10月2日@恵比寿LIQUIDROOM

10月2日@恵比寿LIQUIDROOM

PENICILLIN、
千聖(Gu)のバースデーライブの
レポートが到着

ロックバンドの花形ポジションは、今や“ギターソロ不要論”がシーンに蔓延るようになったこの状況においても、やはりどうしたってギタリストだと信じて疑いたくない。もちろん、フロントマンとなるヴォーカリストの存在感は重要であるし、ベーシストの粋なプレイや、ドラマーの頼もしい支えがあってこそ成り立つのがロックバンドだとは思うものの、とにかくギターヒーローのいないロックバンドは気の抜けたビールのようで個人的にはどうもいただけないのだ。そして、カッコ良いギターヒーローがいてこそロックバンドとはキレとコクを醸し出すことが出来る、というひとつの観点からいけば。まさに、PENICILLINにおいては千聖がその任をこの30年にわたって見事に果たし続けて来てくれていると言えよう。

「こんばんは、PENICILLINです。今回は昨日と今日にわたり、千聖くんのバースデーライヴとして毎年恒例の[ROCK×ROCK]をやっているわけですが、千聖くんは今年で33回目くらいの18歳になるそうです(笑)。そして、今年はちょうどPENICILLINが30周年の節目でもありますからね。先月やったO-JIROくんの誕生日ライヴ[とのさまGIG]に引き続いて、またここでも「The Time Machine」という企画で過去に行ったツアーのセットリストを今にリバイバルしていこうと思います」(HAKUEI)

ということで、このたび10月1日と2日に恵比寿LIQUIDROOMにて開催された千聖の誕生日ライヴは、今春から始まったライヴシリーズ「The Time Machine」と連動するかたちをとり、第1夜には2007年にアルバム『BLUE HEAVEN』をリリースした際のツアー内容を今に再現していく[PENICILLIN 30th anniversary ROCK×ROCK2022 「The Time Machine ~Return of BLUE HEAVEN'S DOOR~」]、そして第2夜は
1997年にアルバム『Limelight』を発表した際のツアーで演奏していたセトリをベースとした[PENICILLIN 30th anniversary ROCK×ROCK2022 「The Time Machine~Return of mouth to mouth~」]として展開していくことになったのだった。

ちなみに、10月2日の公演においてオープニングを飾ったのはアルバム『Limelight』でも冒頭に位置していた、イントロ部分で千聖の弾くエモいギターフレーズがいきなり聴き手の心を鷲掴みにしてくるバラード「太陽の国」。かと思うと、次いでの「Quarter Doll」では千聖がオモチャの電子銃をピックアップに接近させるトリッキーかつ遊び心にあふれたレイガン奏法でオーディエンスの耳と眼を惹きつけることに。なお、ここでの大胆なプレイスタイルは名だたるアーティストたちとのコラボを果たしているばかりか、映画『トップガン』のサントラで「Top Gun Anthem」を弾いたことでも知られる御大スティーヴ・スティーヴンスに対するオマージュを込めたものであったと思われ、つくづく千聖は永遠のロックキッズにしてギターキッズであるのだな、ということが今さらながらにその様子からうかがえた次第である。
10月2日@恵比寿LIQUIDROOM

10月2日@恵比寿LIQUIDROOM

10月2日@恵比寿LIQUIDROOM

10月2日@恵比寿LIQUIDROOM

また、ロックと言えば毎回PENICILLINはライヴでの出で立ちという面でも常に刺激的でなヴィジュアルを披露してくれており、今回の場合まず初日は全員がそれぞれにロンドンパンクスを彷彿とさせる赤ギンガムチェックを取り入れたスタイリングで登場。さらに、この2日目については個々がヒョウ柄などのアニマル系な衣装を着こなすというコンセプトとなっていたそうで、主役たる千聖に関してはそこに両日ともO-JIROが自作したという愛情あふれるバースデープレゼントのスタッズ付チョーカをあわせていて、とにかく細部に至るまでロックなコーディネートが光っていたのもひとつの特徴だった気がする。ロックスターたるもの音でオーディエンスを魅了して欲しいのは大前提だとしても、たとえアラフィフになろうと派手でかぶいた姿を見せ続けていて欲しい、というファンの貪欲な願望をもPENICILLINは決して裏切ることがないバンドなのだ。

そのうえ、この第2夜については本編後半での「BLUE MOON」以降アンコールでの「Limelight」や、配信が終了してからのWアンコールとして演奏された「Imitation Queen」に至るまで、1990年代後半から2000年代初頭にかけて音源化された懐かしい楽曲たちがあれもこれもと提示されることになり、この夜のライヴを体験した人々はそれこそタイムマシンに乗せられたかのごとく、彼らの放つ音の数々によってある種の貴重な時間旅行を体験したことになるのではないだろうか。

なお、アンコールの合間には彼のトレードマーク=Vギターのデコレーションが施されたバースデーケーキを前に、少しばかり何時もよりハシャぎながら嬉しそうな表情をみせたり、楽しそうにメンバーと記念撮影をしていた千聖だが、いざ曲が再び始まればおなじみのKING-Vシェイプギターや、エクスプローラータイプのEXPLOSIONを自在に操り、華麗なプレイで貫録あるギターヒーローぶりを我々に堪能させてくれた彼は、今年の[ROCK×ROCK]でも圧倒的主人公としてステージ上に君臨し、30周年を迎えてなお健在なPENICILLINのロックバンド魂を牽引してくれていたのではないかと思う。
10月2日@恵比寿LIQUIDROOM

10月2日@恵比寿LIQUIDROOM

来たる11月2日には実に8年ぶりとなるフルアルバム『パライゾ』がリリースとなるうえ、11月23日からはコロナ禍発生以降としては初であり3年ぶりとなる全国ツアー[PENICILLIN 30th anniversary WINTER TOUR]が【HAKUEI BIRTHDAY LIVE】の意味も持つ12月16日のSpotify O-EAST公演まで続いていくことも決定している中、今回の2デイズライヴを通じ“カッコ良いロックバンドには間違いなくイカしたギターヒーローがいる”ということを、今一度ここで証明してくれた千聖とPENICILLIN。年内一杯続いていく彼らの記念すべき30周年が、いよいよのクライマックスを迎えていくのはきっとこれたからだ。

Photo by 折田琢矢
Text by 杉江由紀
【セットリスト】
01 太陽の国
02 QUARTER DOLL
03 Melody
04 冷たい風
05 BLOOD TYPE S
06 一発あてろ
07 ナルシスの花
08 REAL XXX
09 夜をぶっとばせ
10 ひび割れたHOLY NIGHT
11 Hate
12 BLUE MOON
13 DEAD or ALIVE
14 99番目の夜
15 天使よ目覚めて
EN1
01 Limelight
誕生日セレモニー
02 Desire
03 Chaos
EN2
01 Imitation Queen

『PENICILLIN30th anniversary 『パライゾ・マスター』 TOUR』

11月23日(水・祝) 埼玉・HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3<QD限定>
11月27日(日) 神奈川・新横浜NSB 12/03(土) 柏PALOOZA
12月10日(土) 愛知・名古屋Electric Lady Land
12月11日(日) 大阪・梅田Shangri-La
12月16日(金) 東京・Spotify O-EAST【HAKUEI BIRTHDAY LIVE】

<チケット一般発売(先着)>
11月12日(土)10:00~
https://eplus.jp/penicillin2022/

10月2日@恵比寿LIQUIDROOM
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OKMusic編集部

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