【群青マキ インタビュー】
“歌を大事にしたい”という想いは
絶対に変わらない

「あなたの敵はあなた」は爆発的な曲にしたいと考えていて、歌詞は特に自分の根底にあるものと向き合って作りましたね。だから、レコーディングの時もどうやって曲の持っているパワーやメッセージを歌として感情を込めて伝えていくかを意識していました。サビの部分に手拍子やガヤコーラスがあるんですけど、それらのレコーディングはOIKOS MUSICのみなさんが協力してくれたので、自分の中では“みんなの歌”っていう感覚です（笑）。結果的に“ここがひとつの始まり”みたいなパワーのある楽曲になったと思っています。それと、「菜瑚」と「Playlist」がゆったりとしたテンポだったので、群青マキってこういう路線の人なのかなと思っていた方もいると思うんですけど、かたちにとらわれずにいいと思ったものをいいと思ったかたちで出すことを大事にしたいから、そういう想いが示せた一曲になりました。

曲は現時点でできる最高のものを出したいと思って作っているので、10代最後の曲だからと特別な想いで書いたわけではないんですけど、結果として自分の深層心理的な部分が表れた楽曲になりました…あっ！　今気づいたんですけど、この曲、《ありがとう》という言葉で終わっているんですね。やっぱり今まで音楽をやってきた中で、きれいなものもそうじゃものも全部認めてあげるような曲にしたい想いが漠然としてあったからかもしれないです。個人的にはラブソングのつもりで書いた曲なんですが。「愛すべきクソヤローども」は聴く人それぞれのとらえ方をしてほしいと思っていたので、歌詞も聴いてくださるみなさんの考える余白があるものを意識しました。今までの歌詞には自分なりの正解があって、それを表現するにはどうしたらいいかというところで言葉を選んでいたし、みなさんも一度は思ったことがあるかもしれない気持ちをより共感してほしいと書いていた気がします。でも、今回は聴く人のいろいろなものに当てはまるように言葉を選ぶことを意識したんです。なので、みなさんそれぞれ思ったことが正解！　そして、いろいろと考えてもらえるきっかけになれたらなと思います。

アレンジでも冬っぽさは意識しました（笑）。

そうですね。でも、大変だったという感じではなくて、今までずっと温めてきた点と点がつながり始めたような感覚でした。

作業効率を上げることが目標です。今までは曲を作るのに“もっとこうしたいんだけど、あれができない”とか“やり方が分からない”ということがあって手こずっていたこともあったので。

やっていく中で変わるものもあると思うんですけど、“歌を大事にしたい” “いいメロディーを生み出したい”というのは絶対変わらないし、核としてあると思います。そこは妥協したくないですね。