フランスならではの言い合いが魅力~
神田聖司、林勇輝、坂口渚沙、渡辺梨
世&プロデューサーに聞く『それを言
っちゃお終い』の魅力とは

Société Le théâtre Élyséeが、フランス・パリのTheatre De La Renaissanceにて上演していた『Fallait pas le dire』。これを翻訳した『それを言っちゃお終い』が、2022年12月16日(金)より、六本木トリコロールシアターにて開幕する。
また、12/16~18の全公演において、出演者によるアフタートークの開催が決定!
日替りでスペシャルライブも予定されている。
六本木トリコロールシアターは座席が赤のベルベット、壁がブルー、舞台の真ん中から客席を見た時に白い貝殻のライトが目に入るという、名前の通りのトリコロールの場内。また、劇場のロゴだけでなく外観にも顔が隠れているというこだわりのデザインがなされている。劇場にぴったりなレパートリーとして、今後様々な形での上演を予定しているという本作。皮切りとなるプレビュー公演に挑む神田聖司、林勇輝、坂口渚沙(AKB48)、渡辺梨世と、プロデューサーの白樹栞にインタビューを行った。

〜アフタートークとスペシャルライブの開催が決定!〜
12/16~18の各回、上演後に出演者によるアフタートーク開催決定!
また日替りでスペシャル・ライブも!?
さらに!アフタートークは撮影可能になります!
お楽しみに!!

ーーまずは出演が決まった時の思いをお聞きしたいです。
坂口:私は朗読劇というものは何回か出演あまり滑舌が良くないので大丈夫か不安でした。でも、コメディだけではなくシリアスな内容があったりもするので、この朗読劇を通して、皆さんにぜひ考えていただきながら観ていただきたいなと思います!
白樹:実はうちでは、「朗読劇」という言葉は使っていないんです。朗読劇というと、キャストさんが並んでいて、落ち着いて聞くイメージがあるでしょう。でも、どんな名優でも可愛い子がやってもお客様は寝てしまうっていうのが我々のジンクス。「ドラマリーディング」は、手に台本を持って皆さん立ちっぱなし。ひとり芝居の時は上手でセリフを言って、下手に走って行ってコーヒーを飲んで……と動き回る。ひとりで3つの作品をやることもあって、全部のキャラクターをひとりで演じるんです。この作品も、可愛い動きを見てたくさん笑ってという風に演出家さんが作ってくれると思います。
坂口:なるほど。頑張ります!
神田:僕もドラマリーディングはこれが初めて。また、フランスの作品の翻訳ということで、海外作品に出演するのも初めて。素敵なお仕事をいただいたと思いつつ、ちょっと緊張しています。今まで学んできたことをどれだけ出せるか、僕にとってひとつの挑戦です。役者として経験を積めたらいいなと思っています。
林:僕も海外作品は初めて。海外の脚本を翻訳した時って、普段の喋り口調とはちょっと違った表現になるじゃないですか。その表現の幅も僕にとっては新たな挑戦です。また、「ドラマリーディングってどんな感じなんだろう?」と、あまりイメージできていなかったんですが、今お話を聞いてすごく面白そうだとワクワクしました。朗読劇だともらうエネルギーが共演者さんの声と文字だけですが、ドラマリーディングだと動きや相手の表情も見られる。楽しみですし、素敵な作品にできたらと思います。
渡辺:お話をいただいて非常に嬉しかったし、驚きもありました。少し前から、海外の戯曲や喜劇作品に興味を持っていたんです。嬉しい気持ちと共にやる気に満ち溢れています!
渡辺梨世
白樹:皆さん、中村トオルさんや矢崎広くんはご存知ですよね。みんなここでドラマリーディングをやっていますが、やっぱり色々動いてます。着ているモーニングを破いたり、窓から飛び降りたり、舞台上からいなくなっちゃったり。片手に本は持っているけど、本当に自由に演じて貰っているんですよ。時々「全部入ったから、台本ここから破いていいよね?」なんて言う俳優さんもいて。
ーー今回はフランスの作品を翻訳したものということで。
白樹:今回のプレビューが日本初公演となります。フランスでは7ヶ月と3週間のロングランになった作品。ルモンドやフィガロなど、フランスのいろんな新聞が絶賛しています。今回のプレビュー公演の後、日本でも2023年2月に本公演を予定していますが、本国フランスでは全土を回るツアーも決まったそうです。
ーー翻訳された台本を読ませていただきましたが、世界情勢やジェンダーなど、社会的なテーマにも切り込んでいます。皆さんはどんな部分に面白さを感じましたか?
渡辺:絶妙な雰囲気とリアリティーに人間の面白さを感じてクスクスしました。きっと、この絶妙さを出すことができたら気持ちが良いのだろうと思いました。人間や男女間の違いがありつつ、淑やかさを感じるなという印象です。
神田:社会問題やジェンダー、右翼左翼の話は、日本の作品にはあまりないですよね。触れるのが難しく感じますが、なぜかフランスの作品だと思うと違和感なくすっと入ってくる。不思議な感覚がありました。
神田聖司
林:日常の夫婦の会話を俯瞰して見ているのも面白い。二人はいたって真面目に話しているんですけど、それが面白さを生んでいますよね。
白樹:必ずオチがあるでしょう。整形をしてるかしてないかの話で、してないって言い張ってたのに最後に「整形じゃなくて形成よ!」って言うとか。そういう話が集まっていて、全体のタイトルが『それを言っちゃお終い』。言葉としては出てこないけど、“それを言っちゃお終い”な言葉がそれぞれの話のラストに出てくる。うまく笑いを取ってもらいたいですね。
坂口:緊張してきました(笑)。話を聞いているとプレッシャーが……。
白樹:本当? すごく自信がありそうだし、ちょっといたずらっ子ちゃんな感じでコメディもハマりそうだけど。
ーーその日のお客さんによって反応も変わりそうですよね。言い合いをするシーンも多いですが、役作りについてはどう考えていますか?
林:結構年上なんですよね。
神田:うん。「35年間新聞を読んでいる」とか「40年間左翼だ」って話しているシーンもあって。となると年齢設定が僕らとは離れてる。
白樹:フランスでは半分以上が正式な夫婦ではないというのもある。結婚や離婚できちっと決めるんじゃなく、愛がある間は一緒にいる。だからこの二人は夫婦かもしれないし恋人かもしれないし愛人かもしれない。共演をきっかけに同棲している俳優かもしれない。関係性がラフなんです。
神田:なるほど。それでいうと、キャラクターの設定も固定されていないというか、台本に書かれていないんです。読んでいくうちに年齢や職業、性格、左翼だとかキックボードが嫌いだとか、ちょっと頑固だとかが分かっていく。もしかしたら僕と林で全然違う役になるかもしれません。そこが難しいところでもあり、楽しみでもありますね。
林:変な価値観のズレみたいなところをうまく表現したいですよね。価値観が全然違うのに、歳を重ねてもずっと一緒にいるのがなんだか微笑ましいです。彼氏も彼女も頑固でそれぞれの正義があって。
林勇輝
白樹:譲り合うわけでもなくずっと言い合ってる。お互い意見を認めることもあるけど、どうしても喧嘩になったり飲みながら言い合ったり。
神田:文章だけ見るとすごく喧嘩してるように感じるけど、あれってフランスでは日常会話みたいな感じなんですか?
白樹:そう。フランスって議論をよくするんです。だからあのやりとりも、喧嘩じゃなくてただの議論。
神田:海外作品ならではの、文化の違いを感じます。
白樹:お互い楽しんでると思っていただいていいと思います。相手をやりこめてやろうみたいな。でも、言い方を工夫するとすごくオシャレなカップルに見える。
坂口:なるほど。演じる人によっても雰囲気が変わりますね。
白樹:その日によって可愛く言ったり、大人っぽく言ったり、色々してみてほしいです。
坂口:毎日変えたり、相手役によって変えたりするのも楽しそうです。
ーー(取材時)お稽古はまだのようですが、お互いの印象はいかがですか? 神田さんと林さんは同じ事務所でユニット活動もされていますが。
林:そうです。事務所の若手グループであるC.I.A.でも、そこから派生したユニット・川(kawa)でも一緒です。レッスンとかも一緒にやっていて仲は良いですね。
神田:ただ、共演はしたことがないんです。今回初共演だと思っていたらWキャストで。
林:坂口さんはしっかりしていそうだなっていう印象です。
神田:落ち着いてらっしゃいますよね。
坂口:今、すごく人見知りが出てます。舞台に出ることがあっても、AKBのメンバー内での舞台だけだったので。ちなみにお二人(神田、林)は写真で見るのと雰囲気が変わりますね。
林:本当ですか?
神田:ちなみに、どっちがどっちか分かります(笑)?
坂口:分かりますよ(笑)!
林:シルエットが大体一緒なんです。
白樹:劇場前に立っていた時、双子みたいに見えましたもん。
ーーファンの方は坂口さん初の外部作品を楽しみにされていると思います。どんなところに注目してほしいですか?
坂口:いろんな私をお見せできると思います。多分、ファンの皆さんはおっとりしたイメージを持ってくださっていると思うので、破れるところは破って頑張りたいと思います。
坂口渚沙
ーーこの作品は、六本木トリコロールシアターのレパートリーとして、今後様々な形で上演するとのことです。今回のプレビュー公演において楽しみにしてほしいことはどこでしょうか。
白樹:プレビュー公演だけ、思い切って若くてハンサムな男性と可愛いお嬢さんというキャスティングにしました。若い人たちにもフランスのコメディを観ていただきたいですし。今後は年齢をぐっと上げて80歳の男女で演じたり、ミュージカルにしたりというのも考えています。他の劇場でも、繰り返し上演されているレパートリーがありますよね。そういったものがこの六本木トリコロールシアターにもほしいと考えていました。そんな時に、翻訳の岩切正一郎先生がこの作品を見つけてくださったんです。この作品を上演するにあたっては、老若男女関係なく、いろんな人たちに演じてほしいと思っています。また、一度出演した方が「またやりたい」と言ってくれた時に劇場が空いていたらやるのもあり。プレビューは12月16日〜18日と29日・30日の公演で演出家さんを変えていますが、今後も様々に変わっていくということを示したくて、あえてこのスタイルにしました。男性同士や女性同士でやってもいい。神田さんと林さんを見ていると面白そうだと思いますし。
坂口:息ぴったりですもんね。
神田:確かに、いろんなスタイルでやってみたいです。
白樹:後半も出られたら林さんとできたのに。
林:本番、来ちゃえば(笑)?
白樹:そうね、そういう演出みたいに見せたらお客さんも分からないもの。お稽古やお仕事の合間に、本番だけ飛び入りで来ちゃったら?
一同:(笑)。
ーー最後に、お客さまへのメッセージをお願いします。
神田:プレビュー公演、精一杯頑張りたいです。僕としても初挑戦というのもあるし、さっきお話に出たように若手だけというのもある。恋人なのか夫婦なのかという関係性、絆みたいなものが色濃く見せられたら楽しいだろうと思うので、しっかり表現したいと思っています。
林:年末ということで、一年の最後、皆さんにとっていい思い出になるようにしたいです。素敵な脚本を上手くお届けできるように頑張りますので、よろしくお願いします。
坂口:動きもたくさんあるしドラマリーディングということで、すごく緊張しています。でも、皆さんにいい作品を届けられるように頑張ろうと思います。
渡辺:ドラマリーディングも海外作品も初めてなので、未知の領域に非常に気合いが入っております! 演じる登場人物の年齢や経験は今の私とは少し離れている部分があるので、その部分を楽しんで頂けたらと思っています。私は2公演のみの出演ですが、多くの方のご来場をお待ちしております。皆さん、暖かい格好で劇場にお越しください!
白樹:この作品を観た方が「あんな男性・女性と結婚して、こうやって議論してみたい」と想像を膨らませてくれたら嬉しいなと思っています。私はトリコロールシアターでの公演もパリのようにロングランになるといいなと夢見ています。ぜひぜひ皆さん、劇場にお越しくださいませ!
取材・文=吉田沙奈

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