たちも決して置き去りにしないやさしさを兼ね備えている。円盤少女 オフィシャルHP

「少年少女七不思議」MV

「特急はてな号」MV

OKMusic編集部

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