アンドロイドと人間の機微を、魂のサ
ウンドにのせて~前川優希主演、音楽
劇『ジェイド・バイン』ゲネプロレポ
ート

音楽劇『ジェイド・バイン』が2022年11月17日(木)、東京・シアター1010にて開幕した。アニソン歌手の黒崎真音が原作原案・音楽監修・主題歌を務めたオリジナル音楽劇。初日直前にはゲネプロが行われた。
脚本はダリア・ローダンテ役で出演する花奈澪、演出は伊勢直弘が担当。ジェイド・バイン役で主演を務める前川優希をはじめ、舞台俳優や声優、歌手などさまざまなジャンルで表現者として活躍するキャストが名を連ねている。
音楽劇『ジェイド・バイン』舞台写真
舞台は自動二足歩行アンドロイドが実用化された未来。アンドロイド製造会社の若き社長であるオーキッド・ハリソン(君沢ユウキ)は、古びた旧式アンドロイドを修理し、病弱で外出もままならない妻のリリー(黒崎)へプレゼントする。美しい翡翠色の瞳を持つアンドロイドは「ジェイド・バイン」と名付けられた。ジェイドはオーキッドから大切な使命を授かるが、ハリソン一家には悲劇が待ち受けていた……。
音楽劇『ジェイド・バイン』舞台写真

音楽劇『ジェイド・バイン』舞台写真
音楽劇『ジェイド・バイン』舞台写真

時は流れ、アンドロイド技術はさらにめまぐるしい進化を遂げる。ほぼ人間と変わらない機能の新型アンドロイドが、人間よりも高い技術で人々の暮らしを支えていく。己の性能に誇りを持つアンドロイドたちと出会ったジェイドは、自らの成長や進化を望むように。家事や護身術を身に着けていくのは、リリーを喜ばせるため。健気で純粋な動機はやがて感情になり、どんどん表情豊かになっていくジェイドが愛らしい。
音楽劇『ジェイド・バイン』舞台写真
音楽劇『ジェイド・バイン』舞台写真
ストーリーの魅力のひとつが、個性豊かなキャラクターたち。アンドロイドや携わる技術者だけではなく、病院や警察にまつわる人物が続々登場。それぞれのバッグボーンが丁寧かつわかりやすく描かれており、すぐに没入してしまった。舞台上のあちこちに投影される映像もかっこいい。
音楽劇『ジェイド・バイン』舞台写真

音楽劇『ジェイド・バイン』舞台写真

音楽劇『ジェイド・バイン』舞台写真
劇中のナンバーは、すべて黒崎が作詞で携わっている。ある時はパワフルに、ある時は壮大なメロディに乗り、魂のこもったサウンドが体中に響き渡っていく。ハッピーな楽曲ではキャラクターたちの笑顔が弾け、クライマックスでは息をのむ緊迫感。多彩な音楽に彩られたストーリーが加速していく感覚は、音楽劇ならではの醍醐味だろう。本作に打ち出された「――その目に見えぬものを、謳歌せよ」のメッセージを、観劇後に何度も噛み締めた。
音楽劇『ジェイド・バイン』会見より

出演者コメント
■ジェイド・バイン/前川優希
改めまして、ジェイド・バイン役前川優希です。
挑戦の連続で、一瞬で駆け抜けた稽古期間でしたが、役者としてとても幸せに感じる時間でした。
またこれから皆様に観劇していただいて、その瞬間が増えると思うと楽しみで仕方ありません。
生まれた心を、感情を、感動を、伝えられますように。
■リリー・ハリソン/黒崎真音
音楽劇『ジェイド・バイン』という作品は、私にとって大切な宝物です。
傷痕から産まれた物語に命が芽生え、舞台に立ち、“彼ら”と生きる瞬間を迎えられること。
心から愛しく思います。
全員で創り上げた、唯一無二のこの世界でお待ちしています。
あなたの心に触れられますように。
■ダリア・ローダンテ/花奈澪
主演の前川優希を筆頭にただただ表現することに愛を持つ素敵なメンバーです。
ファスト、デジタル、隔離が推奨される世の中で、劇場でしか出来ない"舞台"はきっと贅沢品。
でも音楽やダンスそして物語は、必ず心を豊かにさせてくれる!人生には心が必要です。
「こういう舞台が好きだ!」と嘘偽りなく言える作品を届けたい。
来てくださった皆様に、我らの"好き"が届きますように。
心を込めて演じます。
■イベリス/村田充
この作品が生まれた経緯、この役が生まれた経緯をしっかりと感じながら稽古に励みました。
一点の迷いもなく、この音楽劇『ジェイド・バイン』のために、 そしてご観劇いただくお客様のために、芝居をしたいと思います。
どうぞよろしくお願いしたします。

本公演は、11月23日(水)まで上演。初日公演のアーカイブ配信がイープラス「Streaming+」にて行われ、12月1日(木)21:00まで視聴券を販売。
取材・文・撮影=潮田茗

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