『ソードアート・オンライン -DIVE
TO STAGE-』~松原凛(キリト(CV:松
岡禎丞)役)&佃井皆美(アスナ(C
V:戸松遥)役)にきく、アニメCV×テ
クノロジー×生身のアクションで立体
化するSAOの世界

2022年11月8日(火)より東京国際フォーラム ホールCで『ソードアート・オンライン -DIVE TO STAGE』が上演される。
大人気小説『ソードアート・オンライン』のアニメ放映開始から10周年のアニバーサリーイヤーを記念したライブ・エンターテインメントショーで、シリーズの原点となるアインクラッド編が描かれる。キャラクターのセリフはTVアニメのボイスはそのままに、新規ボイスも録りおろしたステージ特別仕様。そこにテクノロジー✕圧巻のアクションやパフォーマンスが融合された、エンターテインメント・ステージが幕を開ける。
今回、キリト役(CV:松岡禎丞)の松原凛、アスナ(CV:戸松遥)役の佃井皆美に、公演にかける意気込みを聞くことが出来た。
──この話を頂いた時のお気持ちや、意気込みをお願いいたします。
松原:『ソードアート・オンライン』は僕が高校生の時にも、すごくはやっていたんです。僕もアニメを見ていました。今回、声は松岡禎丞さん(アニメのキリトのCV)なので、ひとりで演じているというよりはW主演みたいに感じています。最初は、あんな格好いい役を、主人公という立場や責任を、自分に背負えるのかな?と不安だったんですけど、稽古に入ってみんなの支えもあって、いまは松岡さんのセリフと自分のパフォーマンスでキリトをつくっていくことがとても楽しいです。
佃井:私は総合演出の児玉明子さんからお声かけいただきました。もともとタイトルは知っていたものの、アニメは見たことがなかったのですが、「新しいエンターテイメントをやりたい。声優さんの声をそのまま使って、新しいことをやってみたい」という児玉さんの思いを伺って、素直に演じてみたい!と思いました。そのあと実際に作品に触れて、作品自体がとても面白かったんですね。なので、どんな舞台になるのかな?と楽しみになりました。いろんなジャンルの方が集まったカンパニーで、自分がやってきたアクションや身体を使った表現を使うことが出来るなんて、今までやってきてよかったなという気持ちです。
──『ライブエンターテインメントショー』と銘打たれていますが、一体どんな雰囲気ですか?
松原:声優さんの演じるセリフに合わせて生身の俳優が演技をすることで稽古場にアニメの世界が立体的に現れてきてる感じがします。剣戟アクションの見どころもたくさんあるし、アニメの楽曲にあわせたステージングやダンスもはなやかでライブエンターテインメントショーという言葉どおりの世界になってると思います。
佃井:映像もふんだんに使うのですが、今回G-Rocketsさんというアクロバットやエアリアルのプロの方々も参加されます。バトルなどの派手なアクションシーンだけではなく、大切なシーンでもエアリアルが使われています。
松原:そうなんです、(G-Rocketsは)キャラクターだけではなくて、世界観も表現する場面があるんですね。声優さんの声と、僕たち生身の俳優たち、そして、映像……そういうものが重なり合って、ひとつのステージになっています。
──今回、声を演じるキャストが別にいて、それに合わせて身体で演じる。感覚的に想像しにくいのですが、実際に演じてみて、いかがですか?
松原:いつもは自分の呼吸で演じられるんですが、それが今回は決まっている。とても難しいんですが、アニメのセリフのリズムを自分のものにすることで実際に芝居をするうえではよりアクションの深みや、身体的な表現に集中できると感じています。
佃井:私も実際に自分自身でアスナの声を出して演じるとしたら、違うものになると思うんです。ただ、今回は声のトーンやタイミングは決まっているので、体の中で演じている間に、その感情や、心の中で動いているものを、「アスナ」の声に連動させることが必要になる。そこがむずかしいなと感じています。やっぱり、実際の人間のお芝居よりも、アニメはパンッと感情の揺れ動きが早いんですね。体の中の感情と、アスナの『声』を連動させるということに、何重にも課題を感じていますが、やりがいを感じています!
──役と自分の共通点、また自分にはないな! と思う点はありますか?
松原:共通点……(天を仰いで)共通点……キリト格好いいからなぁ……、佃井さんはどうですか?
佃井:ちょっとずれちゃうかもしれないんですけど、私は「役は自分の人生の可能性だ」って言葉を信じているんです。アスナを演じることで、「自分にもこういう部分あったんだ!」って思うことがありました。私、自分には母性なんてないって思ってたんです(笑)。でも、ユイちゃんと過ごすシーンを演じるときに、「守りたい」「かわいい」って思う感情がわいてきたんですね。正直驚きました。
松原:確かに、稽古でユイとアスナのシーンを見ていると、「母だ!」って感じるんですよ! アニメでもアスナの「ママだよ~」って姿を見ていたけど、佃井さんが実際に(そのシーンを)演じているのを見ると、「こんな感じで親子みたいになるんだ!」って、リアルに体感することがありました。
自分のことだと……うーん、難しいんですけど、キリトを見ていて、こういう風になりたいな~って感じることはあります。いろんな人をキリトが助けていく姿を見て、自分もそういう人間になりたいなぁって思いました。
──お互いの印象いかがですか?
松原:佃井さんは事務所の元先輩なんですが、お会いすることもお仕事も初めてでした。アスナが佃井さんに決まったって聞いて「めっちゃ動ける人やん!!」って最初に思いました。僕自身、男女での相方がいる作品ははじめてで、うまくやれるかなぁ、怒られたりしないかなぁ、ってちょっと緊張していました(笑)。でも、めちゃくちゃいい人で、のびのび稽古させてもらっています!
佃井:活躍している後輩との共演なので、純粋にうれしかったです。同じところで育っているということもあって、会う前から勝手に信頼しちゃってました(笑)。はじめから安心感はあったんですけれど……知っていくにつれて、面白いところもいっぱいあって(笑)、尊敬できることもいっぱいあるんです。彼が座組全体を引っ張ってくれていると感じています。
松原:いやいや、支えてもらっています……!
──松原さんから佃井さんへ、アスナのポールペンをプレゼントしたと拝見しました。
松原:(笑)。そうなんです、もともと僕、演じたキャラを好きになってグッズを集めちゃうんです、愛着がわいちゃって……(笑)。稽古場ってすごくボールペン使うので、キリトのボールペン買おう!ってアニメイトに寄ったことがあって。キリトのグッズを見ていたら、キリトのボールペンの横にアスナのボールペンもあったんです。その日がちょうど、キリトとアスナの結婚記念日だったんですよね。だから、「喜んでもらえるかな……?」と、アスナのペンも買いました。
佃井:すごく嬉しかったです! (キリトとアスナの)結婚記念日の日だったっていうのも、ちょっと感激しました。
──ビジュアル撮影やトレーラー撮影で、実際の衣装を身に着けた時、どうでしたか?
松原:どんな舞台でもですが、衣装を着ると「キャラクターになれた!」っていう気がするんです。もちろん稽古でも役は演じているんですけれど、メーターがあるとしたら、衣装分が加点されるというのかな(笑)。100%そのキャラになった気がして、テンションが上がります。稽古でも着てやりたいくらいです(笑)。
佃井:髪型の違いもありますし(※アスナはロングヘア)、当然かもしれないですけど、雰囲気が全然違うんですね。ただ、アスナのウィックもつけて衣装を着て、剣もふったら見栄えがすごくよくて! ああ、このイメージでお芝居しよう、って感じました。凛くんの言う通り、気持ちが稽古のときとは全然違ったんです。私自身が、強くなったように感じました。
──楽しみにしているみなさんへ、メッセージをお願いします。
松原:アニメ10周年という記念の年でもありますし、『ソードアート・オンライン』のサービスが開始されたのが「2022年11月6日」っていう設定なんですね。舞台もその時期に演じることが出来るのが、すごくエモいなって感じるし、見に来てくださるファンの方に喜んでいただける作品をお届けできるようカンパニーのみんなで頑張ってます!劇場で一緒にフルダイブしましょう!
佃井:たくさんの人に愛されている、アニメも小説もすごく、素敵な作品です。『ソードアート・オンライン -DIVE TO STAGE-』として、舞台でしかできないものがあると思っています。それは、生身で人が演じることで見えるものがあるのではないかな、演劇の奇跡を信じています。全力で、作品を盛り上げていきたいと感じています。ぜひ、みなさん見に来てください!
取材・文=森きいこ 撮影=中田智章

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

新着