L→R もぐ(Dr)、陶山良太(Vo&Gu)、亀山敦史(Ba)

L→R もぐ(Dr)、陶山良太(Vo&Gu)、亀山敦史(Ba)

【PLOT SCRAPS インタビュー】
自分がやるべきことが、
明確になっていく実感があった

作品が良くなると思ったことは
躊躇せずにやってみた

歌詞がアクセントになっている「Caramelic Love」の一線を越えられない男と、越えてほしいと思っている女性の気持ちというテーマは、どんなところからの発想だったのですか?

まず砂糖が焦げるイメージがあって、それをモチーフにラブソングを書いてみようと思ったんです。“自分の性格や立場が違ったら、こんな時にこう思うんじゃないか?”ということも踏まえて、シミュレーション的に書いていきました。サウンドもアレンジも軽快で、ライヴでも楽しんでもらえていると思います。

《黒くなった 蜜の味》と《黝くなった 蜜の味》という歌詞がありますが、“黒”と“黝”の使い分けにはどんな意味があるのですか?

以前はよく、アレンジだけじゃなく歌詞の字面でも遊ぶってことをやっていたんですよ。パソコンで“くろ”を変換してたら、たまたま“黝”が出てきて。“幼”って字が入っているじゃないですか。だから、“幼さゆえに焦げ付いた”とかいう意味合いが出せたりとかもあるんですけど、あんまりやりすぎると文章であって歌詞じゃなくなっちゃうので、最近は控えめにしています。

歌詞カードを見ながら楽しむこともできるわけですね。

そういうところも楽しんでもらえていたら嬉しいですね。これくらいだったらお洒落な気はしているので。

「Caramelic Love」はギターソロのフリーキーなトーンが印象に残ります。

感情がどんどん不安定な状態になっていくことを表現したくて、ギターソロの主旋律に対して、不協和音がだんだんとフェードインしてくる感じです。シンセっぽい音色に仕上がってます。

ギターと言えば、「ALWAYS BE HERE」のディレイをかけた単音のリフもかなり印象的です。

付点8分で、ずっとディレイがかかっている曲をやりたかったんです。出来上がってから“これは難易度がヤバい”と思ったんですけど、作っちゃったからにはライヴでも演奏するしかないという(笑)。最近はライヴで演奏することを考えながら曲を作るとはいえ、イケると思いながら作ってもスタジオで“これ、結構ヤバくない?”となることも少なからずまだあって。最近、ようやく弾きこなせるようになってきて楽しいです。

ディレイをかけたリフを2番でミュートするところがすごくいいですね。

違う質感が見えてきますよね。「ALWAYS BE HERE」のギターも全体を通してシンセ的なフレーズだと思うんですけど、それを人力でやるとどうなるのかという思いがあったんです。

トレモロ・ピッキングからの激しいギターソロも弾きどころです。

そう言えば「アンサー」以外は全部ギターソロが入っていて。ちょっと前に、“みんなもうあんまりギターソロ弾かないのかな?”と感じたことがあって、“じゃあ、俺は弾こう”と思い、ギターソロをマシマシにすることを心に決めた気がします。ギターソロを弾かずにCメロ、Dメロという構成にする人もいると思うんですが、僕はギターソロに突入することが多いですね。

今回、サウンドメイキングで意識したことはありましたか? 

「バタフライ」のベースとドラムはかなり作り込んでいて、ドラムはミュート多めで、録りの段階からアガりを予想した音にしたんですけど、かなりいい方向に着地できましたね。ベースも今まで使ったことがないピックアップを使って、ファンキーなテイストを出してみました。ギターは全曲、僕が宅録をするんですけど、今回はライヴで得た知見をもとにイコライジングを変えてみたりしました。以前はドンシャリめの音が好きで、楽器単体の音の良さばかり追求してしまっていたんですけど、”バンドで混ざった時に良い音”があるというフィードバックがライヴからいっぱいあったので、ギターサウンドとアレンジはそういう知見をもとに作りました。あとは、僕しかやらないような変な音の作り方もやっています。宅録なのでギターをステレオで出力して、最初から凄くアンビエントな音もあるんですよ。セオリーではあまりやらないというか、エンジニアさんから怒られるかもと思って今まではやらなかったことも多いんですけど、“これはやった方がいい”“これはやっても意味がない”ということも明確になってきたので、作品が良くなると思ったことは躊躇せずにやりました。例えば「ALWAYS BE HERE」イントロの空間的なギターの音なんかはミキシングの段階でエフェクトをかける場合が多いんですが、“自分の理想の音があるなら最初からしちゃえ”と思ってそういう音に自分で時間をかけて加工しました。あと、鬼のようにリバーブがかかってめちゃくちゃ広がっているけど、鬼のように小さな音で鳴らしているみたいな隠し味的な音も、ほぼ全曲入っていたりします。

サウンドメイキングでも手応えあるものになっていると。

そうですね。あとは「グライダー」のイントロからバンドインする瞬間なんですけど、普通は消すギターの“ピキッ”っていうノイズを消さなかったりとか。そういうのがいいなと思うんですよ。創作活動において、ミステイクとか適当に出したもの、意識の外から引っ張ってこれた瞬間って、本当に変え難いアイディアだということに最近気づいて、「グライダー」のノイズのような些細なことも含め、作品が良くなるならどんなものも取りこぼさないようにしています。

11月19日の札幌公演から『ALWAYS BE HERE TOUR 2022』ツアーが始まります。冒頭で自信があるとおっしゃっていましたが、どんなふうに自信があるのか聞かせてもらってもいいですか?

前回のツアーファイナルも当時の自分達にはベストライヴだったんですけど、“こういうことをやりたい”とか“これがカッコ良い”とか、自分たちのライヴが、やるべきことが全然定まりきっていなかったんですよ。それからライヴと向き合い始めて、“これだ!”というものが見つかってきて、それが全ての活動においても明確になってきたんです。もともと、全くライヴハウスに通ってこなかったという出自を持つ自分がライヴシーンに出ていって、やっとやるべきライヴが見つかった気がしています。最近、初期の曲もリハでやっているんですけど、昔に比べて演奏力がかなり上がっていて、単純にそういうところもパワーアップしていると思います。

前回のツアーファイナルが終わってから、サポートギタリストを入れずに本来の3ピースでライヴを続けてきたそうですが、3人に戻った理由は自信がついたからというのもあるのですか?

そもそもサポートを入れたのも迷いから来ていたというか、“PLOT SCRAPSは本質的に4人編成のほうがいいんじゃないか?”と悩んでいたからなんです。アレンジも全くライヴを考えずに来たので。前回のツアーは4人で回って、すごくいいものになったと思うんですけど、ギターヴォーカルで3ピースにしては複雑な曲もあるという、自分たちのアイデンティティーに真剣に向き合っていなかったなと思って。向き合って今日まで活動してみた結果”俺たちはスリーピースバンドだ”って言える自信が付きました。でも結局今となっては、腹を括れるなら3人でも4人でも、何でも良かったと思っています。大事なのは気合いですね。

今回のツアーでは、さらにいいライヴを観せてもらえそうですね。

はい。間違いなく今までで一番いいライヴになると思います。

12月18日に渋谷WWWでツアーファイナルを迎えるわけですが、いい一年の締め括りになりそうですね。ちょっと気が早いかもしれませんが、最後に来年の抱負も聞かせてもらえないでしょうか?

オリジナルアルバムを作って、ライヴしまくりたいです。とにかくエネルギーを放ちたいです。

取材:山口智男

ミニアルバム『ABH』2022年11月16日発売 No Big Deal Records
    • NBPC-0103
    • ¥1,500(税込)

『ALWAYS BE HERE TOUR 2022』

11/19(土) 北海道・札幌SOUND CRUE
w)The Floor、ダルメシア
11/24(木) 大阪・Pangea
w)シナリオアート and more
11/26(土) 福岡・Queblick
w)ENFANTS、indischord、yeti let you notice
11/28(月) 広島・4.14
w)ENFANTS、indischord、yeti let you notice
11/30(水) 香川・高松TOONICE
w)SHIFT_CONTROL and more
12/01(木) 愛知・名古屋CLUB UPSET
w)EASTOKLAB、Laughing Hick
12/04(日) 宮城・仙台enn 3rd
w)YAJICO GIRL、YUTORI-SEDAI
12/18(日) 東京・渋谷 WWW
※ワンマン

PLOT SCRAPS プロフィール

プロットスクラップス:東京在住の3ピースロックバンド。さまざまなジャンルから吸収した感覚をロックに昇華させ、既存のフォーマットにとらわれない音楽性が特徴的。2018年6月に1stミニアルバム『Vital Signs』をリリースし、全国的な活動をスタート。21年3月~10月までにほぼ毎月配信シングルをリリースし、それを含む全18曲が収録された1stアルバム『My FRAGMENTS+』を22年3月に発表。同年11月にはミニアルバム『ABH』をリリースした。PLOT SCRAPS オフィシャルHP

「ALWAYS BE HERE」MV

「アンサー」MV

OKMusic編集部

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