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22本目・『最も危険な遊戯』:杉作J太
郎のDVDレンタル屋の棚に残したい10
0本の映画…連載47

杉作J太郎の

DVDレンタル屋の棚に残したい100本の映画
22本目・『最も危険な遊戯』 雀荘メンバーがいい。石橋蓮司、榎木兵衛、柴田恭兵内田裕也松田優作
 刑事メンバーもいい。荒木一郎、大前均、阿藤快(当時は阿藤海)、苅谷俊介。
 この映画はテレビ映画『大都会PARTII』(石原プロモーション、日本テレビ)に優作さんがレギュラー出演中に撮影されている。
 超大作映画『人間の証明』(角川映画、東映)は『大都会PARTII』放送中に公開されたが『大都会PARTII』の撮影が始まる前にクランクアップしていたかもしれない。少なくとも優作さんの出演シーンはアップしていたのではないか。
『大都会PARTII』は一年間に亘って製作、放送された。その終盤、肉親の前であまりのハードスケジュールに呻いたと記録にはある。
 そもそも『大都会PARTII』はいわゆる一時間もののテレビドラマといえばテレビドラマだが見てもらえばわかるようにこれはただのテレビドラマではない。超ド級の、日本映画の枠に捕らわれない巨編を作り続けた石原プロモーションがそれほど気は進まないにしても資金繰りとテレビというメディアの急成長ぶりに意を決して突入した『大都会闘いの日々』の続編である。映画を撮れないその代わりに、テレビで映画を撮ってやろうという意気込みがすべてのカット、すべてのセリフにあらわれている。
『大都会闘いの日々』は倉本聰をメインライターとする人間社会の深淵をえぐった重い悲劇のドラマであった。このとき優作さんはひとつのエピソードにゲスト主演している。重い悲劇のエピソードに。この『大都会闘いの日々』のときは主演の渡哲也さんが病み上がりだったため激しいからだのうごきはない。表情をはじめとする緻密な演技が展開されている。
 これはこれでおそろしく映画的であり、前後見渡してもどこの映画会社も展開しなかった新しい映画作りが毎週毎週行われている。
 それも巨匠・舛田利雄監督をはじめとする日本映画黄金期を知る監督たちがずらり並び、さらには村川透監督はいちど映画の世界を去った後の復帰作にあたり、さらっと適当なものを撮ってはいできましたというメンタルでなかったことは間違いない。
 そして渡さんの体調も回復し作風もガラッと変更。ジーン・ハックマンの『フレンチコネクション』シリーズ、クリント・イーストウッドの『ダーティハリー』シリーズに対抗する作品を毎週毎週新作公開したのが『大都会PARTII』である。
 そして『人間の証明』はハリウッドスターも出演してのニューヨークロケを含んだ未曽有の超大作。
 優作さんがどれほどの殺人的スケジュールのなかにいたか、想像してもその圧倒的なたいへんさは私には本当にはわからない。
 この間、鳴り物入りで製作、放送されたテレビ映画、森村誠一シリーズ。そのこけら落としとして初弾放送された全七回のシリーズ『腐蝕の構造』にも中盤から優作さんは登場する。『不良番長』シリーズでおなじみ内藤誠監督と山岳ロケに参加している。これは映画『人間の証明』(森村誠一原作)と連動したテレビシリーズであり、優作さんの出演は最初から確定していたものであろう。
 この項。
 2022年最後の原稿となる12/30配信の回につづく。

『最も危険な遊戯』(1978年/東映セントラルフィルム、東映芸能ビデオ)
出演/松田優作、田坂圭子、市地洋子、草野大悟、内田朝雄、早明凡太朗、名和宏、片桐竜次、大前均、団巌、阿藤海、原田力、榎木兵衛、苅谷俊介、石橋蓮司、入江正徳、柴田恭兵、斉藤英雄、山本武、山西道広、清水宏、大山哲生、木下俊彦、藤田康之、戸塚孝、萩原紀、西内彰、二家本辰己、郷内栄喜、花城隆、大宮幸悦、森岡隆見、鈴木実、永野明彦、吉中正一、大竹義夫、岡本麗、荒木一郎、内田裕也(ノークレジット)、飯島洋一(ノークレジット)
企画/黒澤満、伊知地啓
脚本/永原秀一
撮影/仙元誠三
照明/渡辺三雄
音楽/大野雄二
助監督/崔洋一
選曲/鈴木清司(ノークレジット)
擬斗/十二騎会(高倉英二、松尾悟)
監督/村川透

<隔週金曜日掲載>
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すぎさく・じぇいたろう
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める(男の墓場改め)狼の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。
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