近石 涼

近石 涼

【近石 涼 インタビュー】
この曲はきれいに歌ってしまったら
絶対に届かないと思った

2022年は初のワンマンライヴを皮切りに「自分なんて捨てられれば」「ラベンダー」と精力的に楽曲を発表。一作ごとに音楽性を広げてきた近石 涼が、新たなデジタルシングル「馬鹿な女」をリリースした。愛する女性のもとを去る男の想いを激情を込めて歌い上げる本作と、衝撃的映像になること必至のMV撮影の裏側を語ってもら

“お前は馬鹿な女”と言ってしまう
ところに情緒を感じる

最新作の「馬鹿な女」はすでに今年のライヴではお馴染みの楽曲だそうですね。

そうですね。初夏くらいからステージで歌い続けていて。今年の頭くらい、前作の「ラベンダー」(2022年6月発表の配信シングル)と同時期に楽曲はできていたんですけど、「馬鹿な女」はあまり明るい曲ではないので、春夏にリリースするのはちょっと違うと思って秋まで温めていました(苦笑)。ありがたいことに初めて生で僕の歌を聴いてくれた方も、この曲は一発で覚えてくれて。“泣ける”“いい曲だった”という感想をたくさんいただけています。

その感想には完全に同意です。近石さんの曲はどれもエモーショナルですが、この曲は特にサビ頭の《お前は馬鹿な女》というフレーズが魂を直撃する衝撃で。“胸に刺さる曲がまた生まれたな!”と思いました。

ありがとうございます。僕の頭にも今から1年くらい前かな? 最初に《お前は馬鹿な女 馬鹿な女》というフレーズが浮かんだので、徐々に肉づけをしていって完成しました。

一緒に暮らしていた女性に強い未練を残し、自分の不甲斐なさを後悔しながら去って行く男の歌…とても切ない感情が迫ってきますが、この曲を書こうと思ったきっかけは何でした?

まぁ…学生時代の実体験からですね。ただ、僕は同棲をしたことがないので(苦笑)、歌詞に書いたことが全て実体験ではないのですが、過去を思い返した時、大切な人を失った時に抱いた想いが《お前は馬鹿な女》のフレーズとメロディーになって、ふと湧いてきたんです。あれは確か大阪でライヴハウスへ歌いに歩いている途中でした。僕の場合は自分の歌を歌うことでしたが、実現したい夢があっても力不足で何もできない自分の情けなさ、不甲斐なさに打ちひしがれるタイミングって、誰しもあると思うんですね。そんな情けない男を好きになってくれたなんて、ほんまに馬鹿やなという。

愛情があふれすぎたがゆえの“馬鹿な女”という逆説的な意味での言葉ですね。

そうですね。この言葉だけを見ると“その言い方はないやろ!”となるでしょうけど(笑)。ストーリーに託すことで違う意味、違う力を持ってくれて。僕もそこからスラスラと歌詞を書くことができました。

ひとつ不思議に思ったんですけど、関西の人は“アホ”と言われても愛あるいじりと受け止めますが、“馬鹿”と言われるととても嫌な気持ちになると聞きます。神戸で暮らす近石さんが“馬鹿”という言葉を使ったことにちょっと驚きました。それも逆説的な表現としてなのかなと。

あぁ…そうですね。それで言うと僕は普段、女性のことを“お前”とも呼ばないんですけど、好きな人をあえて“お前”と呼び、あえて“お前は馬鹿な女”と言ってしまうところに、昭和の歌謡曲感というか…すごく情緒を感じるし、そういう昭和感のある楽曲にしたかったというのもありますね。

確かに、この哀しいストーリーは昭和歌謡を彷彿させる、懐かしい風情を感じます。20代の近石さんが懐かしの昭和歌謡に惹かれるというのも面白いですね。

ちょっとしたルーツになるのかもしれないですけど、僕は物心つく頃、母が70年代くらいの音楽をずっと聴いていたんです。ほとんどが名前を知らない方々の曲で、唯一覚えていたのは郷ひろみさんや大滝詠一さんくらいで。洋楽もスティービー・ワンダーしか分からなかったんですけど、そこでだと思うんです。僕が昭和っぽいメロディーや歌詞の世界観が好きになったのは。いつの間にか身に染みていたんだと思います。

「馬鹿な女」に限らずですが、近石さんの楽曲にいつも感じるノスタルジーはその影響だったんですね!

そうやと思います。いや、むしろめっちゃ影響を受けてますね(笑)。

OKMusic編集部

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