INTERVIEW / Ace Hashimoto 日本と縁
の深い異色ラッパー・Ace Hashimoto
。彼が企てる新たな挑戦とは

シカゴ出身のラッパー/プロデューサー、Ace Hashimotoが野外フェスティバル 『MIND TRAVEL』(https://mindtravel.spincoaster.com/) にて、およそ5年ぶりとなる日本でのライブを行った。
brandUn DeShay名義での活動でも知られる彼は、Odd Futureの初期メンバーでもあり、SZA、Mac Miller、Chance The Rapperなど、これまで数多くのプロデュース・ワークや楽曲提供、客演で名を馳せてきた。日本文化を敬愛するあまり2017年から東京に一時期移住までした彼は、EXILEやELLY、CrazyBoy(三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)への楽曲提供でも活躍。Ace Hashimoto名義ではKojoe、5lack、RAU DEF向井太一、yonkeyなどとコラボするなど、日本の音楽シーンとも交流を深めてきた。
今回はそんなAce Hashimotoにメール・インタビューを実施。日本との繋がりやこれからの活動について語ってもらった。
Interview & Text by Takazumi Hosaka
Translation by bacteria_kun
Photo by toshimura(https://www.instagram.com/toshimu_rar/)
――『MIND TRAVEL』でのライブはいかがでしたか?
Ace Hashimoto:『MIND TRAVEL』でのパフォーマンスはとても楽しかったです。このフェスティバルは同じような音楽のテイストを持つ人たちと出会って、新しい音楽を発見する素晴らしい場所だと思います。美しいリゾート自体が会場の雰囲気を盛り上げてくれて、ときには非現実的にも思えるような体験ができるのも最高。みんなの思い出に残る体験を作るために、『MIND TRAVEL』のスタッフは素晴らしい仕事をしていたと思う。
――2年間ほど日本に住んでいたそうですね。その当時はどのような生活をしていたのでしょうか?
Ace Hashimoto:日本に住んでいたのは2016〜2017年で、その間に才能に溢れるたくさんの日本のミュージシャンとコラボレーションしました。元々福岡と東京でアルバムをレコーディングしていたけど、リリースする前に自分の歌唱力やプロダクションの精度をもっと向上させたくて。
――Thundercatの来日時には通訳やアテンドのようなこともしていたと聞きました。彼との印象深いエピソードはありますか?
Ace Hashimoto:日本語を学んでいたおかげで、Thundercatの来日中に毎日一緒に遊んだりして楽しく過ごすことができたから、勉強していて本当によかったと思いました。彼とはミュージシャンとして音楽を通してだけの繋がりというよりも、もっとパーソナルな部分で通じ合って友情を築くことができました。印象に残っている思い出は、自分の友人たちに彼を紹介できたことかな。みんなThundercatの大ファンだったから、彼らもすごく喜んでくれて、自分も同じように嬉しかった。
――ドラゴンボールをはじめとした少年ジャンプ系のマンガが好きだったそうですが、日本に興味を持ったのはそれらがきっかけでしょうか。
Ace Hashimoto:そもそもアメリカの若者はみんな『NARUTO』と『DRAGON BALL』が大好きなんです。それがポケモンや他のビデオ・ゲーム以外で、日本という国を知るきっかけになっていると思います。
――実際に日本に住んで、多くの日本人アーティストとの協業も経て、今のあなたには日本の音楽シーンはどのように映っていますか?
Ace Hashimoto:アメリカのミュージック・シーンとは根本から違っていると感じます。例えば、実際に日本に来るまではミュージシャンのほとんどは専業だと思っていたけど、日本では人気や実力が十分にあっても、音楽以外の仕事をしているアーティストも多くて驚きました。そういったアーティストのことは本当に尊敬しています。
もちろん彼らのようなアーティストの多くは、本当は音楽制作に専念したいんだろうけど、でも中には自分の感覚に近いような、音楽はあくまで楽しい趣味であって、十分にお金が稼げるならそれでいいって思っているアーティストもいるのかもしれませんね。
――今さらなのですが、Ace Hashimotoという名前の“Hashimoto”の由来は?
Ace Hashimoto:高校以来の親友の名前が“Shota Hashimoto”で、彼のニックネームが“Ace”なんです。だからアーティスト名を決めるときは、自分の親友に「“Ace Hashimoto”にしていい?」って聞きました。“Hashi”って漢字の意味が“橋=Bridge”というのも気に入っていて、日本とアメリカのカルチャーの架け橋のような存在になれるんじゃないかって思ったんです。
――今年はbrandUn DeShay名義で『Best Of YouTube』シリーズをリリースしていますが、これはどういった作品なのでしょうか。また、今後も続く予定ですか?
Ace Hashimoto:brandUn DeShayの作品と、Ace Hashimotoの作品を並べて語ることは個人的にはあまりしたくありません。それぞれ全くの別物だと考えてもらいたいんです。
――Ace Hashimotoとしてもリリースが続いていますね。〈H1GHR MUSIC〉から発表された「RnB 4 Sk8ers (feat. BIG NAUGHTY & SMMT)」は、『MIND TRAVEL』と同日にリリースされ驚きました。
Ace Hashimoto:これは今年書いた中でも特にお気に入りの曲で、〈H1GHR MISIC〉とまたこうして仕事ができることは本当に嬉しかった。以前、アルバム『PLAY.MAKE.BELIEVE.』(2021年)でpH-1と一緒に楽曲を作ったことがあって。SMMTはもともとSik-KとpH-1のDJだったから、そのときに彼と出会いました。SMMTがいくつか本当にカッコいいビートを送ってきてくれて、これは絶対にいい作品になると確信して興奮しました。
――今後の展望を教えて下さい。
Ace Hashimoto:実は2023年4月頃にはまた東京に引っ越して、自分や他のたくさんの人のために音楽を作りたいと思っています。2〜3年前にコラボレーションを予定していたミュージシャンがたくさんいたんですけど、パンデミックの影響で渡航が制限されていたから、日本で一緒に制作することができなくて。だから日本を皮切りに、これからできるだけ多くの国を訪れるのに数年を費やして、また新しいことに挑戦しようと企んでいます!
■Ace Hashimoto: Twitter(https://twitter.com/acehashimoto) / Instagram(https://www.instagram.com/acehashimofo/)
シカゴ出身のラッパー/プロデューサー、Ace Hashimotoが野外フェスティバル 『MIND TRAVEL』(https://mindtravel.spincoaster.com/) にて、およそ5年ぶりとなる日本でのライブを行った。
brandUn DeShay名義での活動でも知られる彼は、Odd Futureの初期メンバーでもあり、SZA、Mac Miller、Chance The Rapperなど、これまで数多くのプロデュース・ワークや楽曲提供、客演で名を馳せてきた。日本文化を敬愛するあまり2017年から東京に一時期移住までした彼は、EXILEやELLY、CrazyBoy(三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)への楽曲提供でも活躍。Ace Hashimoto名義ではKojoe、5lack、RAU DEF、向井太一、yonkeyなどとコラボするなど、日本の音楽シーンとも交流を深めてきた。
今回はそんなAce Hashimotoにメール・インタビューを実施。日本との繋がりやこれからの活動について語ってもらった。
Interview & Text by Takazumi Hosaka
Translation by bacteria_kun
Photo by toshimura(https://www.instagram.com/toshimu_rar/)
――『MIND TRAVEL』でのライブはいかがでしたか?
Ace Hashimoto:『MIND TRAVEL』でのパフォーマンスはとても楽しかったです。このフェスティバルは同じような音楽のテイストを持つ人たちと出会って、新しい音楽を発見する素晴らしい場所だと思います。美しいリゾート自体が会場の雰囲気を盛り上げてくれて、ときには非現実的にも思えるような体験ができるのも最高。みんなの思い出に残る体験を作るために、『MIND TRAVEL』のスタッフは素晴らしい仕事をしていたと思う。
――2年間ほど日本に住んでいたそうですね。その当時はどのような生活をしていたのでしょうか?
Ace Hashimoto:日本に住んでいたのは2016〜2017年で、その間に才能に溢れるたくさんの日本のミュージシャンとコラボレーションしました。元々福岡と東京でアルバムをレコーディングしていたけど、リリースする前に自分の歌唱力やプロダクションの精度をもっと向上させたくて。
――Thundercatの来日時には通訳やアテンドのようなこともしていたと聞きました。彼との印象深いエピソードはありますか?
Ace Hashimoto:日本語を学んでいたおかげで、Thundercatの来日中に毎日一緒に遊んだりして楽しく過ごすことができたから、勉強していて本当によかったと思いました。彼とはミュージシャンとして音楽を通してだけの繋がりというよりも、もっとパーソナルな部分で通じ合って友情を築くことができました。印象に残っている思い出は、自分の友人たちに彼を紹介できたことかな。みんなThundercatの大ファンだったから、彼らもすごく喜んでくれて、自分も同じように嬉しかった。
――ドラゴンボールをはじめとした少年ジャンプ系のマンガが好きだったそうですが、日本に興味を持ったのはそれらがきっかけでしょうか。
Ace Hashimoto:そもそもアメリカの若者はみんな『NARUTO』と『DRAGON BALL』が大好きなんです。それがポケモンや他のビデオ・ゲーム以外で、日本という国を知るきっかけになっていると思います。
――実際に日本に住んで、多くの日本人アーティストとの協業も経て、今のあなたには日本の音楽シーンはどのように映っていますか?
Ace Hashimoto:アメリカのミュージック・シーンとは根本から違っていると感じます。例えば、実際に日本に来るまではミュージシャンのほとんどは専業だと思っていたけど、日本では人気や実力が十分にあっても、音楽以外の仕事をしているアーティストも多くて驚きました。そういったアーティストのことは本当に尊敬しています。
もちろん彼らのようなアーティストの多くは、本当は音楽制作に専念したいんだろうけど、でも中には自分の感覚に近いような、音楽はあくまで楽しい趣味であって、十分にお金が稼げるならそれでいいって思っているアーティストもいるのかもしれませんね。
――今さらなのですが、Ace Hashimotoという名前の“Hashimoto”の由来は?
Ace Hashimoto:高校以来の親友の名前が“Shota Hashimoto”で、彼のニックネームが“Ace”なんです。だからアーティスト名を決めるときは、自分の親友に「“Ace Hashimoto”にしていい?」って聞きました。“Hashi”って漢字の意味が“橋=Bridge”というのも気に入っていて、日本とアメリカのカルチャーの架け橋のような存在になれるんじゃないかって思ったんです。
――今年はbrandUn DeShay名義で『Best Of YouTube』シリーズをリリースしていますが、これはどういった作品なのでしょうか。また、今後も続く予定ですか?
Ace Hashimoto:brandUn DeShayの作品と、Ace Hashimotoの作品を並べて語ることは個人的にはあまりしたくありません。それぞれ全くの別物だと考えてもらいたいんです。
――Ace Hashimotoとしてもリリースが続いていますね。〈H1GHR MUSIC〉から発表された「RnB 4 Sk8ers (feat. BIG NAUGHTY & SMMT)」は、『MIND TRAVEL』と同日にリリースされ驚きました。
Ace Hashimoto:これは今年書いた中でも特にお気に入りの曲で、〈H1GHR MISIC〉とまたこうして仕事ができることは本当に嬉しかった。以前、アルバム『PLAY.MAKE.BELIEVE.』(2021年)でpH-1と一緒に楽曲を作ったことがあって。SMMTはもともとSik-KとpH-1のDJだったから、そのときに彼と出会いました。SMMTがいくつか本当にカッコいいビートを送ってきてくれて、これは絶対にいい作品になると確信して興奮しました。
――今後の展望を教えて下さい。
Ace Hashimoto:実は2023年4月頃にはまた東京に引っ越して、自分や他のたくさんの人のために音楽を作りたいと思っています。2〜3年前にコラボレーションを予定していたミュージシャンがたくさんいたんですけど、パンデミックの影響で渡航が制限されていたから、日本で一緒に制作することができなくて。だから日本を皮切りに、これからできるだけ多くの国を訪れるのに数年を費やして、また新しいことに挑戦しようと企んでいます!

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