早見あかり、浦井健治らが富山の豊か
な自然と初々しい恋の美しさを伝える
 『「真白の恋」〜世界で最も美しい
湾〜朗読劇』が開幕

富山県射水市(新湊)の港町を舞台に、軽度の知的障がいがある主人公・真白の初恋を描いた映画『真白の恋』。さまざまな問題を抱えながらも前向きに歩む人々の姿と共に、富山の魅力も伝える感動作だ。本映画をもとした舞台、『「真白の恋」〜世界で最も美しい湾〜朗読劇』が2022年11月3日(木・祝)より、竹芝ニューピアホールにて行われる。
朗読劇の脚本を務めるのは映画において原作・脚本を担当した北川亜矢子。演出は土田英生。主人公・真白を演じるのは初の朗読劇となる早見あかり。初恋の相手、油井景一は浦井健治と廣瀬智紀によるダブルキャスト。さらに愛加あゆ、西村まさ彦という豪華キャストが揃った。
【あらすじ】
渋谷真白は、生まれてからこれまで、家族とともに富山・氷見で暮らしている。見た目からは分からないが、真白にはごく軽度の知的障害がある。日常生活に支障はなく、現在は父の営む自転車店の店番をしたり、飼い犬の世話をしたり、元気に暮らしている。
ある日、兄の結婚式で神社を訪れた真白は東京からやってきたフリーのカメラマン、油井景一に出会う。真白の、初めての恋。応援する人、心配する家族。その中で真白は何を感じ、どう成長していくのか……。海が美しく自然豊かな富山・氷見に暮らす、ひとつの家族の、「優しさ」と「葛藤」を描く。

開幕に先駆け、キャスト陣からコメントが届いた。
キャストコメント
■早見あかり
つい先日稽古が始まり、もう本番です。朗読劇特有の流れの速さに少しドキドキしています。今回わたしが演じる真白は、名前の通りとっても真っ白な女の子です。彼女が油井と出会い、今までの自分の常識を飛び越え、成長する様、そして氷見の良さをきちんと皆さまに伝えられたらと思います。劇場でお待ちしています。
■浦井健治
今回の戯曲から、とても心地よく、穏やかで、自然の豊かさや包み込まれるようなぬくもりと、真っ白に澄んだ空気を吸い込むときに似た感覚を覚えました。この物語は、感動、などと簡単に言ってしまうのも違うような気がします。真白の周りにいる人たちの葛藤や苦悩、やるせなさや、人間とは、価値観とは、守るとは、と、様々な視点から考えさせられる作品だと感じます。先入観、固定観念、自己防衛、他社の排除、共存、愛。大切にする、とは何か、を、劇場空間で考える時間を、共有しながら過ごせたら嬉しいです!
■廣瀬智紀
とても純粋で、それが故にほろ苦く、胸がキュッとなることもありますが、登場人物の心がちゃんと見えて、色んな愛の形がある、あたたかなお話です。人を想うということを改めて考えさせてくれる作品になっています。また、富山の自然や土地の素敵な描写もあり実在する場所がたくさんで出て来ますので、より作品を身近に感じていただけたらなと思います。観に来てくださる皆様の心にちゃんと残る作品をお届けしたいです。
■愛加あゆ
『真白の恋』いよいよ開幕します! 富山で生まれ育った私が、富山を舞台にした作品に関わることが出来、とても嬉しいです。また、この作品のテーマはとても繊細です。映画から朗読劇へ。舞台ならではの味わいを感じて頂きたいと共に、真白や真白をとりまく人たちの思い、そして温かい何かが、皆様の心の中に残りますように……。素晴らしいキャストの皆様と心を込めてつとめます。是非、劇場まで観にいらしてください。お待ちしております。
■西村まさ彦
朗読劇『真白の恋』の原作は富山県のクリエイターさん達が富山で作った映画です。ただし今回は朗読劇なので原作映画のように富山の景色はなく言葉のみでお届けします。地域性は薄れますが、かえって東京のお客さまにも物語がフラットに届くのでは、とも。きっと今後は、東京都のみならず日本全国で上質なコンテンツが作られ、各地で楽しまれるのではないでしょうか。素敵な変化だと思います。そういう未来に向けて氷見市が踏み出した一歩に参加するつもりで努めさせていただきます。

続いて、ゲネプロの様子をお届けしよう。

早見は軽度の知的障がいを持つ真白を、口調はぶっきらぼうだが素直で可愛らしく、少女のような雰囲気の女性としてイキイキと演じる。無愛想にも見える態度の中に彼女の心の動きがきちんと感じられ、素直に応援したくなる存在だ。写真を通して真白の世界が広がっていく様子、油井の言葉が真白の心を揺さぶる様子が、早見のちょっとした表情・声音の変化から伝わってくる。
ゲネプロでは、真白と出会うフリーのカメラマン・油井を浦井が演じた。富山の風景、油井が感じた風の匂いや温度などが浦井の柔らかい声で紡がれ、想像が膨らんでいく。作中で様々な地名が登場し、いずれも鮮やかに描かれているため、実際に訪れてみたいという気持ちになった。

誰より近くで真白の変化を見守る愛犬・タモや、真白を応援する従姉妹・雪菜とのやりとりも心地良い。西村はユーモアを交えて真白の様子を語るタモと、真白を心配する厳格な父親の二役を魅力的に演じて存在感を放っている。愛加は面倒見が良く頼れる姉のような雪菜を溌剌と表現。恋を応援してくれる彼女とのやりとりは微笑ましくあたたかい。
舞台美術も照明も最低限だが、キャスト陣の声でぐっと物語に引き込んでくれるこの作品。真白と油井の交流に和み、真白を取り巻く人々の姿や言葉から様々なことを考え、富山の美しい自然に心を馳せることができる、豊かな朗読劇だと感じた。
本作は11月3日(木・祝)より竹芝ニューピアホールにて開幕。東京公演は当日券の販売も決定している。また、11月26日(土)には物語の舞台となった富山県氷見市でも上演が行われる。
取材・文・撮影=吉田沙奈

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着