ミュージカル&アニメ連動の新プロジ
ェクト始動! 堂珍嘉邦×ユナク「ま
だどこにもない話になる」初の声優挑
戦&オリジナル作品への意気込みを語

現代を描くオリジナルアニメと中世をイメージした舞台が連動して進む『FLAGLIA project』(フラグリア プロジェクト)。アニメはスタジオガイナが作成し、舞台は原作・脚本を高殿円、演出を元吉庸泰が務める。
今回は2023年2月に上演される『FLAGLIA THE MUSICAL』においてメインキャラを務め、アニメでも同キャラクターの声優を担当する堂珍嘉邦とユナクの二人にインタビューを行った。『FLAGLIA』は完全オリジナルのファンタジックストーリー。まずはその世界観から、作品の魅力に迫った。
ファンタジー&重厚人間ドラマも

『FLAGLIA THE MUSICAL』

――今作は、“ファンタジックストーリー”ということで、まずは作品の世界観や内容からお伺いしたいです。『FLAGLIA THE MUSICAL』では、ストーリーはアニメ版とリンクしながら中世風な過去の時代を描くとのことですが。
堂珍:正直なところ、僕も最初にお話をいただいたときは謎だらけでした(笑)。ストーリーはファンタジーなので、出てくる単語も聞きなれないものも多く、タイトル『FLAGLIA』(フラグリア)の意味も謎めいてました。昨年、原作の高殿円さんにご挨拶させていただき、直接いろいろとお話を伺いました。僕の知っている感覚としては、『ヱヴァンゲリヲン』と『ハリー・ポッター』シリーズの世界感が交錯するような作風だなと。
ユナク:どうしよう、以前から気になっていましたが、どちらの作品もまだ見られていないです!
堂珍:(笑)。まず、僕ら(堂珍・ユナク)は「魔法使い」なんです。例えですが、『FLAGLIA』の世界では、時空の割れ目から「死者」が現れて、『ヱヴァンゲリヲン』でいう「使徒」かな?僕ら魔法使いがそれに立ち向かう。魔法使いの中にもいくつかの団体があって、僕が演じるユクというキャラクターは、そのうちの鉄錆旅団で団長を勤めています。魔法使いは死者との闘いで命を落とすことがあるのですが、輪廻転生を繰り返し、やがて戻ってきます。ただ、生まれ変わるたびに記憶や心を少しずつ失くしていく。基本的にはそのまま戻って来られるんですが、稀に負の要素に心を侵され死者の側に行ってしまう魔法使いがいる。それが彼(ユナクが演じるアデル)です。彼は、僕が演じるユクにとって何百年もを共にした愛弟子。変わり果てたアデルを退治しなきゃいけない……というのが『FLAGLIA THE MUSICAL』の主軸ですね。
オリジナル作品&初の声優挑戦への思いは
アニメ『FLAGLIA』
――アニメとの連動プロジェクト、かつ、オリジナル作品です。意気込みをお聞かせください。
堂珍:オリジナルの舞台に出演するのは、初舞台に続いて2本目。当時は何もかも初めてだったので、オリジナル作品だという感覚はあまりありませんでしたが、今はグランドミュージカルや様々な海外の作品を経験出来ました。2022年には、ユナクと共演した『殺人の告白』でストレートプレイにも初挑戦しましたね。海外作品を演じるのも、もちろん素晴らしい機会ですが、やっぱり、舞台に立つ役者として、ひとつの夢としては、オリジナルの作品を世の中に残したいという想いはあるので、この作品に参加できるのはとても嬉しいですね。オリジナル作品の初演ですから、役のお手本がない。役作りにいつも以上の想像力で向き合いたいと思います。アニメで(ミュージカルと)同じ役の声優をやるのもとても楽しみでした。この作品が長く愛されてほしいです。
ユナク:僕はミュージカルが大好きなんです。3年以上ぶりに舞台に立って歌えること、さらにオリジナル作品に出演させていただくことがとても楽しみです。僕が演じるアデルという役は、死者の魂を率いる死者たちの王という謎めいた役なんですが、堂珍さんがおっしゃった通り、皆さんと一緒に作品を作り上げていくのがとても魅力的ですね。長く愛される作品になるよう頑張りたいと思います。
――アニメは現代を舞台にした話と聞いています。声優に挑戦してみていかがでしたか?
ユナク:声優の仕事は初めてだったので、やはり緊張しました。楽しんで収録できましたが、日本語のイントネーションには苦労しましたね。キャラクターの絵がまだ無い中で、飛んでいるシーンや戦闘シーンを想像しながらの収録でしたので、堂珍さんの芝居を頂いて必死で返していたのを覚えています。
堂珍:(ユナクは)役柄のトーンが割と一定というか、クールな感じでしたね。日常よりも戦闘シーンのほうがちょっと多かったので叫んだりとかはありましたけど。僕が演じるユクは長く生きている「魔法使い」(師匠)として、思慮の深さが感じられる部分がある。そこは意識しています。
>作中キーとなる「帰る場所」。ふたりの「心の拠り所」とは…
”心の拠り所”は「故郷(堂珍)」「日本とハワイ(ユナク)」
――台本を読ませていただき、「帰る場所」がひとつのキーになっていると感じました。お二人が心の拠り所にしている場所やもの、人など、なにかありますか?
堂珍:やっぱり広島の故郷ですかね。僕の地元は湖がある町なんですが、湖を囲うように桜の木が植えられていて、春のシーズンにはすごく賑わうんです。そこでライブをやるという目標を持っていたんですが、7、8年前にいました。ちょうど花火大会で町の人もたくさん来ていて。その時はCHEMISTRYではなく、ソロで行きました。こういう場所だからいいかと思って「みんなおいで」と呼び掛けて、老若男女に関係なくすごく近い距離で、みんなで大合唱したんです。ぱっと後ろを見たら小学校時代の同級生4人くらいが横断幕を作ってきていて(笑)。当時、好きだった子も来ていて、超恥ずかしかったんですけど(笑)、いい思い出になっています。
今は、地元には何かしらの形で恩返し出来たらいいなと思っています。60歳、70歳になって戻るのか、5年後くらいに戻っているかは分からないけど。町もどんどん変わっていくので、定期的に目に焼きつけておかないとという気持ちもある。これからもいい方向に発展していくように、いつかは町長とかやってみたいなと思ったりもします(笑)。地元に残る友達が頑張ってる姿に刺激を受けたりもしています。勿論、歌とお芝居は続けながら(笑)
ユナク:僕にとっての癒し、拠り所は2段階ありまして(笑)、韓国にいるときが一番頭が痛いんですよ。
堂珍:そうなの!? 意外だね(笑)。
ユナク:家族も仕事関係者もみんないますから、一日中電話が殺到するんです。韓国にいるときは自分の時間がなくて、「逃げたいな」となった瞬間に思い出すのが日本なんです。距離も近くて、日本語が喋れることもあるから。だだ、日本に来ても気が休まらないときがある(笑)。
堂珍:(笑)。
ユナク:そこで疲れたた時に頭に浮かぶのがハワイ。僕はあまり夏が好きじゃないんです。でもハワイを好きになった理由は、写真集の撮影で訪ねた時に、そこにいる人みんな笑顔で幸せそうな顔をしていたから。ある日、空を見ながらひとりでにこにこと笑顔を浮かべている現地の方に「Are you happy?」って聞いてみたんです。そしたら「本当に幸せだよ。君は幸せじゃないのか?ハワイに住んでる人はEverybody Happyだよ。幸せを願ってここにくる人が多いから。君も来れば?」って言われて、ちょっと印象が変わったんです。コロナ禍になってから行けていないんですけど、僕としてはまず日本、その次がハワイの2段階方式です。
>堂珍からユナクへのサプライズ?!
最近一番ハッピーだったことは……
――同じく作中で、魔法使いの皆さんがワクワクすることを求めています。お二人は最近ワクワクしたこと、ハッピーだったことはありますか?
ユナク:あります! 10月末にBillboard Live YOKOHAMAでライブをやったんですが、堂珍さんがサプライズゲストとして来てくださったんです! 僕は父に似て冷静で、感情表現も苦手なタイプなんですけど、本当にびっくりしました。
公演初日であと2曲で終わりだと思った瞬間「よお、ユナ!」って聞こえて。声が聞こえた方を見たら、堂珍さんが! ドッキリを仕掛けられるのは生まれて初めてで、どうすればいいか分からないし、嬉しすぎて泣きそうになってしまいました。39年の人生の中で一番頭が真っ白になりましたし、ただただ「嬉しい!」と思いました。子供になったような感じですね。そんな気持ちにさせてくださった堂珍さんにも、そしてスタッフにも感謝しています。最近一番幸せだったことですね。
堂珍:僕も、最近一番ワクワクしたのはそれ(ユナクへのサプライズ)です。以前、ユナクが僕のファンクラブイベント(2022年7月に無観客配信開催)に遊びに来てくれたので、僕も何かしたいと思っていたんです。(ライブの日は)彼の誕生日が近いと思っていたのでお祝いのつもりで行ったんですけど、当日になって、ユナクの誕生日は2ヶ月ほど先だと発覚して(笑)。でも会いたいから行っちゃいました(笑)。サプライズの経験はそんなにないし、会場にはユナクのファンの方がたくさんいらっしゃるし、客席の死角でドキドキしながら、ビールを2杯飲んじゃいました(笑)。よく言いますがサプライズする側って意外と緊張するんですよね、実感しました(笑)。
ユナク:(笑)。
堂珍:『RENT』はWキャスト(ロジャー)で一緒に舞台に立てなかったし、『殺人の告白』は歌がなかったし、今回は僕の曲(CHEMISTRY)もセットリストに入っていると耳にしたので、すごく聴きたいなと思っていて。途中まで一番後ろの端っこで、バレないようにコートで顔を隠しながら(笑)。ファンの方はユナクに夢中なので全然バレませんでしたけど(笑)。サプライズをしたら、すぐユナクが「一緒に何か歌いましょうよ」って言ってきてくれて。あの日は楽しかった!
ユナク:一緒に歌わせて頂いて、やっぱり歌唱力がすごい!と改めて実感しました。本当に幸せな時間でした。
パフォーマンスも折り紙付き! 純粋に楽しめるファンタジー
――最後に、ミュージカルを楽しみにしている皆さんへのメッセージをお願いします。
堂珍:オリジナルの舞台をキャスト、脚本、舞台の監督とみんなで作っていくことになると思います。高殿先生の世界観をしっかりと伝えたいし、みんなでディスカッションしていいものを作りたいですね。まだ世界のどこにもない話になると思いますから、ぜひ楽しみにしていてください。
ユナク:パフォーマンスがたくさん盛り込まれた舞台というお話を聞きました。僕がプロデュースしいている「NIK」のメンバーも出演しますが、ダンスも上手いですし、彼らが見せるパフォーマンスに期待してください。そして、ユクとアデル、ハッシュ(※瀬戸利樹が演じる)の3人が見せる関係性もそうですし、今回は堂珍さんと一緒に歌いますのでどうぞ楽しみにしてください。皆さんに楽しんでいただけるファンタジーの世界をお届けしたいと思いますので、ぜひ皆さん劇場にお越しください。
堂珍:ユナクはこの前初めて舞台の演出もしたよね。『殺人の告白』も、ユナクのアイデアが採用されたところがあって、あれもすごく良かった。NIKのメンバーとのコミュニケーションも、ユナクがいるから安心。カンパニー一同、チームワークを高めてやっていきたいと思います。
取材・文=吉田沙奈 撮影=池上夢貢

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