俗に言う
スーパーグループとは一線を画す、
超一級のコラボレーションだった
「リトル・ヴィレッジ」
バンド・アンサンブルの
お手本のような、うまさ、
センスが味わえる
また、このアルバムを魅力的にしているのはハイアット、ライ、ニックの3人のヴォーカルが偶然にも同じ声質を持っていて、コーラスが実にナチュラルなのだ。普段の各自のソロ作ではなかなかコーラスを聴くことが少ないだけに、これも偶然の産物だったのだなと、ため息まで出てしまう。そういうわけで、この原稿を書くために久しぶりにアルバムを繰り返し聴いたが、本人たちは「それほどでも…」と謙遜しているようだが、これは聴きどころ満載の名盤だ。
ちなみにアルバムは本作1枚しか出なかった(アウトテイクはいっぱいありそうだ)はずだが、何とボストンでの放送用の音源がライヴ盤『Crazy 'Bout an Automobile (Remastered) [Live. Boston, Massachusetts, April 1992]』として、公式にApple Musicにアップされている。公式とはいえ、ブートレッグには違いないと思われるので、おおっぴらにオススメできるものではないが、一時的にせよ、彼らがいかに素晴らしいバンドであったかが分かる内容になっている。
TEXT:片山 明