我儘ラキア×新しい学校のリーダーズ
、世界基準のアーティストが織りなす
空間の目撃者に

JMS&ASOBISYSTEM pre.『WITNESS』2022.10.26(wed) 東京キネマ倶楽部
俺たちはこの瞬間を待っていた!! と溢れる涙が止まらなかった、JMS&ASOBISYSTEM pre.『WITNESS』。我儘ラキア新しい学校のリーダーズの異種格闘技戦、しかも会場が東京キネマ倶楽部というだけで胸が高鳴るこの日。さらに気持ちを上げてくれたのが、“声出しOK”の告知。コロナ前のあの風景や熱気は戻ってくるのか? 半信半疑で会場に向かった僕だったが。開演時間となり、SEと盛大な手拍子、そして大きな歓声に迎えられて我儘ラキアが登場した瞬間、ワッと体温が上がって涙が溢れてきた。あ~、忘れかけてたこの感覚! そう、俺たちはこの瞬間を長く待ち望んでいたのだ。
我儘ラキア
「我儘ラキア、始めます」と告げた星熊南巫がフロアを眺めてニヤッと笑顔を見せると、「ちょっと懐かしい曲やります」と1曲目「My life is only once」でライブが始まる。ラウドなバンドサウンドをバックに海羽凜の歌い出しで、いつも以上にハイテンションなステージを見せる4人。曲中、「ついにみんなと一緒に歌える日が来ました! 今日はいっぱい声出して、一緒に歌って下さい。今日からもう一度、新しいライブのやり方を作りましょう!!」と呼びかける星熊に観客が大きな歓声と拳を上げて応えて、早くも強い一体感が生まれると、<RAKIA in the house>の掛け声と手拍子を会場中で合わせた「GIRLS」へ。MIRIがクールなラップを放ち、女の子の強さやカッコ良さを4人がダンスで表現すると、観客は気持ちのままに踊り歌い、歓声を上げる。さらに「reflection」へ続き、観客がジャンプを合わせ、ライブ序盤にして最高潮の盛り上がりを見せると、拍手と歓声が止まらない。大きな歓声を受けて、笑顔の止まない4人はフロアを眺め、「最高だな!」と嬉しそうに呟く。
星熊南巫
海羽凜
「(新しい学校のリーダーズは)“青春日本代表”と言ってますよね? だったらラキアは何の日本代表かすっごい考えて、自分らしくわがままでいく“我儘日本代表”で行こうと思うんですけど、今日もわがままお付き合いいただけますか!?」
MCでMIRIが自分たちの在り方を伝え、川﨑怜奈のリードで始まった「Leaving」で会場中が振り付けを合わせると、再びフロアが熱気立つ。対バンへの敬意の表れか、アゲ曲多めの容赦ないセトリに声出しアリのテンション感が加わり、尋常じゃない盛り上がりを見せた中盤戦。「ゼッタイカクメイ」で熱いコールが起きた時、僕の頭にラキアを初めて観た日の興奮がフラッシュバックした。振り返ってみると、僕が初めてラキアのワンマン観たのが2020年2月。その直後にはライブが自粛されたり、規制がかかってしまったので、僕が彼女らを観続けてた期間はずっとコロナ禍で、声出しアリのライブを観たのは2年8ヶ月ぶりだったことに気付く。しかし、その間も決して諦めることなく、新曲をリリースし続け、ライブスキルを磨き続けた我儘ラキア。グループとしての成長は常に見届けていたつもりだったが、声出しが解禁されて圧倒的なライブを目の当たりにした時、当時と比べ物にならないくらい成長していることに改めて気付かされた。
MIRI
川﨑怜奈
「みんなと歌える日が来て、思ってた以上に嬉しいです。私たちはいつも、お客さんと一緒にパフォーマンスを作って来ました。でも、ここ3年くらいは声も出せなくて色んな制限もあって、みんなは表現するのにすごく困ったと思う。その間、私たちは自分たちの力で完璧なステージが出来るように、たくさんのライブをやって、たくさん修行してきました。この日を迎えられることが出来て、こんな自分たちとみんながいたら、何も怖くないです。これからも一緒にライブ作っていきましょう!」
我儘ラキア
我儘ラキア
いまの真正直な気持ちを伝えた星熊は<強さも弱さも全て背負いながら 断ち切る くだらないストーリー>と想いをこめたアカペラで歌い、最新曲「GR4VITY G4ME」を披露。<君はもう気づいた さあ“示して”>と全身全霊で届けたこの曲に、観客が熱い拳を突き上げて怒号のような掛け声で応える。くだらないストーリーを断ち切って、ここから始まる新たな物語。始まりの合図を高らかに告げるラキアと熱狂する観客の美しすぎる光景に、再び涙が溢れる。ラストは苦しい時代も生き抜くテーマ曲になっていた「SURVIVE」で、観客と共に力強く声を上げてフィニッシュ。彼女らの成長と共に人間の声の力を改めて感じる、生命力に満ちたステージだった。
新しい学校のリーダーズ
後攻で登場したのは、新しい学校のリーダーズ。キラキラしたミラーボールの光と大歓声に迎えられ、メインステージの下手にあるサブステージから登場した4人。歌謡曲テイストが会場の雰囲気にピッタリな「オトナブルー」でライブが始まると、キュートでキレのある無感情ダンスにフロアから歓声が上がる。続く「CANDY」でディープな世界に誘い、会場をどっぷりと自身の色に染めた4人。「個性や自由ではみ出していく、それが新しい学校のリーダーズ!」とヒーローポーズを決めて挨拶すると、「本日はもう、声も体もぽかぽかに温まってると思うんですけども。ここから私たち、AG!とのライブが始まっていくので、みんなもっと熱くなっていきましょう」と煽ったSUZUKAが、禁断の恋を歌う「恋ゲバ」で怪しく艶っぽくはみ出した個性を放ち、観客を魅了する。
SUZUKA
MIZYU
寸劇で曲紹介するという斬新過ぎる演出から、ムード歌謡調の未練節「恋の遮断器」を披露すると、音に合わせたパントマイム風の振り付けも楽しい「Fantastico」、彼女らの名を世界に広めた「Pineapple Kryptonite Special Mix」と続く。痛快なビートでフロアを踊らせ、たくさんの魅せ場が仕込まれた不思議ダンスで魅了すると、観客から歓喜の声が上がる。2021年にはワールドデビューも果たし、海外も視野に入れたグローバルな活躍を見せる彼女ら。何が飛び出してくるか分からない意外性や、前知識ナシでも確実に楽しめるエンターテイメント性の高い演出やパフォーマンスは、まさに世界基準。楽しすぎる! 続く「透明ボーイ」ではちょっぴり切ない夕暮れの風景を表現したり、日本人ならではの情緒や青春感が入り混じっているのもすごく良いし、彼女らが“青春日本代表”として世界で活躍していることがすごく誇らしく感じる。
「我々は自称“青春日本代表”として、日本のカルチャー、そして私たちの魅力を世界に発信すべく、羽ばたいております」
KANON
RIN
MCでSUZUKAが自分たちの在り方を伝えると、「パサパサパサ!」と鳥が羽ばたくゼスチャーで合いの手を打つメンバー。「次の曲はみんなで踊りたい!」「押忍!」と、振り付けの練習から始まった「WOO! GO!」では会場中が掛け声と振りを合わせてクライマックスを生み、「今日という日を今までの何かから開放してあげて下さい!」と始まったラストは「迷えば尊し」。<迷えど進むこそが青春>と歌い、終わらない道の先に向かって進み続けることを宣言したこの曲。狂気的なシャウトやステージをぐるぐると前転して表現した、言葉にならない熱い思いこそが青春!
新しい学校のリーダーズ
新しい学校のリーダーズ
「下校!」とステージを降りた後も鳴り止まない拍手と「青春」コールに、再び登場したメンバー。アンコールはスタンドマイクを並べ、横並びで「ケセラセラ」を披露。4人のピュアでキュートなユニゾンが温かい雰囲気を生む中、「ハバ、グッドナイトやで!」と告げてライブをフィニッシュ。最後にライブを優しく見守ってくれた我儘ラキアのファンへの感謝を告げると、「我儘ラキアパイセンに愛を注いでると思うけど、その熱い青春という気持ちを忘れず、みんなで頑張って生きていこうぜ」と告げ、「開放、大事だぜ。だから、私たちとライブでぶつけ合って行こうぜ!」とメッセージを届けたSUZUKA。思いのままに歌って踊って叫んで、心を開放出来るライブという場の大事さや重要さ。ジャンルは異なれど、自分を思い切り開放して、圧倒的な熱を放つ両組やお客さんの姿を見て、「ライブ最高、開放最高!」と改めて思えた、素晴らしい対バンだった。

取材・文=フジジュン 撮影=小杉歩
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新しい学校のリーダーズ / 我儘ラキア

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