タイドラマ『Lovely Writer』主演の
ガウ(Kao)、初の来日公演で見せた
真摯な姿と喜びーー『レオレオ、タイ
タメ』Vol.13

ようやく入出国規制も緩和され始め、タイの俳優やアーティストが次々と来日し始めている。そのうちのひとりが、小説家と実写化俳優の物語を描いたドラマ『Lovely Writer』でナップシップ役を務めた俳優のガウ・ノッパガオ。9月30日(金)に初の来日公演『Kao Noppakao 2022 JAPAN FANMEETING』を成功させたかと思えば、10月には、タイ在住のファンと日本にやってきて、東京ディズニーシーなどの観光をしたり、芋掘りしたりなどと目が離せない。今回のタイエンタメを紹介する連載『レオレオ、タイタメ』では、ガウの初来日イベントの昼夜両公演のレポートと、関東遠征時に行きたいタイ料理屋を紹介しよう。
丁寧に挨拶をしながら登壇するガウ
客席の後方から、観客にタイの伝統的な挨拶のワイ(合掌)をしながら登場したガウ。ひとりひとり丁寧に目を合わせる姿はまるで貴公子のようだった。そんな「生Kao」を初めて目にし、冒頭から泣いてしまう人も。その涙には、2年以上ものあいだ推しに会いたくても会えなかった悔しさと、ようやく直接本人に応援を伝えられることへの喜びが詰まっていたようだった。
箱根での写真。「次に日本に来た時は富士山を観る」と意気込んでいた
初めて日本の地を踏んだというガウは「何より日本は涼しくて最高。鰻やそばなどのご飯も美味しいし、アニメで観た通りの風景が広がっていて感動しました」と楽しんでいる様子。ファンミーティングの前に観光もしたということで、昼公演では浅草や東京タワー、夜公演では東京駅や箱根などについて、写真も交えながら感想をこぼす。両公演とも本日10月30日(日)まで配信しているので、本当に同じ日本なのだろうかと疑うほど美しい写真の数々を一目見て欲しい。
必ず枠の右端にシールを貼る人が気になる様子。
続いて昼の部ではファンが想像するガウの姿と、実際のガウに違いがないかを確かめる「バランスゲーム」へ。一問目は「A:人の心が読める能力」か、「B:未来が見える予知能力」か、どちらを手に入れたいかという質問。ガウは迷わず読心を選択し、観客のアンケートの結果も見事一致と順調なスタートを切った。そして「僕には能力があるんです。ここにいらっしゃるみなさんが楽しんでいるかもわかりますよ」と自信満々に言うので、どんな煽り文句が出てくるのかと期待してしまう。
「皆さんは今……この子はステージで何をやっているんだ? と思っているでしょう?」
この瞬間にその場にいた誰もが思い出したことだろう。スタイリッシュなその姿に惑わされていたが、そういえばガウは天然だったと。
「歯磨きをする猫」などの難題も特徴をうまく捉えるガウ
夜の部でも天然さを遺憾なく発揮。ガウが絵を描き、ラッキーファンがお題を当てるゲームをしている最中に、ヒントではなく答えをうっかり口にしてしまったのだ。これには思わず、MC兼通訳をしていた逢見亮太も「今正解の言葉を言ったけど訳せないー!」とツッコむ。ちなみに逢見はEXIT兼近大樹の元相方で、今はタイでドラマに出演するなど活躍の幅を広げており、昨年開催された日本向けイベント『Kao Noppakao 1st JAPAN ONLINE FANMEETING 2021』にも出演していたことから、ガウのファンにはお馴染みの名司会者となっている。
少し照れながら歌を披露するガウ
そんな逢見らは一旦退場し、ガウの歌唱パートへ。うっとりとする歌声で「Too Little, Too Late」を披露。さらにはファンサービスをしながら客席をゆっくりと周っていくものだから、全員が一挙一動を見逃さんとばかりにガウの姿を目に焼き付けていた。そんな観客の視線に照れて笑ってしまう場面も。タイの俳優は日頃からファンと近い距離で接してきているものの、ほとんどがカメラを構えているため、熱視線を送られ続けるのは新鮮だったのかもしれない。
かくづけゲームで意見が分かれるガウと逢見
早くもイベントは後半に突入する。昼公演では昨年のオンラインイベントでもしていた、音や状態などを言葉で表す「オノマトペ」を当てるというゲームを今年も実施。前回間違えてしまった「ふわふわ」をお題に出すと、ガウは「覚えてる! これは絶対正解する」と自信満々でクリアした。何度も手をふわふわと動かしながら復唱していて、会場からは思わず黄色い声も漏れ出てしまう。
少し順番は前後するが、夜公演で行った高級品と安物を見分ける「かくづけゲーム」では、罰ゲームとして日本語で告白めいたセリフが用意されていた。一問目から間違えてしまったが、罰ゲームなのに嫌がる様子ひとつ見せずクールに「お前は俺のものだ」などの言葉を発していく。昼は可愛く、夜はカッコ良くキメるガウに拍手が鳴り止まなかった。
冗談も交えながら、ひとつひとつの質問に丁寧に答えていた
夜の部ではゲーム前に、ガウへの質問コーナーが挟まれていた。「喜怒哀楽のどの感情を演じるのが好きか」との質問には「人生の中で一回も怒ったことがないので、怒りの演技が好き」と答える。付箋に書かれた質問の中には「どんな匂いのシャンプーを使っていますか」や「鏡を見たときに自分がカッコ良すぎてびっくりすることはありませんか」など笑いを誘うものも。「何でそんなことを聞くの?」と不思議がりながらも、マックルー(トムヤムクンなどで使われるコブミカンの葉)の匂いのシャンプーを使っていることを教えてくれ、自分のカッコ良さには「慣れたぜ」と冗談も飛ばしていた。
最初はグーを習得したガウ
そして、これまでのゲームに正解したご褒美が発表された。それは、両公演ともガウとツーショットチェキを撮れるというもの。実にファンを喜ばせるイベントである。その場で逢見にクセのあるジャンケンを教えられ、選挙に出馬しそうな、はたまた戦いに挑みそうなポーズでガウが「最初はグー」と音頭を取る。
後ろの席への配慮も欠かさない
熾烈な戦いの勝者たちとチェキを撮り、観客全員がカメラにガウの姿を収められる撮影タイムを終え、「日本に来てから感動することがたくさんありました。皆さんに直接会うことができて嬉しかったです。それからいつもTwitterやInstagramなどにコメントを書いてくださる方々にも感謝しています。バイバイ!」とし、締めくくった。
「Red Swan」を日本語で見事に歌い上げるガウ
かと思いきや、アンコールに応えて再登場。前回のイベントに引き続きYOSHIKIHYDEによる「Red Swan」と、ONE OK ROCKの「Wherever you are」をそれぞれ披露した。日本語歌詞をそのまま歌ってくれたことに驚かないわけがなく、オンラインで配信を試聴していたファンによるコメントの流れも速くなっていた。
「Wherever you are」を歌いながらファンサービスも忘れないガウ
そんな視聴者に「僕のために時間を割いてくださりありがとうございました。日本の方々が温かく迎え入れてくれて嬉しかったです」と感謝の言葉を並べる。そして来場者には「また必ず日本に戻ってきます。そのときは今回のように迎えてくれると嬉しいです」と次回を仄めかしていた。確かに1ヶ月後には芋掘りをしに再度来日してくれたが、また近いうちにこのようなファンミーティングが開催され、より多くのファンが足を運べることを、そして個人的には関西にも来てもらえることを願っている。
◇昼から呑めるタイ料理居酒屋◇
イベント後にファン同士で集まってオフ会をすることもあるだろう。そんな時にオススメしたい恵比寿のタイ料理屋を紹介する。
タイ屋台 ラオラオ
タイ料理、居酒屋、もんじゃ焼き
11:30~24:30(23:30LO)
定休日:不定休
東京都渋谷区恵比寿4-4-14 イナビル 1F
http://www.sweetbasil.jp/
恵比寿の駅近く、半地下にあるタイ屋台 ラオラオ
営業開始の11:30から飲み放題でお酒を呑めるタイ屋台ラオラオ。タイウイスキーを使ったハイボールや、タイのミントを使ったモヒート、タイの有名ビールなどタイ料理にぴったりなお酒や、プーケット、アユタヤなどタイの地名が付けられたの生スーパーフローズンも用意されていて、メニューを見ているだけで気分が上がる。料理も種類豊富でタイ料理からタイ屋台料理まで楽しむことができるので、ご飯をシェアしながらイベントの感想を語らうのにピッタリだ。
塩肉ヌードル
おひとり様でも入りやすい雰囲気があるところもオススメのポイント。一皿で満足できる料理もあり、ひとりで行っても注文がしやすい。そのうちの塩肉ヌードルを注文すると、最初にお通しでポテトサラダを出してもらえた。日本の居酒屋で出てきそうな見た目をしていたが唇や喉がピリピリするほどに辛く、甘いお酒が欲しくなる。打って変わって本命の塩肉ヌードルは麺はもちろん、パクチーやにんじん、もやしなどの野菜がふんだんに入っていて、とても優しい味がした。麺は米粉でできているので腹持ちも良く、イベントに挑む前の腹ごしらえをしても良いだろう。
『Kao Noppakao 2022 JAPAN FANMEETING』
今回はガウの来日公演の様子を紹介したが、11月もタイの俳優のファンミーティングやミュージシャンのライブは続く。4日(土)には『TharnType/ターン✕タイプ』でブレイクしたミュー・スパシットが中野サンプラザにて、翌日5日(日)にはガウと『Lovely Writer』でダブル主演を務めたアップ・プーンパットが日経ホールで日本初のファンミーティングを行う。また27日(日)には『Dark Blue Kiss ~僕のキスは君だけに~』などで知られるテイ・タワンとニュー・ティティプーンが『TAY NEW 1st FAN MEETING IN OSAKA』でついに大阪にやってくる。さらにタイのシンセ・ポップの女王といわれるイン・ワラントンが15日(火)にShibuya WWWにて初の来日公演『INKWARUNTORNLiveinTokyo2022』を開催するなど盛り沢山だ。
これだけ来日が続くと見送りも免れないだろうが、ひとりでも多くの人が心残りのない選択ができるよう、記事を通して少しでも後押しができていれば幸い。ただ今回のファンミーティングを観て感じたことはひとつ。無理なく、そして「推しは推せる時に推せ」だ。
◇今日ひとことタイ語講座◇
๙(ガーオ、Gaao)=(数字の)9
※前進を意味する単語と同じ発音のため、タイでは縁起の良い数字とされている。
文=川井美波 撮影=大庭 元

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