MOROHAアフロ『逢いたい、相対。』平
成ノブシコブシ・徳井健太と考える「
芸の道」ーー己の芸を生業にする男た
ちの劣等感、覚悟、生き様

MOROHAアフロの『逢いたい、相対。』第三十三回目のゲストは、平成ノブシコブシの徳井健太。徳井と言えば、バラエティ番組『ゴッドタン』を始め、自身のYouTubeチャンネル『得意の考察』、著書『敗北からの芸人論』においても、独自の視点でお笑い芸人を語るスタイルで注目を集めている。そんな徳井を招いた今回は、11月からお笑い芸人をゲストに迎えたMOROHAのツアー『無敵のダブルスツアー』について、各芸人の見どころを語ってもらった。だが、それは1つのトピックにすぎない……。「音楽」と「お笑い」という己の芸を生業にする男たちの劣等感、覚悟、生き様を語っている。今、2人が考える芸の道とは一体?
『MOROHAアフロの逢いたい、相対』
新しい作品ができたら、自分で手紙を書いて関係各社に送るんです
アフロ:以前からショートメールでやり取りはしていましたけど、こうやってお話しするのは初めてですね。どうやって連絡先を交換したんでしたっけ?
徳井健太(以下、徳井):Twitterじゃないですか? コロナ禍になって「ネルソンズがバンドを結成したので、対バンをしていただけないですか?」とDMでお誘いしたのがきっかけだったと思います。
アフロ:事の経緯は何だったんですか?
徳井:ネルソンズが初めて『キングオブコント』の決勝に行ったのが3年前。その時の話を聞いたら「本当は行くつもりじゃないけど、行っちゃった」らしいんです。と言うのも、あいつら的には、その前の年に「これで落ちたら、もう俺らは芸人を辞めよう」と思うほど、渾身のネタが作れたにもかかわらず、決勝に行けなかった。で、次の年は「一応出ておこう」と思ってエントリーして、スベったと思ったらまさかの決勝へ行っちゃって。それがやるせなかったそうなんです。あの(和田)まんじゅうがなにをやっても楽しくない、みたいな。なんなら、お笑いを辞めたいと思うところまで陥っていたので「そういう時はロックでしょ」と提案しました。今はコンビ仲がいいのが微笑ましい時代だし、トリオでスリーピースバンドを組めば売れそうじゃないですか?
アフロ:確かに斬新! めちゃめちゃいいっすね!
徳井:ですよね? それで「バンドをやってみたら」と言ったら、3人とも一生懸命練習してくれて。それから3ヶ月後に「俺がMCをやるからライブに出よう」と言ったんです。どうせなら好きなミュージシャンと一緒にやった方が緊張するし、俺も見たいと思ったので、ダメ元でMOROHAさんにDMを送りしました。結局、コロナで開催は出来なかったですけど。
アフロ:オリジナルも作っていたんですか?
徳井:コピー曲だけでしたね。だけど「楽しい!」と言ってました。「3人で音を出すのは楽しいっすね! 生きがいです!」と。
アフロ:生き甲斐にまで思えたら最高っすね! お笑いの方にも良い作用が働いたんですかね?
徳井:だと思います。やっぱり、今のあいつらは楽しそうですもん。今年『キングオブコント』の決勝に行ったし、音楽の力で元気になった可能性はありますね。
MOROHAアフロの逢いたい、相対:平成ノブシコブシ 徳井健太
アフロ:徳井さんが20代の頃は、先輩のアドバイスを聞いてました?
徳井:先輩付き合いをほぼしてこなかったんですけど、僕の中でコントはカリカ、漫才はタカアンドトシがトップだったから、この2組とだけは仲良くしていたんですよ。その人達から「お笑いとは何か?」を教えてもらいましたね。
アフロ:俺も元カリカのマンボウやしろさんがパーソナリティーをされている『Skyrocket Company』の収録場所が渋谷スペイン坂スタジオだった頃、(やしろさんが)竹原ピストルさんのことを「素晴らしい、かっこいい」と紹介したのを聴いて。その翌週に俺はMOROHAのCDを持って、やしろさんの出待ちをしたんです。結局ご本人には渡せなかったけど、スタッフの方に「竹原ピストルに負けじとカッコいいんで、ぜひかけてください」と言って。そしたら『スカロケ』でMOROHAの曲をかけてくれて、後日スタジオのゲストにも呼んでくれて。新曲の解禁も番組でやらせてもらったりしてるんです。
徳井:僕がやってることも、アフロさんとちょっと似てますね! やしろさんにCDを渡したように、僕はDMでMOROHAさんに連絡をして。MOROHAはどう見ても尖ってるから、1文字の助詞でも失礼があったり、温度が伝わらなかったら怒られるんじゃないかと思ってすげえ緊張しました。でも嘘をついちゃ駄目だなと思って、かなり神経質になってメッセージを書きましたよ。
アフロ:徳井さん自身がオファーを受け取る時に、そこを大事にするからじゃないですかね。「一緒にライブやってください」と言われた時に「本物の熱意はあるのか?」と見つめてるんじゃないですか?
徳井:昔は全然でしたね。吉本(興業)の良い所でも悪い所でもあるんですけど、僕が若手の頃は当たり前のようにライブがあったんですよ。だから、申し訳ない言動がいっぱいあったと思います。忙しいことを理由に、適当にやったりして。振り返ると、2014年の『コヤブソニック』が大きかったですね。小籔(千豊)さん自ら、ミュージシャンとか芸人とか関係なく、全員に手紙を書いたんです。僕らなんて小籔さんからしたら超後輩だし、仲も良かったから「出てくれへん?」だけで全然出るんですけど、わざわざ長文の手紙を書いてくださり、それが事務所経由で届いて「もし良かったら出てくれませんか?」と。小籔さんがここまでされるなら、こういう熱い想いでライブに呼んでくれてる方がいるんだったら「俺も全力で応えなきゃ」と思ったのは結構大人になってからです。
MOROHAアフロの逢いたい、相対:平成ノブシコブシ 徳井健太
アフロ:俺も熱意があるイベンターさんからのオファーだと、プラスαの気持ちが乗っかりますね。そういう経験は自分がオファーを出す時も、ちゃんと想いを伝えようと思うキッカケになりました。俺は今でも新しい作品ができたら、自分で手紙を書いてラジオ局とか関係各社に送るんですよ。
徳井:すごいっすね! それで反応はありました?
アフロ:十枚書くと一枚くらいはチャンスとなって返ってくるんです。最初にチャンスをくれたのは、ダイノジの大谷(ノブ彦)さん。音楽雑誌にCDや手紙を送っても、あの人達はアーティストをプロモーションすることで対価をもらっているから、金にならなければ取り上げてくれないんです。なぜなら、それが仕事だから。でも大谷さんは芸人としてちゃんと生計を立てていて、音楽は愛情でやっている方なんですよね。
徳井:確かに、損得勘定ではやっていないでしょうね。
アフロ:そういう人に熱意を持って音楽を届けに行くと、すごくいいことがある。熱意で手にできるチャンスがあるんだ、と学びました。
徳井:というか、自ら営業できるミュージシャンとなると少なそうですよね。
アフロ:当時は20代真ん中くらいで金もないし、怖かったですね。芸人さんは30代後半でも若手と言われるじゃないですか。ミュージシャンなんて、30を超えたらもう中堅と言われていますから。
徳井:そうなんだ! じゃあ期限が自分の中にあったんですね。
アフロ:だから焦ってましたね。あと俺らは、似たような音楽をやっている人がいなかったのも大きいです。同じジャンルの先輩ミュージシャンに可愛がられたら、そこでフックアップしてもらえる可能性もあるんですけど、それが期待できないのは結構早い段階で自覚していましたね。今の話と繋がるんですけど、徳井さんの本『敗北からの芸人論』の中で徳井さんが喫茶店のマスターになれ、と言われた話を書かれていたじゃないですか。
徳井:東野(幸治)さんの章ですね。
アフロ:落ち込んだ時にふと応援してくれる喫茶店のマスターみたいな存在、そんな人が俺にも4人ぐらいいるんですよ。この人達に褒められたんだから、もうちょっと頑張ってみようと思えた人が。そういう先輩はいますか? 
徳井:いっぱいいます。例えば千鳥さんがそうですね。特にノブさんの存在は大きかったです。僕がお笑いを語るのをちょくちょくやるようになって、最初はそこまでフィーチャリングしてやってなかったんです。そしたらノブさんに「面白いからやった方がいい」と言われて。「いやぁ、ちょっとズルくないですかね?」と返したら「別に気にしなくていいんじゃない? そこはお前の面白いところなんだから、もっと伸ばした方がいいよ」と言われて、背中を押してもらいましたね。
台本に書いてないところで頑張ってる人が、
結局は売れるんだと思います

MOROHAアフロの逢いたい、相対:平成ノブシコブシ 徳井健太

アフロ:そのスタンスで、最初に手応え感じた現場って覚えてますか?
徳井:パンサー、ジャンポケ(ジャングルポケット)、ジューシーズがメインの『トリオさん』という番組があって。初めて呼ばれたのが『沖縄国際映画祭』の時で、3組とも昔から可愛がっている後輩ですし、『トリオさん』もよく観ていたから、ガムを噛みながら番組のダメ出しをしたり褒めるというのをしていて。そしたら演出の人が「こいつ、なんでガム噛みながらやってんのかな?」と疑問に感じた反面、吉村(崇)の方が知名度が高かった時代に「じゃない方が、的確なことを面白く言ってる」と驚いたらしいんです。それで2回目は小籔さんと『トリオさん』メンバーが企画をやっているのを、3時間ぐらい裏でひたすら見てメモを取って。「実はもう一つ企画があります! 徳井さんでーす」と呼ばれたら「先ほどの向井さんの一言なんですけど」と切り出して、そこもウケたんですよ。ただポイントなのが、その場にお客さんがいなかったんです。
アフロ:芸人さんの笑いだけで、空気が成立していたんですね。
徳井:その番組を作っているのが『アメトーーク!』の班だったので、「今度はそっちでやってみよう」となったんです。でも、そこにはお客さんがいた。観覧客から「なんでこいつが偉そうに批評してるんだ」と思われて超スベるんですよ。それを機に、その芸は5年間ぐらい封印されて。コロナで無観客の状態になった時に『ゴッドタン』が突然白羽の矢を立てて。
アフロ:それが『腐り芸人セラピー』。
徳井:その場はスタッフさんしかいないから、まっすぐパンチラインを放ち続ければなんとかなると思って頑張ったら、良い方に転んだんですね。そのあとに『ゴッドタン』で「腐りカルタ」という大喜利の企画に呼ばれたんですけど、ハライチの岩井(勇気)とインパルスの板倉(俊之)さんの心の闇がエグすぎたんですよ。自分なりの黒い言葉で戦ったんですけど、根本が違うなと思ってすごい凹んだんです。家に帰ってから「あの時、俺が逆張りで褒める方の大喜利りしていたら、もっとウケたのに。なんで無理して人の悪口を言ったんだろう」と反省して。次に『ゴッドタン』があったら、褒めに走ろうと決めたんですね。
アフロ:そしたら、もう1回チャンス来て。
徳井:そうです。ただ俺は褒めるつもりなんですけど、つい極論を言っちゃう時があって。もうちょっと優しく言えたら良かったかなと思うこともありましたね。
アフロ:でも、自分の中では手応えを感じたわけですよね?
徳井:いや『ゴッドタン』はないですね。というか分かんないです。あの番組は編集がすごいだけで、終わった後の後味は全員悪いですよ。「これ大丈夫なのかな?」みたいにスタジオは毎回騒然としてます。
アフロ:スタッフさんの空気もそうなんですか。
徳井:あそこのスタッフさんは「お笑い狂信者」ばっかりなので、無理して笑うことはまずないんです。無残にスベる時はスタッフさんも笑わないし、MC陣も笑わない。それだけ正直な人達なんですよね。
アフロ:和気藹々の雰囲気にしないと、みんながポテンシャルを発揮できないっていうのが、今の世相の流れじゃないですか。それに思いっきり反して、ものすごいスパルタで追い込んでいく。
徳井:ハハハ。自己啓発セミナーですよ、あそこは。ちなみに僕らが若手の頃は、ガッと上がるチャンスって『ゴッドタン』『アメトーーク!』『ロンドンハーツ』だったんです。『ロンハー』と『アメトーーク!』は、どちらも加地(倫三)さんが演出・プロデューサーじゃないですか。多分ですけど、台本は荒台本であって、基本的に下の子たちの出る場は書いてないんですよ。でも売れたいから出なきゃと思って前へ行って、スベったりあたふたしてる時に、先輩の刃が一斉にバーって向く。その時、どこまで前を向いていられるか。そこで売れていった人を何人も見たんですよね。吉村もそうでしたけど。
アフロ:血を流しながら前に進まなければいけない。
徳井:当時は(千原)ジュニアさんとか小籔さんも同じ並びにいて、ジュニアさんよりも面白くないのは俺らからすれば当たり前だけど、視聴者からすれば「ジュニアさんよりも面白くないのに、なんでテレビに出てんの?」となる。そんな中で、フット(ボールアワー)の後藤(輝基)さんとかは先輩を押しのけて、バンバン前へ出て見事に返していった。もはや神業だと思いましたね。でも、そういう人が売れていきました。だから台本に書いてないところで頑張ってる人が、結局は売れるんだと思います。
アフロ:『Love music』という音楽番組があって、俺らが出た時は生放送だったんですよ。その日はCreepy Nutsが俺らの先に出て、その後が俺達だったんです。同じ2人組で、メジャーデビューの時期もほぼ一緒。にもかかわらずCreepy Nutsの方が勢いはめちゃめちゃあって、俺らは「知る人ぞ知る」みたいな立ち位置だったんです。MCはダイノジの大谷さんで、俺らが歌った後にカメラの前で「MOROHA、めっちゃ良かったよ」と言われた瞬間、頭の中で「Creepy Nutsとどっちが良かったですか?」という返しが浮かんでたんです。生放送でそれを口にしたらリスクもあるけど道も開けると思った。でも、プロデューサーさんだったり、大谷さんにも恩がある。治安を考えたのもあったし、言う勇気もなかったので、その質問はしないまま普通に自分の役割を全うして終わったんです。今、徳井さんの話を聞いてあの時の自分がよぎりました。一波乱を起こして序列を変えたいなら、何かしらの負荷をかけて、リスクを背負って前へ出るべきだったんじゃないかな、って。
徳井:もう5歳若かったら言ってました?
アフロ:うーん、むしろ今だったら言うかもしれないっすね。あの時、言っていたら俺はここにいない可能性もあるとは思います。
徳井:短いスパンで見て下がったとしても、長いスパンで見るなら、そういう時に余計な一言を言うべきかなと思うんですよね。2009年の『M-1グランプリ』の決勝で、笑い飯さんに(島田)紳助さんが100点つけた時に、岩井が「これ、笑い飯の優勝でしょ」と言ったのが、1番の迷言だと言われているんです。そんなことを言ったら大会が台無しだし、笑い飯さんとか審査員にもちょっと失礼じゃないですか。確か、ハライチを結成して4年目だったのかな。あの一言のせいで岩井はかなり仕事を失ったとは思うんです。でも岩井を見ていたら「そういうことを言うから今の岩井がいるし、説得力があるんだろうな」と思うんですよ。この10年のスパンで考えると、あの一言を言った背景がすごく効いてる。むしろ僕は名言だと思うんですよね。
アフロ:それはめっちゃ思います。逆に『Love music』の俺は、その日の勝ちを拾いに行っちゃったんですよ。
「当たって砕けろ」は、すごい失礼なことだと思うんですよ

『MOROHAアフロの逢いたい、相対』

アフロ:徳井さんは『M-1』に対して「忘れがたみ」と言ってますよね? 俺はフリースタイルバトルに対して、そう思っていて。俺がバトルに出なかった理由として、目の前の自分達のライブで精一杯なんだっていう本音ともう一つ、ワンマンをやればお客が数百人と来てくれる状況で、自分より10歳も若いラッパーとMCバトルで戦ったら勝って当たり前だし、負けたら自分のステータスに傷がつくだけじゃないかと、カッコ悪い打算もありました。だからこそCreepy Nutsには、自分が選ばなかった道で大きな山に到達した人達だという想いがあるから、複雑な気持ちを持っているんです。こういう想いは、徳井さんにとっての『M-1』に対するものと近いのかな、と思ってるんですけど、どうですか?
徳井:『M-1』もそうですし、単独ライブもそうですね。本当は単独をやるべきなんだろうなと思いつつも、昔からテレビに出たかった気持ちが大きくて。今は実際に出られているし、そっちにエネルギーとかカロリーを向けていると、100%の単独ライブはできない。それだったらやらない方がいいのかなと。今の若手はネタ至上主義で、その芸人がネタをやってるかどうかで、カッコいいか悪いかを決める風潮があるんです。その点、平成ノブシコブシは超邪道側にいて。ネタもやっていないし、賞レースのタイトルも獲っていない。でも「周りにダサいと思われたくないから、単独をやる」のが1番ダセエから、余計にやりづらいし。
アフロ:「エントリーはしたぞ」とはいっても、そういうことじゃないもんな。
徳井:そういう時期もあったんですよ。『M-1』も『キングオブコント』もとりあえず出る、みたいな。でも、それはめっちゃ失礼な感じになるんですよ。2回戦敗退でへらへらして帰るなら、「じゃあ出るのは辞めよう」となったんです。大会に懸けている人たちに失礼だから。
アフロ:そうなんですよね。「当たって砕けろ」は、すごい失礼なことだと思うんですよ。砕けない準備をして当たりに行くことができないと。
徳井:当たって砕ける方が簡単ですからね。若かったら選んでいたのかもしれないですけどね。
アフロ:ちなみに、若い頃はどうだったんですか?
徳井:人のことなんて考えてなかったですね。とにかく自分が面白ければいい。ランジャタイとかモグライダーとか、今のイキがいい若い子たちを見ると、当然ながら「自分が1番。先輩を投げ倒してくんだ」という感じがプンプンして、すごく威勢がいいじゃないですか。そういうふうに、俺らのことも先輩は思っていたんだろうなと。だから若い時とはかなり変わりましたね。
Creepy Nutsに対して「悔しい」なんて、
1、2年前は絶対に言えなかった
MOROHA アフロ
アフロ:そもそも自分が1番面白いと思っていたら、徳井さんの芸人を語るスタイルも生まれなかったじゃないですか。何かキッカケがあったんですか?
徳井:小籔さんが社会のシステムを教えてくれたんです。今思えば、俺が間違ってると分かっていたのに、誰も教えてくれなかった。イタい後輩は面白いじゃないですか? そういうことだったと思うんです。でも小籔さんは「礼儀礼節を忘れない」とか「感謝が大事だよ」とか当たり前のことを淡々と教えてくれました。芸歴15、6年目で35歳ぐらいだったから、気付くのは遅かったんですけどね。そこで自分や人に対しての見方が変わりました。
アフロ:「自分が1番面白い」「とにかく全員投げ倒していく」というところから、離れていく感覚は怖くなかったですか? それがアイデンティティだったわけじゃないですか? みんなに泳がされていたってことは、人一倍自我が強かったから「こいつを見ておきたい」と思ってみんなが泳がせていたわけで。
徳井:よく覚えているんですけど、ちょびっと売れ出して、ひな壇に入れられた時にサバンナの高橋(茂雄)さんも同列にいたんです。明るいバラエティーショーみたいな番組があって、VTRを観てリアクションをする時に、俺らはモデルさんとか役者さんとかがコメントした後に、オモシロを添える感覚でやっていたんです。だけどVTRを観て「皆さんどうですか?」と聞かれた瞬間に、一発目に高橋さんがめちゃくちゃ面白いこと言った後、めちゃくちゃいいことも言ったんですよ。100点の答えをいきなり1投目で。「こんなことがアリなんだ」とビックリしたんです。俺らからしたらみんなの意見を待って、最後に「いや、もう言うことないっすよ~」とかヘラヘラしていたのに、もう有無を言わさず、いいことも面白いことも言う。「こんな人が後々俺の敵になるのか」と思ったら、ひな壇はやれないかもとポッキリ心が折れたんです。それでも吉村は「ひな壇を頑張りたい」と言ったんですけど、俺はちょっと職業を変えたいなと。それが分岐点でしたね。
アフロ:そうなると、高橋さんはある種の恩人ですね。
徳井:そうですね。大阪は芸人しかいない番組が多いらしいんですよ。『マルコポロリ』という東野さんがMCの番組なんですけど、芸人が10人くらいひな壇にいて、ゲストは1人。でも東京の方はMCに加えて芸人が2人、非芸人が8人とかじゃないですか? だから遠くでフォローしたり、いざとなったらボケたりみたいな仕事が多い。
アフロ:バランサーみたいな役割で呼ばれるんですね。
徳井:だけど向こうは20年間ずっと真剣勝負をやってるから、全然違うわけですよ。本気の戦いをされたら「いや、そんなの俺らやってないから。勝てない勝てない」と言っても「逃げないでくださいよ」とずっと来る。それで職業を変えようと思いました。怖いのが小籔さんとかみんなそうですけど、麒麟の川島(明)さん、華大(博多華丸・大吉)さん、バカリ(ズム)さんとかは未だに真剣勝負をしてるんですよね。こそっと刀を隠してMCをやってるだけで、本当はみんな刀を抜こうと思えば「いいよ、いつでも来いよ!」という感じなんです。
アフロ:音楽もそうかもしれないですね。圧倒的なものを見た時に、それに憧れて真似する人と、可能性を1つ潰されたと思って別の道を探す人がいる。俺は後者だったので、すげえなと思った人から、どうやったら離れられるんだろうと考えてきました。だから俺には高橋さんみたいな存在が、多分100組ぐらいいる。その100組が選ばなかったもので自分ができている感じがします。
徳井:それは誰ですか?
アフロ:THA BLUE HERBeastern youth、とかはまさにそうですね。そういうすごい人と共演した帰り道は、99%負けた気で帰るんです。でも1%は何かしら見つけるんです。自分が無理くりでも勝ってるところを。なぜなら100%負けて帰っちゃったら、辞めるしかないから。確かにすごかったし、お客の心を持っていったのも向こうだったけど、ここの部分では俺が勝ってたなと。いや、勝っていたというか、この要素を向こうは持ってないなというのを、敗北を繰り返して、その1%を100回積み上げて。そこで出来上がった100%が今の俺らだと思うんです。
徳井:自分のことを「めっちゃカッコいい」という感覚で終わるわけじゃないんですね。MOROHAさんのライブは圧倒的に見えますけど。
アフロ:いや、圧倒的敗北をずっと感じていますね。こんなことを口に出るようになったのは1年前くらいからなんですけど。
徳井:じゃあ今、裸の一言を言ってる?
アフロ:ドキドキしながら喋ってます。Creepy Nutsに対して「悔しい」なんて、前は絶対に言えなかった。さっき『Love music』で言えなかった一言を今だったら言えるかも、と思ったのはちゃんとみんなが楽しんでもらえるような言い方ができるという……できるようになりたいという希望があるから。それには多分リスペクトが欠かせないんです。あの当時に口にしていたら「俺は言ってやったぞ」の自己満足だけが観てる人に伝わって、痛々しく映っていたんじゃないかなとか。
徳井:今日のアフロさんの言い方だったら、Creepy Nutsファンも喜びますからね。
アフロ:どうなんでしょうね。勝手に名前を出して申し訳ないですけど、彼らは俺がやりたい仕事を全部やってるんですよ。『オールナイトニッポン』に『浅草キッド』も出てるじゃないですか。そこに対して真っ向から「悔しい」と言うことができなかった。なぜなら、俺は答えを知ってる人間だと思われなきゃいけないから。答えを知ってる人間が、何かに劣等感を感じて、しかも具体名まで出すのはめちゃくちゃダサい、やっちゃいけない、やるもんかと思っていたんです。でもさっき言った「99%負けても1%は持って帰ってる」という言葉。これが俺達の本当の姿、コレめっちゃカッコ悪いんですよ。でもそのカッコ悪さの積み重ねでみんなに必要としてもらった。それなのに、自分たちがデッカいキャパでワンマンをやれるようになったからって、「それ相応の顔しよう」みたいなのって、それこそ「めっちゃダサくない?」と。ちゃんと「カッコ悪いんだ」というのを自分にも見せなきゃいけない。
「価値の下がらない負け方」があると思うんです

『MOROHAアフロの逢いたい、相対』

徳井:そしたら本に書いた、極楽とんぼの加藤(浩次)さんの章は響きませんでした? 『めちゃイケ』(『めちゃ✕2イケてるッ!』)で「ナイナイ以外いなくていいから」と言われてから頑張り方を考えたとか、『スッキリ』を始めて「芸人がワイドショーのMCなんかやってどうすんだ」とめちゃくちゃ言われたのに、今はみんなが手のひらを返して「加藤さんすごい」と言うじゃないですか。口にはしないですけど、きっと「お前ら、あの時は違うことを言ったよな」と思いつつ、それを言わないカッコよさもある。やっぱり加藤さんはすごいですよね。
アフロ:その章、めっちゃ好きでした。負け方の話もありましたよね。
徳井:「収録後6:4ぐらいで負けるのがいい」という話ですよね。
アフロ:俺、「価値の下がらない負け方」があると思うんです。90年代から00年代に活躍したシリル・アビディというK-1選手がいて。ゴングが鳴った瞬間に拳を振り回してノックアウトを目掛けて相手選手に向かっていくんですけど、大体カウンターを食らって、仰向けになってすぐ負けちゃう。だけど、俺が1番好きなK-1選手はその人なんです。勝つところを見たいんじゃなくて、ゴングが鳴った瞬間に突進していく様を見たいんですよね。基本的にはライブも勝つところを見たいんじゃなくて、どう戦っているのかが見たい。
徳井:確かに、それはそうかもしれないですね。
アフロ:俺は加藤さんの章を読んで、価値の下がらない負け方の話をしてくれているんだと思ったんです。対バンで相手がちょっとオシャレなバンドだったりすると、そのお客さんに好かれたいと思って少し合わせに行くんですよね。でも合わせに行ってる時点で負けていて。オシャレなアーティストが対バン相手だとしても、自分の真骨頂でもある「とにかく大きな声を出して、拳を振り回してるところ」をやりに行こうって。そっちに振り切ると綺麗に負けるんですよ。
徳井:ああ、後悔なく負けると。
アフロ:そうです。その日は負けなんだけど、自分達の中で価値の下がらない負け方をしたなという感覚が残る。お客も「やっぱりあいつらのこと全然好きじゃないわ」と帰って行く。それは「なんとなく良かった」よりはマシな気がするんですよ。例えばフェスのステージでの演奏中、客席に俺らのライブを見限って他のステージにいく人がいたとして。3曲目でいなくなるのと、1曲目を歌い出した瞬間にいなくなるのでは、全然意味が違うと思うんですね。1曲目でいなくなった方がやっぱりいいんです。どうせいなくなるお客さんに3曲目まで聴いてもらっちゃいけないんですよ。
徳井:最初か最後までいるかの二択がいいんだ。
アフロ:そうじゃないと、この世界は残れないんじゃないかなと。
徳井:なるほど。3、4曲目まで聴かれて帰るようなやつは、何年後かに消えてるという。アレルギー反応を出してくれるぐらいの方がいいってことですか。それはすごく良い言葉ですね。やっぱりMOROHAさんの歌を聴いてると、ここまで自分の追い詰めた歌詞は辛いだろうなと思うんですよ。
アフロ:23、4歳ぐらいの時、人生をシリアスに思い詰めて生きていたんです。「気を抜いたら負けるんだ」とか「背中を丸めて実家に帰って職も選べずに、仕事をするしかないんだ」ということを、とにかくずっと考えていて。しかも、その時に作った曲が評価された。だから「この自分がみんなに求められてる自分なんだ」と思いながら20代をずっと過ごしていたので、心を開いたら捨てられると思っていたんです。そこから34歳で武道館(『“単独”』)まで行けた時に「あ、良かった」と思ったんだけど、「このままずっとやり続けんの?」という疑問も生まれて。
徳井:「この先、俺は持つのか?」っていうね。
アフロ:あと「生き方として貧しくない?」と思ったんです。友達もそんなにいないし、お酒も飲まない。人の話もろくに聞かずに、俺が俺がでやってきた。とにかく自分が1番だと言い続けなきゃいけないから、相手の粗探しもする。それを的確に言い当てることを強さだと思っていた。「俺が目指すべき人間の姿はそうじゃなくない?」というのが、ここ1年で思ったことですね。
60歳までしがみついてんじゃねえよと、若い頃は思いますけど
「いや、60までやれるってすごいぜ」
平成ノブシコブシ 徳井健太
アフロ:本の後書きに「60代でテレビに出れてるのなんて奇跡」と書いてましたよね。
徳井:そうなんですよね。若い頃はシド・ヴィシャスに憧れるじゃないですか。1曲バーンと売れて、若いまま亡くなるなんて生き様としてはカッコいいと思うんですよ。だから60歳までしがみついてんじゃねえよと、若い頃は思いますけど「いや、60までやれるってすごいぜ」と。そこまで第一線にいられるのは、全部をネタにしてるということじゃないですか。(明石家)さんまさんなんて、娘さんもそうだし、娘さんの彼氏までネタにしてる。そこまで晒して自分を表現できる人は、1/1億だと思うんですよ。まあ……それも年を取らないと分からないですよね。20代の子らは家族のこととか言いたくないだろうし、そこを言うのが早いとダサいし。
アフロ:わかります。それを本能的にやれたらいいのにな、と思います。何も考えなくてもいい人が時々いて。
徳井:そういう天才肌もいますよね。
アフロ:尾崎豊がいた時代は、本当の天才しか勝てなかったと思うんですよ。でも今、ぶっ飛んだ人はコンプライアンスとかで、世に出るのが難しいじゃないですか。だから「天才が生まれない時代になった、今は小綺麗なやつばっかりが売れてる」みたいに言う人がよくいるんです。というか業界ではそれが多数派の声なんです。でも、俺は天才が勝てない時代、才能のある人間が埋もれていく時代はありがたいとも思うんです。だって頑張って汗をかけば、俺みたいな凡人でも世に出れるわけだから。みんなにチャンスがある時代が来たと思う。才能のある人間が埋もれていくことに嘆く人がすごい多いし、俺もそういう気持ちはあるんですけど、言い方を変えれば「才能がなくてもどうにか居場所を見つけられる時代」だと思ってます。それがカルチャーにとって良いのかはさておき、人間としては報われる人が多い気がします。
徳井:まあ、努力と愛ですよね。そこが1番大事な気がしますよね。辞めていく天才芸人もいっぱいいましたけど「そこまでだったか……」という感覚ですもん。それぐらいの窒息感で辞めるんだったら、この先も無理だろうし、しょうがないかなと。現役のみんなは喉カラカラで走ってきてましたから。
アフロ:引き留めたことはありますか?
徳井:ないですね。悲しいなと思いますけど「金がなくても、未来が見えなくても、面白いと思われるならやります」と言う人がいっぱい自分の前を走っていたから。「金がないから辞めるしかない」と言われると「そうだよな」と。
アフロ:それだけ見送ってきたんですね。
徳井:見送ってきましたね。とにかく明るい安村が組んでいたアームストロングが解散した時、社内では結構な話題になっていて。今で言ったら、オズワルドとかそんな感じだったんですよ。黙っていれば売れる状態。いろんな賞レースで決勝へ行くとか、優勝してるみたいな最中の解散だったから、もったいないなとは思いました。でも、そういう屍の上に我々は立ってるんで。
アフロ:逆に、引き留められた経験はありますか?
徳井:本気に解散しようとした時、マネージャーに「CMがあるから解散できません」みたいなよくわからない理由で止められたことがあって。今思えばCMは嘘だと思うんですよね。でも本当にウチらは解散しようと思っていたんで「それギャラいくら?」と聞いたんですよ。「いくらか言えば、払うから」と。それでも「駄目です」と頑なで。その子は「解散しないでください」とは言わなかったけど、今思えばそういう意味だったんだろうなと。
アフロ:ネルソンズに「バンドをやれば」と勧めたのも、そういうことですよね。
徳井:あ、そうかもしれないですね!
アフロ:辞める人に対して「辞めんなよ」じゃないでしょうね。その場をしのげたら、実は続くっていう。
徳井:「賞レースに出たら?」とかもそうでしょうしね。それこそ15年目から、みんな鬱状態になるらしいんです。今まで『M-1』だけを考えてやってきたのに「もう出られないです」となると、「そっからどうしよう」となっちゃう人が多いらしくて。そうなると、ライブも呼ばれづらくなるんですね。『M-1』のライブも出れないし、おじさんの芸人が集まっても客が入らない。「どうしよう?」からの解散っていうケースも結構あるんですよ。そういう人には、やっぱりバンドをやってもらうのが良いですね。
『M-1』は、自分らのお客さんじゃない人から
笑いを取れるネタじゃなきゃダメ

『MOROHAアフロの逢いたい、相対』

アフロ:さて我々、来月から芸人さんとステージを分け合うツアー(『無敵のダブルスツアー』)がありまして。今回の対談は、徳井さんを参謀として招きたい気持ちもあったんです。このツアーを勝ち抜くために、徳井さんの見解をお聞きしようと思って。
徳井:めっちゃ良いラインナップですね! ランジャタイと金属バットは、THE対バンでしょうね。お互いの最高を見せ合うしかない。こいつらも相手に合わせるつもりないと思うんで、最後に立ってるやつが勝者みたいな感じになるんじゃないですかね。ラランドはすごい器用だから「あ、MOROHAさんはそっちなのね」と思ったら、場の空気を読んで調整してくれる気がしますね。この日はMOROHAさん側が、わがままになっても良いかなと思います。蛙亭も感覚はミュージシャンですもんね。イワクラはMOROHAさんの温度を浴びて、どんどん熱くなるんじゃないですか。それで言うと、ザ・マミィが1番難敵ですね。
アフロ:へー! 意外! そうなんですか!
徳井:飄々としてそうなんで、俺はMOROHAさんがザ・マミィを追いかけて行くところを見たいですね。ニューヨークは、今やお笑い界でもMCラインに近いですからね。この中で言うと、1番柔軟で万能ですよね。お互いにリスペクトしつつ、お互いの様子も見ながら高め合っていけるんじゃないですか? あいつらも相手を見ながらもできるし、かといってアウトボクシングをやるわけでもなく、ちゃんとやればちゃんと噛み合ってくれると思います。オズワルドは絶対に煽った方がいいと思います。そしたら乗っかってきてくれるんで。逆に、引いちゃうとあいつらも引いちゃうら「かかってこい、オズワルド」というスタンスがいいと思います。
アフロ:金属バットとかオズワルドに関しては、12月なので『M-1』決勝の直前なんですよね。
徳井:1番いい時期じゃないですか! しかも金属とかランジャタイはラストイヤーですよね。もしかしたら『M-1』用のネタをかけるんじゃないですか。もし配信がないならですけど。
アフロ:このツアーは配信しないんです!
徳井:じゃあ、そうじゃないですか。『M-1』は自分らのお客さんじゃない人から笑い取れるネタじゃなきゃダメらしいんです。NONSTYLEの石田(明)くんから聞いた『M-1』理論があって。準決勝はお笑いオタクが会場に入ってるから、お笑い玄人がウケるネタじゃないと決勝に行けない。でも決勝は超ポップなファンの前だから、超お笑い好きのファンにウケるネタはウケなくて、トップのネタしかウケないです。だからお笑いファンとかNGKでウケるネタで『M-1』の決勝には行けても、そのままでは優勝できないらしいんです。それで笑い飯さんは、学祭とかで『M-1』のネタを試すんですって。結局、自分らが面白いのは分かってるから。この面白さが、おじいちゃん、おばあちゃんとかライト層にまで伝わるかどうかを試すらしいです。
アフロ:それで言うと、岡崎体育さんは曲が出来たらお母さんに聴かせるらしいです。お母さんが「面白いね」と言った曲はやっぱりヒットするみたいで。
徳井:ヒットというのは、そういうことですもんね。音楽好きじゃなくても、好きだと思わせなきゃいけないから。
アフロ:……今気づいたんですけど、こんなに他人の話ばかりしてる対談は初めてですね。
アフロ・徳井:アハハハハ!
徳井:あの人がああだこうだ言ってね。それは弱点でもあるんですよ。
アフロ:え、すごく素敵なことだと思いますよ。
徳井:「僕はーー」というのがないんですよね。例えば4択クイズの時に、みんながAで俺がCだとしても「いや、僕は!」といけないんですよ。
アフロ:その分、人の話を聞いてるということですもんね。
徳井:そうなんでしょうね。だから今に繋がっているんだと思います。
『MOROHAアフロの逢いたい、相対』
文=真貝聡 撮影=suuu

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