【東京初期衝動 インタビュー】
ロックでポップなのが最強!
ライヴでパンクになれば、
どんな曲を作ってもいい
アルバム『えんど・おぶ・ざ・わーるど』に入っていた弾き語りの「ボーイズ・デイ・ドリーム」は、バスルームで歌っているような音質も印象的でしたが、今作ではバンドアレンジで収録されていて。
しーな
まれちゃんはこの曲を“『えんど・おぶ・ざ・わーるど』の箸休め”って言っているんですけど、私はめちゃくちゃ好きな曲なんですよ。特にCメロが気に入っていて、絶対にバンドでやりたいと思っていたんです。
まれ
作っていた時は「チューペット」(『SWEET 17 MONSTERS』収録曲)的な立ち位置の、聴いている側が休める曲にしたくて。
「ボーイズ・デイ・ドリーム〜ドッカーンver〜」は最後のCメロで急速に盛り上げていくのもいいですね。アレンジもしーなさん先行で考えていったんですか?
しーな
そうですね。最後のところはみんなにやめたほうがいいって言われていたんですけど、やってみたら良かったので。間奏のギターもめっちゃ良くて、まれちゃんが仮で弾いていたのを聴いて、“絶対、それ弾けよ”って言いました。
そして、映画『グリーンバレット』の主題歌「エンドロール」と挿入歌「コマンドバトル!」が収録されていますが、この2曲は映画からどうイメージを膨らませて作っていったんですか?
しーな
脚本を読んで作ったんですけど、普段やったことのない作業だからすごく体力を使うんですよ。
しーな
そう。“主題歌を作る人ってこんなに大変な作業をやっているんだ!?”って思いました。しかも恋愛系じゃなくて、6人の主人公が殺し屋修⾏合宿をするという、自分が経験したことのない題材のお話だからいろいろ想像しましたね。「エンドロール」は主人公の女の子たちに焦点を当てて、「コマンドバトル!」に関してはカッコ良い銃撃のシーンで流れると聞いていたから、そこをイメージして作りました。
「コマンドバトル!」の勇敢な感じもすごくカッコ良かったです。キャッチーだけど、渋みがあるというか。
まれ
そうかも。メロディーのギターソロというよりは、繰り返しのほうが合いそうだと思って、わりとストレートな感じを意識しました。
「梅毒」みたいな熱量全開な曲も得意なバンドだと思うんですけど、「コマンドバトル!」のじわじわとアツさが伝わってくる感じや、最後《⽌まることを知らない⾳が/やがて愛の歌になる》と言い放って終わるのも良かったです。
しーな
普通に終わるよりもBメロを持ってきて終わっちゃおうと思ってサクッと。制作期間も短かったので、悩んでもしょうがないなって。前回のアルバムの時からそうなんですけど、変化球を持ってきてパッと決めました。
「エンドロール」も映画ありきで作られた曲ではありますが、哀愁のあるロックバラード的な魅力とロック&ポップが合わさっているという、今の東京初期衝動っぽい曲だとも思いました。
しーな
私もめっちゃ好きな曲です。「Because あいらぶゆー」(『SWEET 17 MONSTERS』収録曲)みたいな感じで作りました。「ボーイフレンド」は「マァルイツキ」(『えんど・おぶ・ざ・わーるど』収録曲)に似ていると思います。サビのコードは一緒だし、たぶん時期によってハマるコードがあるんだろうね。なんか、ポップにしたいんですよ。ロックでポップなのが最強だと思っています。
まれ
この曲で初めてアームを使いました。アームを使うためにギターを借りて、サビでもアームを使いまくっています(笑)。アームが使えるギターを持っていないから、まだライヴではやっていないですけど。
思い思いにやりたいことをやっていていいですね。だからこそ、バンドの音楽性にも変化があるのだと思いますが、今の東京初期衝動はどんな感じですか?
ライヴでは一貫してどの楽曲もパンキッシュになりますが、そこがぶれないのってどうしてなのでしょうか?
しーな
緊張しているから(笑)。やっぱ人前でライヴをやるのは気が気じゃないというか。やっちゃえばあり得えないくらい楽しいし、何よりも満足感があるんですけど、やる前はしんどい。ライヴでパンクになれば、どんな曲を作ってもいいって気持ちもあります。音源だけで“パンクじゃない!”とか言われたくないですね。
12月からは、来年2月まで続く『東京初期衝動ツアー2022-2023『東京初期衝動御一行様全国忘年会新年会会場はこちら』』が始まりますが。
しーな
ギターの練習をしなきゃね。地方にもいけるのが本当に楽しみです。他のメンバーがどう思っているのか分からないけど。
しーな
あっ、ほんと?(笑) なおちゃんは喜怒哀楽をあんまり出さないので、こっそり訊かないと分からないけど、前に“何でバンドやってるの?”と訊いた時に“楽しいことしか探していないから”と言ってて(笑)。
まれ
“絶対にやめない”って言ってたんだよね(笑)。
しーな
そう。“続けていたら新しい発見がある”って。なおは漢ですよ。でも、私も楽しくないと無理かも。
しーな
うん。だから、絶対に友達とじゃなきゃできないよね。バンドって刹那的なものだから、一瞬一瞬に懸けて、楽しいことが増えていけばいいなって思います。
取材:千々和香苗
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ミニアルバム『らぶ・あげいん』2022年11月23日発売
チェリーヴァージンレコード
- CVR-0010
- ¥3,850(税込)
- ※初回限定盤
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『東京初期衝動ツアー2022-2023「東京初期衝動御一行様全国忘年会新年会会場はこちら」』
12/02(金) 千葉・千葉LOOK
12/04(日) 神奈川・F.A.D YOKOHAMA
12/16(金) 兵庫・神戸太陽と虎
12/19(月) 東京・下北沢シェルター
[2023年]
1/21(土) 北海道・札幌ベッシーホール
1/22(日) 福岡・福岡 Qp’s
1/28(土) 宮城・仙台enn 3rd
2/05(日) 愛知・名古屋CLUB UPSET
2/11(土) 香川・高松TOONICE
2/12(日) 大阪・梅田シャングリラ
2/26(日) 東京・東京キネマ倶楽部
トウキョウショキショウドウ:2018年4月、しーなちゃん(Vo&Gu)を中心に銀杏BOYZ好きが集まって結成し、20年11月にあさか(Ba)が加入して現体制に。21年には日テレ系音楽番組『バズリズム02』恒例の新春企画『これがバズるぞ2021』にランクインし、TBS『マツコの知らない世界』では、海外でも活躍が期待されるガールズバンドとして紹介されるなど、話題を呼んでいる。『BAYCAMP20202』『RUSHBALL 2021』『MERRY ROCK PARADE 2021』などの大型ロックフェスにも出演。東京初期衝動 オフィシャルHP
「ボーイフレンド」MV
「エンドロール」MV