黒川智之監督(左)、脚本の佐藤大(右)

黒川智之監督(左)、脚本の佐藤大(右)

悠木碧&朴ろ美、声優陣の演技が見せ
た可能性とは 「ぼくらのよあけ」ス
タッフが語った作品の舞台裏

黒川智之監督(左)、脚本の佐藤大(右) 第35回東京国際映画祭のジャパニーズ・アニメーション部門で10月28日、今井哲也氏のSFジュブナイル漫画を劇場アニメ化した「ぼくらのよあけ」が上映され、黒川智之監督、脚本の佐藤大が東京・TOHOシネマズシャンテでのトークショーに臨んだ。
 本作は、2049年の夏を舞台に、阿佐ヶ谷団地に住む小学4年の沢渡悠真が、地球で休眠していた未知の存在「二月の黎明号」を宇宙に帰すため仲間たちと冒険する姿が描かれる。杉咲花が主人公・悠真、声優の悠木碧が人工知能搭載ロボット・ナナコを演じ、ナナコの体を使って悠真たちに語りかける「二月の黎明号」を朴ろ美が担当した。
 司会の藤津亮太氏(アニメ評論家)が、家庭用ロボット・ナナコの話題をあげると、黒川監督は「ナナコが悠真とどういう関係値にあって、2人の関係が最終的にどうなっていくのかということがこの作品の一番の肝」と説明する。
 一方の佐藤は、「原作の段階でシンギュラリティという言葉が出てきていますが、『技術的特異点を超える瞬間を描く話』それが『ぼくらのよあけ』の裏の裏の裏の意味だと、そんなことを監督と話していました」と振り返り、ロボットを演じたキャストの演技を通して感じたことを明かした。
 「『人でないものが、人の営みを見ながら人を超えていく』。悠木さん、朴さんの演技も含めて、そこへ向かっていました。これは脚本では描けなかった深みだったり、色だったり…」
 「演技が支えるもうひとつの可能性みたいなものをすごく感じた。脚本では描かなかったことがフィルムに焼きついていたので、ナナコという存在から勇気をもらえる映画になったなと思いました」
 また、本作は実在していた団地を描いていることから、藤津氏は「団地という懐かしい舞台と2040年代という未来が共存している作品ですが、描くうえで意識したことは?」と質問。黒川監督は、「阿佐ヶ谷住宅は、僕らが制作に着手した時には既になかった」と言い、物語の舞台が近未来であっても「やっぱり作品にとって、『かつての、ありし日の阿佐ヶ谷住宅の姿が2049年にもある』ということが大事なポイントかなと思ったので、昭和の匂いが残る阿佐ヶ谷住宅をアニメに再現した」と説明した。
 第35回東京国際映画祭は11月2日まで、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催。
【関連リンク】・第35回東京国際映画祭(TIFF)公式アニメ特集

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