新作オリジナルミュージカル誕生の瞬
間を見逃すな! 熱気溢れるミュージ
カル『東京ラブストーリー』稽古場潜
入レポート

新作オリジナルミュージカル『東京ラブストーリー』が、2022年11月27日(日)に池袋・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)にて開幕する。
原作は“恋愛の神様”と称される柴門ふみによる漫画「東京ラブストーリー」(1988年)。1991年にドラマ化されるやいなや、日本中で社会現象を巻き起こした名作だ。柴門作品の舞台化・ミュージカル化は今回が初となる。
世界初演の本作に挑むのは、豊田めぐみ(演出)、ジェイソン・ハウランド(音楽)、そして【空キャスト】の柿澤勇人・笹本玲奈・廣瀬友祐・夢咲ねね、【海キャスト】の濱田龍臣・唯月ふうか・増子敦貴(GENIC)・熊谷彩春らをはじめとする個性豊かな役者陣だ。
初日まで1ヶ月を切った11月4日(金)に稽古場のぞき見&トークイベントが開催され、その模様はYouTubeで生配信された。本記事では現地からのレポートを写真と共にお届けする。
稽古場には、赤と青の格子状の枠が施してある透明のパネルが複数セッティングされていた。空キャストと海キャストに加え、綺咲愛里、高島礼子、さらにアンサンブルキャストも勢揃いしている。配信が始まるまでスタッフは忙しなく動き、思い思いにウォーミングアップするキャストの姿も見られた。特にトップバッターでソロ歌唱を控える空キャストの柿澤が、稽古場内をひとりで歩き回りながら発声・ストレッチに取り組む姿が印象的だった。

(左から)増子敦貴(GENIC)、熊谷彩春
配信時間が近付き、スタッフから「2分で配信開始になりまーす!」という声がかかると「イエーイ! 頑張ります!」とキャストたちから頼もしい声が上がる。本イベントで司会を務める海キャストの増子と熊谷は、やや緊張した面持ちで上手のカメラ前にスタンバイ。そんな二人に袖からエールを贈るキャストたちの姿もまた微笑ましい。
いよいよ配信スタート。この日は初披露曲も含めて1幕から全7曲が披露された。まずは冒頭から続けて3曲、空キャストの柿澤、笹本、廣瀬、夢咲、さらに綺咲、アンサンブルキャストによるパフォーマンスだ。物語の始まりとなる「♪恋人たちの伝説〜出逢い」では、アンサンブルキャスト男女2名によるしなやかで感情表現豊かなダンスシーンが披露された。愛し合う恋人たちの姿をアクロバティックなダンスで表現している。
二人のキャストの間から永尾完治役の柿澤が姿を見せると、甘く切ない歌声で「♪願いの星」を歌唱。このあとの物語を予感させるようなロマンティックなバラードだ。
柿澤勇人
柿澤が歌い終えるやいなや、上下にセットされていたパネルが動き出し、「♪この街で生きる」のシーンへと展開。大勢の人々が行き交い、都会で新たな生活を始めようと活き活きと歌い上げる。
夢咲ねね
廣瀬友祐
続いては海キャストの濱田、唯月、そして高島、アンサンブルキャストによる「♪この角を曲がれば」。永尾完治(濱田)と赤名リカ(唯月)は東京のタオルメーカーの同僚。二人が上司の和賀部長(高島)から新規プロジェクトを任命される場面から始まる。
(左から)高島礼子、濱田龍臣、唯月ふうか
東京支社に転勤になったばかりの完治の不安気な様子を見たリカは、リサーチと称して半ば無理やり公園へ連れ出す。濱田は戸惑いながらもリカに惹かれる完治の心の揺れを表現。一方の唯月は天真爛漫な笑顔で完治の手を取り力強くリード。完治とリカの関係性が垣間見え、舞台上を目一杯使ったダンスシーンも見どころの心躍るナンバーだ。
(左から)濱田龍臣、唯月ふうか
濱田龍臣
(左から)唯月ふうか、濱田龍臣
「♪56人の女たち」は、空キャストの廣瀬が中心となるコミカルなシーン。完治(柿澤)が「一体何人と付き合ってきたんだよ」と同級生の三上健一(廣瀬)に問うところから始まる。妖艶なダンスを繰り広げる女性アンサンブルキャスト陣と戯れながら自信満々に歌い上げる廣瀬は、稀代のプレイボーイ三上健一を見事に体現していた。
(中央)廣瀬友祐、(右)柿澤勇人
(左から)綺咲愛里、廣瀬友祐
その後は空キャストの柿澤と笹本による「♪これが恋なのか」。冒頭でセリフを間違えた柿澤が即座に「ちょっともう1回いいですか」と弁明して笹本が爆笑する場面も。生配信ならではのご愛嬌だ。仕切り直して二人のやり取りが始まり、リカが完治に後ろから抱きつくと、少々照れくさそうに反応する完治。恋する気持ちに戸惑いながらも歓びに満ち溢れる彼の胸の内が歌に乗った、非常に甘酸っぱいナンバーだ。
(左から)笹本玲奈、柿澤勇人
(左から)笹本玲奈、柿澤勇人
最後に披露されたのは、1幕ラストのナンバー「♪24時間の愛」。完治が初恋の人であるさとみへの想いをまだ捨てきれずにいることを薄々感じるリカ。そんな矢先、リカは完治の誕生日に完治とさとみが抱き合う場面を目撃してしまう。リカを演じる笹本は、たとえそれでも完治を愛しているという熱い想いを熱唱。普段完治に見せるリカとは違う顔で、胸が締め付けられるような彼女の本心が漏れる切ないナンバーとなっていた。
(左から)夢咲ねね、柿澤勇人、笹本玲奈

笹本玲奈
シーン披露のあとはトークセクションへと移り、司会は完治とリカの同僚の野村を演じる俵和也へとバトンタッチされた。
(左から)綺咲、熊谷、増子、唯月、濱田、柿澤、笹本、廣瀬、夢咲、高島

トークセクションに登壇したのは空キャストと海キャスト一同、そして空海共通キャストの綺咲、高島の総勢10名。事前に募集された質問から、それぞれひとりずつに質疑応答が行われた。
まずは空キャストへの質問。『デスノート THE MUSICAL』など漫画原作からのオリジナルミュージカルに携わった経験を持つ柿澤は、オリジナルミュージカルの創作の魅力を問われると「毎日トライアンドエラーを繰り返しながら、作ったものを壊しての繰り返しなので非常にしんどい作業なわけです」と回答。続けて「このカンパニーのメンバーは『東京ラブストーリー』のオリジナルキャストなので、胸を張って誇りを持って『この作品を作ったんだ』と思って終われるように頑張ろうと思います」と意気込みを見せた。
(左から)濱田、柿澤、笹本
自身が演じる赤名リカの魅力を問われた笹本は「リカの魅力は……なんだろうね?」と相手役の柿澤に逆質問。柿澤は「なんで僕に聞くの(笑)」と困惑しつつも「動物的でもあり本能的」と答えた。それを受けて笹本は「本能で生きている女性で、駆け引きも上手じゃなくて、ダイレクトに気持ちを伝えるところが素敵なところ」と分析。「もはや自分なのかリカなのかわからない」という程、演じていて自然体でいれる役なのだという。
笹本さんからまさかの逆質問を受ける柿澤さん
近年まれに見るモテ男の三上を演じる廣瀬は、三上を演じる上で大事にしていることは? という質問に「……調子に乗る」と一言。この日に披露された「♪56人の女たち」ではできるだけ調子に乗って自信を持ってやろうとしている一方、誰しもが抱える寂しさのような感情を「三上らしく滲ませられたら」と自分なりの役作りを語った。
完治と三上の同級生のさとみを演じる夢咲は「夢咲さん本人だったら完治と三上どちらを選ぶ?」という究極の選択を迫られ、「言っていいですか? 私は三上くんだけは絶対に嫌です」と断言。これには三上を演じる廣瀬は「どっちかだけ言えばいいのに、なんで余計傷つくような言い方を……」と打ちひしがれていた。
続いては海キャストへの質問へ。歌うことと芝居することの違いについての質問に、完治役の濱田は「歌の部分を自分が今までやってきたお芝居の方へいかに引っ張ってこれるか」だと述べ、歌と芝居の垣根をなくせるように日々試行錯誤している様子。開幕までに体を慣らしていきたいと意気込んだ。
リカ役の唯月へは、完成された作品とオリジナル作品における役作りの違いはあるかという難しい質問が。唯月は、完成された作品では先輩が作り上げた感情や動きがあるため「自分が思い浮かばなかったものを発見できるから、それもミックスした上で役について考えることができるのが素敵なところ」、オリジナル作品では「オリジナルキャストとして自信を持って自分らしい役を作り上げられるところ」にそれぞれ魅力を感じるという。
(左から)増子、唯月、濱田
三上役の増子は、稽古場で印象的だったこととして「(稽古場が)でかいです」と率直に回答。大きいからこそプレッシャーを感じ、いつも緊張してしまうのだという。カンパニー内でも増子の天然ぶりが伝わりつつあるようで、その場もとても微笑ましい空気が流れていた。
(左から)熊谷、増子、唯月
増子さんの天然発言に思わず笑みが溢れるキャスト陣
さとみ役の熊谷は「リカが太陽だったらさとみは月のような存在」とし、対照的な役ではある一方で芯の強さが共通するポイントだと語る。リカ役の唯月とお互いの稽古を見て話し合い、演出の豊田も含めて協力しながら取り組んでいるという稽古場エピソードを明かした。
続いては空と海両チームと芝居をする綺咲と高島への質問。長崎尚子役の綺咲は、空と海それぞれのチームの魅力について「両方違って素敵で、みなさまにはぜひ両方観ていただきたい!」と熱く語る。さらに「稽古場のキャスト席で4人がキュッと集まって話している様子がすごく好き」と笑顔を見せた。
今回が初ミュージカル出演となる高島は「1回作り上げてそれを崩して、というのが本当に毎日。結構対応できるタイプなのですが、夜家で練習をして次の日稽古場に来ると、訂正の紙が毎日あるんです」と苦笑。それをこなして歌って踊って芝居をするキャスト陣の姿を、まるで部下のように見ている日々だと言う。また、ドラマ「東京ラブストーリー」をタイムリーに観ていた高島は、当時はリカ派だったが今はさとみ派に変わり、でも実際の自分は尚子であるとし、タイプの違う3人の女性キャラクターの魅力を熱弁した。
(左から)柿澤、笹本、廣瀬、夢咲、高島
イベントの最後は、キャストを代表して柿澤からのコメントで締め括られた。
「世界初のミュージカルとして、我々オリジナルキャストは胸を張ってこの作品を絶対に成功させなくてはいけないですし、終わったあとにみんなが笑顔になるように、そしてみなさんのことも笑顔できるような作品にしたいと思います。応援よろしくお願いします。ありがとうございました!」
本公演は、2022年11月27日(日)に池袋・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)にて初日を迎える。
11/10(木)・15(火)・26(土)には3回に渡って特別番組「ミュージカル東京ラブストーリーを観るべき10の理由」がフジテレビにて放送決定。さらに1991年に放送されたドラマ版のプロデューサーでフジテレビ常務の大多亮✕柿澤✕笹本の対談動画が11/4(金)18:00〜ホリプロのYouTubeチャンネルにて公開されることが発表されている。
日本発、世界初演のオリジナルミュージカル誕生の瞬間を楽しみに待とう。
取材・文・写真=松村蘭(らんねえ)

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