L→R もぐ(Dr)、陶山良太(Vo&Gu)、亀山敦史(Ba)

L→R もぐ(Dr)、陶山良太(Vo&Gu)、亀山敦史(Ba)

【PLOT SCRAPS インタビュー】
自分がやるべきことが、
明確になっていく実感があった

あらゆるジャンルをポップに昇華させる多彩なソングライティングを、エキセントリックなアレンジのギターロックサウンドに落とし込むPLOT SCRAPS。最新ミニアルバム『ABH』について語る陶山良太(Vo&Gu)の言葉からは、バンドが今まさに著しい成長を遂げようとしていることがうかがえる。

価値観がアップデートしていって
些細なことも含め、毎日変化があった

4月30日に渋谷WWWで開催したフルアルバム『My FRAGMENTS+』(2022年3月発表)のリリースツアーのファイナル公演は、とても見応えがありました。ご自身でもかなり手応えがあったのではないでしょうか?

あの時にできることと、これまでやってきたことの集大成みたいな所はあったと思います。『My FRAGMENTS+』のリリースツアーはサポートのギターを入れて4人で回ってみたんですけど、ツアーが終わってからは改めて3ピースという形に向き合ったことも含め、ライヴのスタイルもあの時から結構変わっていて。外からどう見えるかは分からないですけど、良くなったと言って貰えることも増えて。そういう意味でも11月19日から始まる今作のツアーは、以前と比べものにならないくらい自信があるんですよ。

それは楽しみです。ツアーについては最後に聞かせていただきますが、ミニアルバム『ABH』に収録されている5曲は、渋谷WWW公演の時のMCで陶山さんが“爆弾を作るように作っている”とおっしゃっていた新曲から選んだものなのですか?

いえ、今回は珍しく制作期間にできた曲をパッケージングした作品になりました。これまでは頭の中にぼんやりと着地点を描いてから作っていたんですけど、今回は5曲全部でひとつの作品というよりは、個性的な一曲一曲が集合したみたいな感じになりましたね。

そういう作り方になったのは、何か理由やきっかけがあったのですか?

バンドが成長しているからこそだと思うんですけど、曲の本質や構造、アレンジを無視することができないようになってきていて、そこまで向き合った上で完成した5曲なんです。他にも用意していた曲はあったんですが、本質を掴むには時間が足りなくて。表面上完成されているようにアレンジするのはアッという間にできてしまうんですけど、それだとあまりいい結果は生まれないので、潔く諦めて正解だったと思います。

短い制作期間の中で本質を掴むことができたということは、おっしゃったように今作にはバンドの成長が如実に表れているということですね。

そうですね。今まで色々とトライ&エラーでやってきた中で、良いことも悪いこともあったりしながら、ライヴにおいても、曲作りにおいても、“自分達がやるべき事はこれなんだ”とどんどん掴めている感じなんです。

そんな『ABH』にはどんな手応えがありますか?

これまでで一番、完成後に繰り返し聴いている回数が多いんです。ある時期のPLOT SCRAPSのポートレイト的な、プレイリスト的な作品になっていると思うんですけど。楽曲に向き合うべき部分がかなり掴めて来ているからかなと思います。

一曲ずつ完成させていったのですか? それとも何曲か並行して作っていきました?

2021年9月に会場限定シングルとしてリリースした「Caramelic Love」と、渋谷WWWのワンマンの直後からライヴでやり始めた「グライダー」以外の3曲は、11月にミニアルバムを出すと決まった瞬間、すぐに原型を制作した感じですね。

“ABH”というタイトルは2曲目の「ALWAYS BE HERE」の頭文字ですよね。ということは、この曲が今回のミニアルバムの核になる曲だと?

最初はミニアルバムのタイトルも“ALWAYS BE HERE”にしようと考えていたんですけど、作っているうちに歌詞の主観の人物が抱く感情がパーソナルなものになっていったので、ミニアルバムのタイトルにしようと考えていた意味合いとちょっと違ってきちゃったんですよ。なので、曲は曲として向き合うべきだと考えて、ミニアルバムのタイトルは省略形にして、ロゴっぽいというか、標語的な感じにしたんです。だから、“ABH”と“ALWAYS BE HERE”は主張したい意味としては同じなんですけど、少しだけニュアンスが違うんです。

ミニアルバムのタイトルに考えていたということは、やはり「ALWAYS BE HERE」が今作を象徴する曲なのでは?

僕が書いている曲はだいたいそうなんですけど、根幹が同じものを違う表情や景色として見せているというか。そういう意味では今回の5曲も曲調は違うんですけど、不思議な統一感があって、PLOT SCRAPSの魅力のひとつかなと思っているんです。今回は特にですけど、5曲それぞれが作品を象徴しているという感じですね。

確かに「アンサー」と「ALWAYS BE HERE」は過去を踏まえた上での今というテーマが共通しているように思いますし、「バタフライ」と「グライダー」は“飛ぶ”というモチーフが共通しています。その中で、「Caramelic Love」は歌詞の内容が異色で、そこが5曲の中でアクセントになっていますね。

この曲だけラブソング的な内容ですからね(笑)。「バタフライ」と「グライダー」も「アンサー」「ALWAYS BE HERE」と根幹にあるものは同じなんですよ。「ALWAYS BE HERE」は切なさとか影も感じられると思いますが、飛ぶための曲というか。“生きてこうぜ”と“まぁ、生きてくか”みたいな、ニュアンスの違いはあるんですけど、僕の中ではどちらも同じだと思っていて。

PLOT SCRAPSの普遍のテーマだと思うのですが、今回の制作期間中に“生きてこうぜ”“生きてくか”と改めて思うような出来事があったのでしょうか?

みんなもそうなんじゃないかと思うんですが、激動の世の中ですし、価値観が毎日アップデートされていって、些細なことも含め毎日変化があるというか。いろいろなことが脳の中で勝手に醸造されていってる感じで、ある日、急に何かと何かがつながるような。それは生きていく上でのあれこれもそうなんですけど、アート的なことでも“分野は違うように見えても、これとこれは一緒だな”みたいなことが、頭の中で勝手に結ばれていく瞬間ってあるじゃないですか。そのお陰なのか“自分がやるべきこと”が頭の中でまとまっていく実感がありました。それは音楽的にも、生き方的にも全てですね。

なるほど。それが“生きてこうぜ”のような前向きな気持ちにつながったわけですね。ところで、「バタフライ」と「グライダー」はライヴでお客さんと一緒に盛り上がることを前提に作ったところもあるのでしょうか?

曲もライヴもですけど、バンドとして活動が肉体的になってきているんですよ。以前は自分の頭の中でめちゃくちゃ考えて、頭でっかちに活動していたんですが、今は”バンドが目の前にいる人に向けて演奏をする”という根本的なことに向き合っていて。なので、自然と作曲時にライヴを意識するようになりましたね。かと言って作品性も捨てられないので、バランスの取り方が分かる様になった感じです。

「バタフライ」はファンキーでダンサブルなポップロックという曲調が今回の5曲の中でアクセントになっていますね。

他の4曲がギターロックな要素が多かったので、ちょっと違う面を出した曲を作ろうと思って。頭のリフを思いついてから一日もかからずにできました。
L→R もぐ(Dr)、陶山良太(Vo&Gu)、亀山敦史(Ba)
ミニアルバム『ABH』

OKMusic編集部

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