INTERVIEW / Foi 「悪夢の中でも愛を
学ぶよ」――ソリッドなロック・ナン
バーに乗せたメッセージ

Foiが1stアルバム『HER』以降初の新曲、「さよなら」をリリースした。
まろやかでスウィートなラブソングが多かった彼女にとって、新しいイメージを見せる楽曲と言えるだろう。身体を揺さぶるリズム、ギターとベースのスリリングな絡み、フロアで映えるような激しくエネルギッシュなロック・ナンバーである。プロデュースはアルバム収録の「Countman」と同様、MO MOMAの土器大洋が担当。激しさの中にも洗練された感性を感じる楽曲に仕上がった。
《悪夢の中で愛を学ぶよ》というメッセージを綴った新曲の話から、目前に控える初のワンマン・ライブ『Back to Back』への意気込みなど、Foiに今の心境を語ってもらった。
Interview & Text by Ryutaro Kuroda(https://twitter.com/KURODARyutaro)
Photo by 遥南碧(https://harunaoi.wixsite.com/harunaoi)
土器大洋との再タッグで目指した“ドライなロック”
――リリースから半年ほど経ちますが、5月に発表した『HER』に関して今どんな手応えを感じていますか。
Foi:1枚目のアルバムなので試したいことをいっぱい試したアルバムなんですよね。サウンド面においても、一緒に制作するアレンジャーの方とやりたい放題やらせてもらって。そういう作品を出した上で、今後どういう曲を私の軸にしていくのかっていうのを反芻して考えることが多かったです。
――今のFoiさんの軸はなんだと思いますか?
Foi:ラブソングが好きなので、今後は繊細なラブソングをたくさんリリースしたいと思っています。今回の新曲はちょっと違うんですけど(笑)。
――新曲「さよなら」は激しいサウンドで聴かせるロック・ナンバーですね。
Foi:アルバム後のシングルなので、曲の雰囲気は迷いました。チルでいこうとか、バラードにしようとか色々と考えて、8月頃にはバラードをたくさん書いていたんですけど。ライブで盛り上がる曲も書きたいと思って作ったのが「さよなら」です。
――身体が縦に揺れるような、ライブ映えしそうだなと。
Foi:もうちょっと幅広い層に向けた曲を作りたいと思っていたのと、今回はベース・ソロを入れたロックを作ってみたいというのが最初の動機でした。それでデモをアレンジに回す前に、いつもライブで弾いてくれているAbsolute areaの(萩原)知也くんに頼んで、ベース・ソロを入れてもらっています。
――なぜベースにフィーチャーしたんですか?
Foi:最近はAメロがベース・リフの曲が多い気がしていて、特にK-POPはその傾向があるのかなと。私も低音部分がしっかりしている曲が好きなので、ずっと作りたかったんですよね。
――アレンジを土器さんにお願いした理由というのは?
Foi:土器さんはアルバムのリード曲の「Countman」でも一緒に作業させてもらったんですけど、いろんなサウンドを試した中で、今後も一緒にやっていく上で私とのマッチが一番よさそうだなって思ったのが土器さんでした。
アレンジってすごく大事だから、いっぱいやり取りができる人がいいし、土器さんはとても丁寧なやりとりをしてくれるんですよね。アレンジにも土器さんの丁寧さが出ている気がして、そこがすごく好きです。
――彼とのやり取りの中で、楽曲が変化したポイントはありますか。
Foi:「Countman」のときは私がヘッド・アレンジをしたものをお渡しして、その精度を高めてもらうようなやり方だったんですけど、今回はあまり作り込まずにいこうと思って。デモにはピアノとドラムぐらいしか入れていない状態で投げました。そこにギター・リフを入れてもらったんですけど、さすがだなと。あと、色んなところに散りばめているサンプリングもおもしろくて、私ひとりじゃ出てこないアイデアがたくさんありましたね。
――なるほど。
Foi:あと、何回も電話でやり取りできるようになったのが嬉しくて。「リズムはこれがいいです」とか、「オーラスのサビは4つ打ちにしたい」とか、細かいやり取りの中で作ることができたのがよかったです。
――コミュニケーションを取りながらの作業だったと。Foiさんの作品の中ではとりわけ激しいサウンドになっていますが、こうしたロックのイメージはどういうところからできてきたんですか?
Foi:私は幼少期を中国で過ごしたんですけど、今回の曲では中国のロックをリファレンスにした部分もあって。Jam Hsiao(萧敬腾)の「王妃」という曲だったり、あとは中学生のときにAvril Lavigneがめちゃくちゃ好きだったんですよね。そういう“ザ・激しい”音楽というか、どちらかと言うとドライなロックを作ってみたかったんです。
――“ドライなロック”というと?
Foi:今までの私の曲はリヴァーブが深めでコーラスも豪華で、どちらかと言うと温かい雰囲気の曲が多かったと思うんです。でも、「さよなら」ではカラカラとした雰囲気の曲が作りたかった。なので最初はシンセもいっぱい入れていたんですけど、そういうものは全部取っ払っていいですって伝えて、“ギター! ベース! ドラム!”みたいものを全面に押し出した曲にしたかった。それが今っぽい音かはわからないんですけど、今回の曲はそういう感じでしたね。
「愛を学ぶのに武器はいらない」
――これまでとは異なるテイストの曲を作る上で、ボーカルで意識したことはありますか?
Foi:曲が優しいときには力を抜いて歌うことを意識するんですけど、今回は「ガッツです! パッションです!」みたいな(笑)、いつもよりも汚く歌ったかもしれないです。声が掠れていたら、他の曲だったら録り直してるかもしれないけど、この曲だったらいいかなって。あんまり綺麗にしすぎないように録りました。
――アルバムの楽曲と比べても音数が多いですし、ギターとベースが隙間なくやり合っているような曲です。サウンドからは怒りのような、ちょっとピリピリとした感じも受けました。
Foi:そうですね。これまでの曲は「温かい雰囲気の曲が多かった」と言いましたけど、私が書く曲は決して明るくはないんですよね。温かい音像の曲でも、悲しいことを歌っていたりする。「さよなら」はその悲しみに、怒りを足した曲になっているのかなと思います。
――それはなぜ?
Foi:今の自分より上を目指したいと思っているので。「さよなら」は逆境の中にいる人たちに寄り添う曲ではないんです。どちらかと言うと、「私はこうやってむしゃくしゃする感情に“さよなら”していくから、ついてこい」っていうテンションの曲ですね。あと、“怒り”と言っても攻撃的な曲ではないと思っています。根本的には希望を持っている人の曲ではあります。
――歌詞の最後で、《来る日も来る日も夢を見てる》と歌われていますね。
Foi:そう、だから絶望している曲ではないんです。生きてると色々と大変じゃないですか。絶対に嫌なことはあるし、コロナ禍にもなって、今までよりももっと苦しくなったこともあると思うんです。そういうときに、自分に正直になって取っ払いたいものは取っ払って、それでも希望は落とさず、《悪夢の中でも愛を学ぶよ》というメッセージを歌う。
――なるほど。
Foi:あと、自分に余裕がないときって、人に攻撃しやすくなるじゃないですか。《武器は持たずに愛を学ぶよ》という歌詞は、自分へのメッセージでもあるんですよね。愛を学ぶのに武器はいらない。最近はあまり情勢もよくないですけど、根本的には希望を持って強く生きていきたいです。
「皆さんに背中を預けて私は前に進む」――初のワンマンに向けて
――「さよなら」をリリースした後には、ワンマン・ライブが目と鼻の先に迫っています。
Foi:めちゃくちゃ楽しみですね。私にとっては初のワンマンなので、うずうずしちゃいます。ただ、やりたいことがめちゃくちゃあるんですけど、自己満にならないようなライブにはしたいと思っています。ワンマン・ショーとして、お客さんが楽しめる日にしたいですね。
――どんな編成になりそうですか?
Foi:ベースとギターと鍵盤と私の4人で今回はドラムレスです。会場がTimeOut Cafeなので、ステージがあんまり大きくないからドラムを入れるとぎゅうぎゅうなっちゃうかなと。
――初ワンマンを経て、またフィードバックがありそうですね。
Foi:ライブは大事だなって本当に思います。生で歌って音源を超えなきゃいけない。そこがアーティストとして素敵だと思うし、お客さんが足を運んでくれるというのが一番すごいことだなと思います。普段曲を聴いてもらうだけでも、その人の生活の一部になるってことなのに、ライブとなると1日かけて遠征してくるような人もいて、それって本当にすごいことですよね。会いにきてくれる人がたくさんいるっていうことは、自分の曲に魅力があるんだろうなって思えるので、自信がつきますね。
――ちなみに、ライブのタイトル『BACK to BACK』にはどういう思いが込められていますか?
Foi:『BACK to BACK』ってDJのB2Bのことで。今回のライブでは最初に前座みたいなDJコーナーを設けて、仲良しのお友だちが出てくれるんです。
――ザ・乙女ズですよね。
Foi:はい。本当におふざけタイムなんですけど(笑)、そこで『BACK to BACK』というタイトルを思い付いて。『BACK to BACK』って本来は“背中合わせ”とか“連続的”という意味があるんです。このワンマンが終点じゃなく、ここを経てどんどん前にいくという意味でも連続的ですし、ファンの皆さんに背中を預けて私は前に進むという意味で背中合わせだなと。
Foi:ファンだけど戦友みたいに思っているので、『BACK to BACK』っていいなと思いました。あとは字面が可愛いので、グッズも作りやすそうだなというのもあるんですけど(笑)。
――来年以降はどういう活動をしたいと思っていますか?
Foi:いっぱい曲を出したいですね。たくさん曲を出して、いっぱいライブしたい。それに尽きます。
――「さよなら」以外にも色々な楽曲を作っているとのことでしたが、これからはどんな曲が生まれそうですか?
Foi:これまではサウンド感を模索してきたんですけど、曲調としては自然と湧いてくるものがあるので、それを軸にしていきたいと考えています。ただ、生々しい話なんですけど、今はストリーミングの時代じゃないですか。バラードを聴くのはカロリーが高いから、一発で耳を引くようなインパクトのある曲の方がいいのかなとか、そういうことも多少は意識しています。
私のルーツにある中国のアーティストって、「さよなら」のような曲もやれば、バリバリのバラードもやるし、いろんな曲をやるんですよね。そういうアーティストに憧れているから、私もそういう幅広い曲調、サウンドに挑戦していきたいです。
――ちなみに、最初にラブソングが好きと言われていましたが、何か理由があるんですか?
Foi:私はaikoさんがめっちゃ好きなんですよ。あと、中国ってラブソングばっかりなんですよね。
――ラブソングと言っても、恋に落ちるような曲もあれば、ハートブレイクの曲もありますよね。どういうテイストに惹かれますか?
Foi:切ないやつ……ですかね(笑)。たぶん私は中途半端な感情が好きなんですよ。すっごいハッピーでもないし、すっごい絶望的で悲しいわけでもない、幸せそうなこと言ってるけど切ないとか、そういうものが好きですね。
――アンビバレンスな感じですね。
Foi:うん、そう。……根本的に明るくないからじゃないですかね(笑)。ラブコメとかも観れないです。観ていても先が気にならない。大体5話くらいで諦めちゃう(笑)。
――Foiさんは中国にもルーツがありますが、アジアのシーンも視野に入れていますか?
Foi:言語が出来るのは私の武器だと思うから、絶対に行きたいと思っています。「Countman」や「BOYFRIEND」は中国語版も出していて、意外と手応えがあったというか。中国の音楽プラットフォームで聴いてくれてる方もたくさんいるんだと実感できました、中華圏の活動を目指し、夢を大きく持ちたいですよね。
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SpincoasterのTwitterアカウントをフォロー & 上記ツイートをRTでFoiのサイン入りチェキを3名様にプレゼント。発表通知はTwitterのDMにて行わせて頂きます。
キャンペーン期間:2022年12月9日(金)18:00〜2022年12月16日(金)18:00

※チェキはランダムでの発送となります。

※当選のお知らせに対して48時間以内に返信がない場合、誠に勝手ながら辞退とさせて頂きます。
※住所の送付が可能な方のみご応募下さい。頂いた個人情報はプレゼントの発送以外には使用致しません。
※フリマサイトなどでの転売は固く禁じます
【リリース情報】
■ 配信リンク(https://nex-tone.link/A00108417)
【イベント情報】

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いけだゆうた(BREIMEN
萩原知也(Absolute area)
土器大洋(MO MOMA)
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VivaOla

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ザ・乙女ズ

/ Chie /みきなつみ from 世界乙女百貨)
■ Foi オフィシャル・サイト(https://foiofficial.wixsite.com/foi-official)
Foiが1stアルバム『HER』以降初の新曲、「さよなら」をリリースした。
まろやかでスウィートなラブソングが多かった彼女にとって、新しいイメージを見せる楽曲と言えるだろう。身体を揺さぶるリズム、ギターとベースのスリリングな絡み、フロアで映えるような激しくエネルギッシュなロック・ナンバーである。プロデュースはアルバム収録の「Countman」と同様、MO MOMAの土器大洋が担当。激しさの中にも洗練された感性を感じる楽曲に仕上がった。
《悪夢の中で愛を学ぶよ》というメッセージを綴った新曲の話から、目前に控える初のワンマン・ライブ『Back to Back』への意気込みなど、Foiに今の心境を語ってもらった。
Interview & Text by Ryutaro Kuroda(https://twitter.com/KURODARyutaro)
Photo by 遥南碧(https://harunaoi.wixsite.com/harunaoi)
土器大洋との再タッグで目指した“ドライなロック”
――リリースから半年ほど経ちますが、5月に発表した『HER』に関して今どんな手応えを感じていますか。
Foi:1枚目のアルバムなので試したいことをいっぱい試したアルバムなんですよね。サウンド面においても、一緒に制作するアレンジャーの方とやりたい放題やらせてもらって。そういう作品を出した上で、今後どういう曲を私の軸にしていくのかっていうのを反芻して考えることが多かったです。
――今のFoiさんの軸はなんだと思いますか?
Foi:ラブソングが好きなので、今後は繊細なラブソングをたくさんリリースしたいと思っています。今回の新曲はちょっと違うんですけど(笑)。
――新曲「さよなら」は激しいサウンドで聴かせるロック・ナンバーですね。
Foi:アルバム後のシングルなので、曲の雰囲気は迷いました。チルでいこうとか、バラードにしようとか色々と考えて、8月頃にはバラードをたくさん書いていたんですけど。ライブで盛り上がる曲も書きたいと思って作ったのが「さよなら」です。
――身体が縦に揺れるような、ライブ映えしそうだなと。
Foi:もうちょっと幅広い層に向けた曲を作りたいと思っていたのと、今回はベース・ソロを入れたロックを作ってみたいというのが最初の動機でした。それでデモをアレンジに回す前に、いつもライブで弾いてくれているAbsolute areaの(萩原)知也くんに頼んで、ベース・ソロを入れてもらっています。
――なぜベースにフィーチャーしたんですか?
Foi:最近はAメロがベース・リフの曲が多い気がしていて、特にK-POPはその傾向があるのかなと。私も低音部分がしっかりしている曲が好きなので、ずっと作りたかったんですよね。
――アレンジを土器さんにお願いした理由というのは?
Foi:土器さんはアルバムのリード曲の「Countman」でも一緒に作業させてもらったんですけど、いろんなサウンドを試した中で、今後も一緒にやっていく上で私とのマッチが一番よさそうだなって思ったのが土器さんでした。
アレンジってすごく大事だから、いっぱいやり取りができる人がいいし、土器さんはとても丁寧なやりとりをしてくれるんですよね。アレンジにも土器さんの丁寧さが出ている気がして、そこがすごく好きです。
――彼とのやり取りの中で、楽曲が変化したポイントはありますか。
Foi:「Countman」のときは私がヘッド・アレンジをしたものをお渡しして、その精度を高めてもらうようなやり方だったんですけど、今回はあまり作り込まずにいこうと思って。デモにはピアノとドラムぐらいしか入れていない状態で投げました。そこにギター・リフを入れてもらったんですけど、さすがだなと。あと、色んなところに散りばめているサンプリングもおもしろくて、私ひとりじゃ出てこないアイデアがたくさんありましたね。
――なるほど。
Foi:あと、何回も電話でやり取りできるようになったのが嬉しくて。「リズムはこれがいいです」とか、「オーラスのサビは4つ打ちにしたい」とか、細かいやり取りの中で作ることができたのがよかったです。
――コミュニケーションを取りながらの作業だったと。Foiさんの作品の中ではとりわけ激しいサウンドになっていますが、こうしたロックのイメージはどういうところからできてきたんですか?
Foi:私は幼少期を中国で過ごしたんですけど、今回の曲では中国のロックをリファレンスにした部分もあって。Jam Hsiao(萧敬腾)の「王妃」という曲だったり、あとは中学生のときにAvril Lavigneがめちゃくちゃ好きだったんですよね。そういう“ザ・激しい”音楽というか、どちらかと言うとドライなロックを作ってみたかったんです。
――“ドライなロック”というと?
Foi:今までの私の曲はリヴァーブが深めでコーラスも豪華で、どちらかと言うと温かい雰囲気の曲が多かったと思うんです。でも、「さよなら」ではカラカラとした雰囲気の曲が作りたかった。なので最初はシンセもいっぱい入れていたんですけど、そういうものは全部取っ払っていいですって伝えて、“ギター! ベース! ドラム!”みたいものを全面に押し出した曲にしたかった。それが今っぽい音かはわからないんですけど、今回の曲はそういう感じでしたね。
「愛を学ぶのに武器はいらない」
――これまでとは異なるテイストの曲を作る上で、ボーカルで意識したことはありますか?
Foi:曲が優しいときには力を抜いて歌うことを意識するんですけど、今回は「ガッツです! パッションです!」みたいな(笑)、いつもよりも汚く歌ったかもしれないです。声が掠れていたら、他の曲だったら録り直してるかもしれないけど、この曲だったらいいかなって。あんまり綺麗にしすぎないように録りました。
――アルバムの楽曲と比べても音数が多いですし、ギターとベースが隙間なくやり合っているような曲です。サウンドからは怒りのような、ちょっとピリピリとした感じも受けました。
Foi:そうですね。これまでの曲は「温かい雰囲気の曲が多かった」と言いましたけど、私が書く曲は決して明るくはないんですよね。温かい音像の曲でも、悲しいことを歌っていたりする。「さよなら」はその悲しみに、怒りを足した曲になっているのかなと思います。
――それはなぜ?
Foi:今の自分より上を目指したいと思っているので。「さよなら」は逆境の中にいる人たちに寄り添う曲ではないんです。どちらかと言うと、「私はこうやってむしゃくしゃする感情に“さよなら”していくから、ついてこい」っていうテンションの曲ですね。あと、“怒り”と言っても攻撃的な曲ではないと思っています。根本的には希望を持っている人の曲ではあります。
――歌詞の最後で、《来る日も来る日も夢を見てる》と歌われていますね。
Foi:そう、だから絶望している曲ではないんです。生きてると色々と大変じゃないですか。絶対に嫌なことはあるし、コロナ禍にもなって、今までよりももっと苦しくなったこともあると思うんです。そういうときに、自分に正直になって取っ払いたいものは取っ払って、それでも希望は落とさず、《悪夢の中でも愛を学ぶよ》というメッセージを歌う。
――なるほど。
Foi:あと、自分に余裕がないときって、人に攻撃しやすくなるじゃないですか。《武器は持たずに愛を学ぶよ》という歌詞は、自分へのメッセージでもあるんですよね。愛を学ぶのに武器はいらない。最近はあまり情勢もよくないですけど、根本的には希望を持って強く生きていきたいです。
「皆さんに背中を預けて私は前に進む」――初のワンマンに向けて
――「さよなら」をリリースした後には、ワンマン・ライブが目と鼻の先に迫っています。
Foi:めちゃくちゃ楽しみですね。私にとっては初のワンマンなので、うずうずしちゃいます。ただ、やりたいことがめちゃくちゃあるんですけど、自己満にならないようなライブにはしたいと思っています。ワンマン・ショーとして、お客さんが楽しめる日にしたいですね。
――どんな編成になりそうですか?
Foi:ベースとギターと鍵盤と私の4人で今回はドラムレスです。会場がTimeOut Cafeなので、ステージがあんまり大きくないからドラムを入れるとぎゅうぎゅうなっちゃうかなと。
――初ワンマンを経て、またフィードバックがありそうですね。
Foi:ライブは大事だなって本当に思います。生で歌って音源を超えなきゃいけない。そこがアーティストとして素敵だと思うし、お客さんが足を運んでくれるというのが一番すごいことだなと思います。普段曲を聴いてもらうだけでも、その人の生活の一部になるってことなのに、ライブとなると1日かけて遠征してくるような人もいて、それって本当にすごいことですよね。会いにきてくれる人がたくさんいるっていうことは、自分の曲に魅力があるんだろうなって思えるので、自信がつきますね。
――ちなみに、ライブのタイトル『BACK to BACK』にはどういう思いが込められていますか?
Foi:『BACK to BACK』ってDJのB2Bのことで。今回のライブでは最初に前座みたいなDJコーナーを設けて、仲良しのお友だちが出てくれるんです。
――ザ・乙女ズですよね。
Foi:はい。本当におふざけタイムなんですけど(笑)、そこで『BACK to BACK』というタイトルを思い付いて。『BACK to BACK』って本来は“背中合わせ”とか“連続的”という意味があるんです。このワンマンが終点じゃなく、ここを経てどんどん前にいくという意味でも連続的ですし、ファンの皆さんに背中を預けて私は前に進むという意味で背中合わせだなと。
Foi:ファンだけど戦友みたいに思っているので、『BACK to BACK』っていいなと思いました。あとは字面が可愛いので、グッズも作りやすそうだなというのもあるんですけど(笑)。
――来年以降はどういう活動をしたいと思っていますか?
Foi:いっぱい曲を出したいですね。たくさん曲を出して、いっぱいライブしたい。それに尽きます。
――「さよなら」以外にも色々な楽曲を作っているとのことでしたが、これからはどんな曲が生まれそうですか?
Foi:これまではサウンド感を模索してきたんですけど、曲調としては自然と湧いてくるものがあるので、それを軸にしていきたいと考えています。ただ、生々しい話なんですけど、今はストリーミングの時代じゃないですか。バラードを聴くのはカロリーが高いから、一発で耳を引くようなインパクトのある曲の方がいいのかなとか、そういうことも多少は意識しています。
私のルーツにある中国のアーティストって、「さよなら」のような曲もやれば、バリバリのバラードもやるし、いろんな曲をやるんですよね。そういうアーティストに憧れているから、私もそういう幅広い曲調、サウンドに挑戦していきたいです。
――ちなみに、最初にラブソングが好きと言われていましたが、何か理由があるんですか?
Foi:私はaikoさんがめっちゃ好きなんですよ。あと、中国ってラブソングばっかりなんですよね。
――ラブソングと言っても、恋に落ちるような曲もあれば、ハートブレイクの曲もありますよね。どういうテイストに惹かれますか?
Foi:切ないやつ……ですかね(笑)。たぶん私は中途半端な感情が好きなんですよ。すっごいハッピーでもないし、すっごい絶望的で悲しいわけでもない、幸せそうなこと言ってるけど切ないとか、そういうものが好きですね。
――アンビバレンスな感じですね。
Foi:うん、そう。……根本的に明るくないからじゃないですかね(笑)。ラブコメとかも観れないです。観ていても先が気にならない。大体5話くらいで諦めちゃう(笑)。
――Foiさんは中国にもルーツがありますが、アジアのシーンも視野に入れていますか?
Foi:言語が出来るのは私の武器だと思うから、絶対に行きたいと思っています。「Countman」や「BOYFRIEND」は中国語版も出していて、意外と手応えがあったというか。中国の音楽プラットフォームで聴いてくれてる方もたくさんいるんだと実感できました、中華圏の活動を目指し、夢を大きく持ちたいですよね。
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※当選のお知らせに対して48時間以内に返信がない場合、誠に勝手ながら辞退とさせて頂きます。
※住所の送付が可能な方のみご応募下さい。頂いた個人情報はプレゼントの発送以外には使用致しません。
※フリマサイトなどでの転売は固く禁じます
【リリース情報】
■ 配信リンク(https://nex-tone.link/A00108417)
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萩原知也(Absolute area)
土器大洋(MO MOMA)
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