【The;Cutlery ライヴレポート】
『東京type』
2022年11月5日 at 大塚Hearts+
The;Cutlery、VELDE、いつかの空蝉の3バンドが2022年に発足したプロジェクト『響都』。同プロジェクトにより“まだ知らない音楽に出会える場所”をコンセプトとしたサーキットイベントが下北沢、渋谷、大塚の3エリアで開催された。
今回『響都』が企画したのは、いつかの空蝉主催『蝉祭 SEMI FESTIVAL 2022 東京編』(10月15日@下北沢5会場)、VELDE主催『DETERMINATION FEST.』(10月16日@渋谷3会場)、The;Cutlery主催『東京type』(11月5日@大塚4会場)の計3公演。いずれも文化庁が実施しているコロナ禍からの文化芸術活動の再興支援事業『ARTS for the future! 2』の補助金を使用し、実現したイベントだ。シリーズ最終公演である『東京type』は、出演者それぞれが自身の美学を混じりけなく提示する一日となった。
JR大塚駅を挟んで北口側にHearts+とHearts Next、南口側にDeepaとMEETSがある。南口と北口の間には階段や踏切、改札内の経由が必要ないため往来がしやすく、ファミリー向けに開けた北口エリア、個性豊かな個人店も軒を連ねる商店街が賑わいを見せる南口エリアとそれぞれ趣が異なるのも風情がある。街を含めてイベントを楽しむ観客もいれば、それぞれのエリアで根を張り1組でも多くのアクトを観ようとする観客の姿も見えた。移動の最中に路面電車の都電荒川線が目に入るなど、渋谷や下北沢といったサーキットイベントが盛んな他の街と異なる楽しみ方ができるのも特徴的だ。
出演者にはThe;Cutleryと親交がある、もしくは4人がリスペクトするバンドが集った。シナリオアートはカラフルなサウンドメイクと緻密なリズムで観客を魅了し、同イベントについて“コンセプトがしっかりしている”と感動を示す。メレンゲは感傷的なヴォーカルときめ細やかなプレイで楽曲の世界へと誘い、Hearts+のトリ前に登場したFor Tracy Hydeは12月にリリース予定のアルバムに収録される楽曲も多く披露。朗らかなMCを挟みながら、ポップなメロディーとエフェクティブな音像のコントラストで観客の感性を刺激した。
イベントのラストとなる午後9時前のHearts+に、オーガナイザーのThe;Cutleryが登場。幻想的な音色から1曲目「404 NOT FOUND」へとなだれ込み、緊迫感と熱量がほとばしる演奏で観客を引き込んでいく。その後もドラマチックに楽曲をつなぎ、地に足の着いたグルーブで楽曲に宿る感情や世界をダイナミックに描いていた。それが実現できるのも、このイベントを最上の状態で着地させるためにメンバー4人が心をひとつにしているからこそだろう。「melancholy room」は繊細な弦楽器隊のコーラス、さめざめと涙を流すような情感豊かなヴォーカル、リズム隊Pino(Dr)と中山真之介(Ba)が作り出すリズムセクションに息を飲んだ。
福島裕太(Gu)は“配信だと魅力が伝わらないようなダサいバンドは1組も呼んでないので、観たいバンドがタイムテーブルの関係で観られなかった人は、最高の配信映像チームが手がけた配信ライヴを観てほしいです”と呼び掛け、補助金でこのイベントが開催できたことに対して“みなさんの納めた税金をちょっと使わせていただきました”と感謝を告げる。The;Cutleryはコロナ禍に入ってから手探りながらもクリエイティブな初挑戦を多数行なってきた。それゆえバンド自身も一年前と比較すると明らかに洗練され、説得力が増している。生き方とそこで得た充実は、表現に直結することを改めて噛み締めた。
新曲「Rain flower pebble」で本編を締め括ると、アンコールで福島が“大人の手を借りず自分たち3組でここまでのことをやれたのがすごく誇らしい”と晴れやかに語り、一二三ふみを(Vo&Gu)も“夢を追いかけて何が悪い!と最近すごく思うんです。みなさんも夢を追いかけ続けてほしい”と熱い気持ちを吐露。ラストの「no regret」はさらなる野心を燃やすような堂々とした演奏だった。バンド史上最大となった同イベントを、自らの手で盛大に結実させたThe;Cutlery。このかけがえのない経験は、今後の4人の道筋を鮮やかに照らすだろう。
今回『響都』が企画したのは、いつかの空蝉主催『蝉祭 SEMI FESTIVAL 2022 東京編』(10月15日@下北沢5会場)、VELDE主催『DETERMINATION FEST.』(10月16日@渋谷3会場)、The;Cutlery主催『東京type』(11月5日@大塚4会場)の計3公演。いずれも文化庁が実施しているコロナ禍からの文化芸術活動の再興支援事業『ARTS for the future! 2』の補助金を使用し、実現したイベントだ。シリーズ最終公演である『東京type』は、出演者それぞれが自身の美学を混じりけなく提示する一日となった。
JR大塚駅を挟んで北口側にHearts+とHearts Next、南口側にDeepaとMEETSがある。南口と北口の間には階段や踏切、改札内の経由が必要ないため往来がしやすく、ファミリー向けに開けた北口エリア、個性豊かな個人店も軒を連ねる商店街が賑わいを見せる南口エリアとそれぞれ趣が異なるのも風情がある。街を含めてイベントを楽しむ観客もいれば、それぞれのエリアで根を張り1組でも多くのアクトを観ようとする観客の姿も見えた。移動の最中に路面電車の都電荒川線が目に入るなど、渋谷や下北沢といったサーキットイベントが盛んな他の街と異なる楽しみ方ができるのも特徴的だ。
出演者にはThe;Cutleryと親交がある、もしくは4人がリスペクトするバンドが集った。シナリオアートはカラフルなサウンドメイクと緻密なリズムで観客を魅了し、同イベントについて“コンセプトがしっかりしている”と感動を示す。メレンゲは感傷的なヴォーカルときめ細やかなプレイで楽曲の世界へと誘い、Hearts+のトリ前に登場したFor Tracy Hydeは12月にリリース予定のアルバムに収録される楽曲も多く披露。朗らかなMCを挟みながら、ポップなメロディーとエフェクティブな音像のコントラストで観客の感性を刺激した。
イベントのラストとなる午後9時前のHearts+に、オーガナイザーのThe;Cutleryが登場。幻想的な音色から1曲目「404 NOT FOUND」へとなだれ込み、緊迫感と熱量がほとばしる演奏で観客を引き込んでいく。その後もドラマチックに楽曲をつなぎ、地に足の着いたグルーブで楽曲に宿る感情や世界をダイナミックに描いていた。それが実現できるのも、このイベントを最上の状態で着地させるためにメンバー4人が心をひとつにしているからこそだろう。「melancholy room」は繊細な弦楽器隊のコーラス、さめざめと涙を流すような情感豊かなヴォーカル、リズム隊Pino(Dr)と中山真之介(Ba)が作り出すリズムセクションに息を飲んだ。
福島裕太(Gu)は“配信だと魅力が伝わらないようなダサいバンドは1組も呼んでないので、観たいバンドがタイムテーブルの関係で観られなかった人は、最高の配信映像チームが手がけた配信ライヴを観てほしいです”と呼び掛け、補助金でこのイベントが開催できたことに対して“みなさんの納めた税金をちょっと使わせていただきました”と感謝を告げる。The;Cutleryはコロナ禍に入ってから手探りながらもクリエイティブな初挑戦を多数行なってきた。それゆえバンド自身も一年前と比較すると明らかに洗練され、説得力が増している。生き方とそこで得た充実は、表現に直結することを改めて噛み締めた。
新曲「Rain flower pebble」で本編を締め括ると、アンコールで福島が“大人の手を借りず自分たち3組でここまでのことをやれたのがすごく誇らしい”と晴れやかに語り、一二三ふみを(Vo&Gu)も“夢を追いかけて何が悪い!と最近すごく思うんです。みなさんも夢を追いかけ続けてほしい”と熱い気持ちを吐露。ラストの「no regret」はさらなる野心を燃やすような堂々とした演奏だった。バンド史上最大となった同イベントを、自らの手で盛大に結実させたThe;Cutlery。このかけがえのない経験は、今後の4人の道筋を鮮やかに照らすだろう。
撮影:浅香郁絵/取材:沖さやこ
主催 : 有観客における映像配信ライブの質を向上させる会
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視聴チケット価格:¥2,000(税込)
購入期限:2022/11/19(土)19:00
視聴期限:2022/11/19(土)23:59
https://eplus.jp/sf/detail/3741930001-P0030001
視聴チケット価格:¥2,000(税込)
購入期限:2022/11/19(土)19:00
視聴期限:2022/11/19(土)23:59
https://eplus.jp/sf/detail/3741930001-P0030001
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