12月01日@東京・下北沢CLUB251

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COLDRIVE、
初ライブツアー最終公演の
レポートを公開

海千山千の東京バンドシーンを駆け抜けて来たHUMANDRIVEThe cold tommyが融合したCOLDRIVE。新生バンドとして、自身初となるライブツアー『COLDRIVE presents「WAO!WAO!WAO!」〜PARADE OF COLDRIVE〜』が大阪、名古屋と行進を続け、12月01日(木)東京・下北沢CLUB251でファイナルを迎えた。

ツアータイトルに冠された「PARADE(パレード)」という単語は、彼らのコンセプトでもある「融合バンドならではのお祭り騒ぎ」の意味をそのまま現している訳だが、ファイナル当日、確かに彼らの「祭り」を待ち侘びるオーディエンスの表情は確実に強い「ワクワク」を求めているように感じられた。

—定刻、ステージ上に現れたメンバーは中央に集まり、円陣を組んで全員で何かを叫ぶ事で、自ら出発の狼煙をあげる。埋め尽くされたフロアにいきなり最新曲「Red-Eye Flight」を叩き込む様は、慣らし運転ナシで初速から高速パレードをスタートさせているようだ。

そのまま、今ツアーのテーマ曲「WAO!WAOWAO!」でノダ(Vo.)が軽快に煽ると、呼応してクドノ(Dr.)が、ステージ前に躍り出て、堂々のラップを披露。あまりに自由奔放なステージ運び、これこそが手練でありながら、新人のような彼らの真骨頂なのかもしれない。
12月01日@東京・下北沢CLUB251

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COLDRIVEは、ノダと研井(トギイ)が交互に歌う、いわゆるツインボーカルのスタイル。まったく違うはずの二人の声質が、ライブが進むと徐々に1つの音に聴こえる錯覚を覚えていく。それだけも、このバンドは溶け合っていて、十二分以上にシンクロしていると思う。

ライブ中盤、披露した「群青に揺れ」。2名のドラムが曲によってコンバートしてプレイするスタイルだが、興奮した松原(Dr.)がプレイ中のクドノに近づきWでドラムを叩くというパフォーマンスでオーディエンスを沸かせた。終始クールな演奏の印象のツバサ(Gt.)がメインで作ったこの曲だが、彼同様、冷静さの中に熱いものを内包している印象だ。
12月01日@東京・下北沢CLUB251

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さらに「LIBERTY」では、これまで職人に徹していたベーシスト・ヒフミが、突然叫び出してスタートする。個性あふれるメンバーの共演、正にパレードのキャストのように賑やかで、バンドシーンを生き延びてきた実力が裏打ちされているからこそ出来る魔法なのであろう。「地道にキャリアを積んできてもできない事もある。でも夢は諦めなければ絶対叶う」と語るノダの根底には、コロナ禍で音楽を諦めた仲間への思いが見え隠れする。華々しい「パレード」の裏側に苦悩を忍ばせて贈るライブは、きっと彼らにしか出来ない。
12月01日@東京・下北沢CLUB251

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そしてラストの曲は、彼らの代表曲とも言える「OUR」。『あの日の僕たちはまた出会う』とメンバー、バンド仲間、ファンに届くように、強いメッセージをより力強く歌い上げた。パレードというよりはむしろジェットコースターのようなライブ。HUMANDRIVEともThe cold tommyとも確実に違う、新しいバンドの産声が聞こえた気がした。
12月01日@東京・下北沢CLUB251
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OKMusic編集部

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