【この2.5次元がすごい】「SAO」10周
年を盛り上げるのはテクノロジーを駆
使したライブエンタテインメントショ

 人気ノベルシリーズを原作に、テレビアニメ「ソードアート・オンライン」(略称:「SAO」)が放送されたのが2012年。ちょうど10周年を迎え、シリーズ初のライブエンタテインメントショー「ソードアート・オンライン -DIVE TO STAGE-」が上演されました。劇場版などさまざまなメディアミックスが展開されている「SAO」。一体どんな作品が見られるのか、ステージ上で繰り広げられる「SAO」の世界を紹介します。
「SAO」の世界へフルダイブ
(c)川原 礫/アスキー・メディアワークス/SAO Project(c)SAO Stage Project 会場に入ると、スクリーンに映し出されていたのは秋葉原の街でした。「SAO」の舞台はプレイヤーが仮想空間に入り込むVRMMORPGで、開発者によってログアウトできなくなったゲーム内で現実世界に戻るため攻略を目指す物語です。作中では22年11月に正式サービスを開始しています。キリトを演じる松原凛さんも公演前に「作中の『SAO』の正式ゲームサービスが開始しているこの期間にこの世界へフルダイブできること、非常に嬉しく思います!」とコメントしていましたがまさにその通り。私たちのよく知る今の秋葉原が映し出されることで一気に気持ちが高まります。物語の中のいつかが今だったんだ、とわかるワクワク感は特別ですね。
(c)川原 礫/アスキー・メディアワークス/SAO Project(c)SAO Stage Project 今作の大きな特徴はアニメ版と同じ声優陣がボイスを担当し、キャストたちは動きのみを行うという点です。ストーリーもアニメと同じように展開されるため、ファンにとってはおなじみのシーンの連続で、アニメで見ていたあのシーンが再現されていると感じた人も多いでしょう。私はキャストの動きと連動する息遣いや、熱量によってその回ごとに微妙に変化する舞台の生っぽさが好きなのですが、今作ではそれはありません。ですが、声優とキャストで作り上げる役が動くことで、リアルっぽいのにどこか違うような本当に「SAO」の仮想空間に紛れ込んでしまったような不思議な没入感がありました。また、フライングや入れ替わりをはじめとしたひとりでは決して演じられないような演出も多く、これもボイスが別だからこそ実現できたことでしょう。
映像演出と重なり合うキャストたちのアクション
(c)川原 礫/アスキー・メディアワークス/SAO Project(c)SAO Stage Project 「SAO」のゲームらしい見せ方も今作の魅力。プレイヤーの目の前にメニュー画面が出てきたり、キャラクターのゲージが見えたりと、全体を通してLEDを駆使した演出が生かされています。バトルシーンではRPGらしい戦い方をしているのも印象的でした。スクリーンに映し出された敵に対し、キャラクターたちがそれぞれ見せ場をつくりながら攻撃していきます。死亡時の演出もアニメにならい命が散る様子がはっきりと描かれていて、なんとも切なくなりました。
 その演出と見事に重なり合いステージを盛り上げていたのが、キャストたちのアクションです。特にアクロバットを組み込んだ激しい殺陣を披露してくれる松原さんの演じるキリトは圧巻。自分の強さを隠し「SAO」の中で戦うキリトらしさを感じることができました。キリトとバディを組むのは佃井皆美さんが演じるアスナです。戦いの場面ではアスナの凛とした姿や、キリトを思う気持ちを強く美しく演じているのが伝わりました。
 未来だと思っていた「SAO」の世界がここに広がっているんだ、ということが細部までこだわった演出からも見えてくるイブエンタテインメントショー「ソードアート・オンライン -DIVE TO STAGE-」。観劇を終えた後は、私もキリトによって「SAO」の世界からログアウトでき、現実世界に戻ってきたような気持ちになりました。

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