L→R O-JIRO(Dr)、HAKUEI(Vo)、千聖(Gu)

L→R O-JIRO(Dr)、HAKUEI(Vo)、千聖(Gu)

【PENICILLIN インタビュー】
今はアッパーな感じとか、
そういうアプローチの曲がやりたい

今年、結成30周年を迎えたPENICILLINがニューアルバム『パライゾ』を発表する。アグレッシブなサウンド、生々しくもメッセージが際立ったリリックと、ベテランと言われるポジションにありながらも、いい意味で瑞々しい快作に仕上がっている。そんな新作の制作背景を、今以てバンドを新鮮に保てる秘訣を含めてメンバー3人に訊いた。

ライヴでやることを考えると、
やっぱりギターで盛り立てる

ニューアルバム『パライゾ』を拝聴しました。PENICILLINはギターバンドではありますので、改めて言うことでもないのでしょうが、どの楽曲もとにかくギターのアプローチがハードなものばかりですね。あと、緩やかなテンポの楽曲がない。この2点が本作のサウンド面での特徴として挙げられると思うのですが。

千聖
質問にひとつずつ応えていくと、ギターに関してはそのとおりですよね。メロディーとハーモニーが両方できる。このバンドは基本的にはキーボードがいないので、ギターがその辺を全て賄っていて。しかも、ギタリストは自分ひとりなんで、あんまりオーバーダビングはできない。してもいいんですけど、現実的じゃなくなるんで、たくさんはしない。“曲によっては臨機応変に考えますよ”って昔から言っているんだけど、やっぱりライヴのことを考えると減りますよね。なので、シンプルに聴かせる、ストレートにリスナーに聴かせるというのが目的で。音がいっぱいあるよりは、ひとつの音で攻めたほうがシンプルに聴こえて、心に届きやすいという感覚でとらえて弾いてはいるんですよね。

なるほど。シンプルにすることで、よりリスナーに強く響くように…というわけですね。

千聖
特に近年はシーケンスループとかも結構少ないので、余計にそうなっているでしょうね。最初の頃…1992年くらいはループなんてない時代だったし、一時期は結構入れていたんですけど、最近はシンプルになっているんで、ドラムとベースとギターでそういうのは全部賄うという。

こうしたリフものは、ここ最近の作風でもあるという感じでしょうか?

千聖
どうなんでしょうね? 20年以上前から結構そういうのはガンガンとやり始めてきていて。“リフ勝負!”というところは絶対にロックには必要だと思っているんで。例えば「Time Machine」は自分が作ったデモの段階で…キーボードでフレーズを作ったんですけど、やっぱりリフっぽくなっちゃうというか、旋律というよりはリフっぽい。

「Time Machine」のイントロ冒頭はハウスっぽいですよね。ただ、そこからギターロックになっていきます。

千聖
現実的にライヴでやることを考えると、やっぱりギターで盛り立てないと。それは俺中心ということではなく、ギターで全体を盛り上げる方向で考えていますね。

この言葉が適切かどうかは分かりませんが、より肉体的な方向を欲しているというところなんでしょうか?

千聖
そうかもしれないですけど、ヴォーカルを盛り上げるためにやっているところもあるし、やっぱり歌が基本ですよ。ギターリフだけを作っていると思われがちなんですけど、実は歌のメロディーも全部同時に考えて作っていて。O-JIROくんの曲やHAKUEIくんの曲はギターが最後になるんですけど、自分の曲に関しては基本的にメロディーもつけつつ同時進行で作業していますから。

私はギターリフが前面に出た楽曲が多いと感じましたが、作者にそういう意図はなく、ギターと同様に歌メロも重視して曲作りされているということですね。

千聖
そうですね。むしろギターは全体の盛り立て役で、その演出という感覚で考えていただければと思うんですけど、それでもそういうふうに聴こえるところはロックの醍醐味だと思います。

「border line」というアルペジオのアンサンブルが目立つ楽曲もありますが、あれにしてもバックでしっかりとストロークが鳴っているところも聴き逃せないところです。やっぱりガツンとしたエレキギターの音というのは、このバンドの一本筋の通ったものなんだなと思っております。

千聖
このスタイルで30年くらいやっているので、改めてそういうことを考えたこともない状態なんですけど、こうやって取材してもらうと振り返られるので、自分のやってる価値も上がるんだなと思って、“ありがとうございます”といったところですよね。お礼を言わせてもらいます(笑)。

リズム、ビートに関してはいかがでしょうか? さっきも言いましたけど、今回はバラードがほぼないわけですが。

O-JIRO
それはたまたまですかね。バラードを書きたい時はもちろん書いていますし、それがそのアルバムの目玉という感じのものにする時もあります。でも、今はアッパーな感じとか、そういうアプローチの曲がやりたいんでしょうね。

そういう巡り合わせだと?

O-JIRO
うん。アルバムに向けてみんなで曲を作っていく時には、“こういう曲が足りないから、こういう曲作りたいね”って曲がどんどん増えてくるんですけど、今回はその中にバラードを入れる話がなかった。ミドルテンポが1曲あるから、これ以上はいらないってところがみんなの意見になったというか。

パンクな「LIVING DOLL」はグイグイと攻めていますよね。

O-JIRO
でも、PENICILLINってどんなに激しかろうが、どんなゆっくりだろうが、メロディーがしっかりあって、そういうところが伝えられる曲っていうのが基本なので、そこに向けてのメンバーの最大公約数が“なるべくシンプルで伝わりやすいもの”というか。あんまり気難しかったりするものじゃなく、もっとドンと伝わりやすいものを作っていこうみたいな部分が強いと思いますよ。

なるほど。歌にしてもギターにしてもメロディーがしっかりしているからこそ、リズムはどんなパターンであっても楽曲をちゃんと伝えることができると言いますか、今の発言はそういった自負があるというように受け取ってもいいでしょうか?

O-JIRO
長くやっていてどんどんシンプルになってきているんですけど、やっぱり歌を聴かせたいから余計なことはしないでおこうっていうところが半分あって。でも、楽器のカッコ良さみたいなところは出していきたから、各パートはそのパートの人が一番よく分かっているので、そこはお任せでやっている感じですね。

“歌を聴かせたい”というのは、確かによく分かるところで。収録曲の歌メロはどれもキャッチーですよね。先ほど「LIVING DOLL」のリズムの話を申し上げましたが、パンキッシュでスラッシュメタル的なギターが入っていますから、こういうタイプはややもすると歌メロは失われがちだと思いますけど、これもメロディーは全然ありますもんね。

HAKUEI
そうですね。そこは初期の頃から意識している部分ではあると思います。

もともとPENICILLINが持っているものは損なわれないと。

HAKUEI
「LIVING DOLL」に関して言うと、原曲は僕が作ったんですが、演奏は激しいけど、メロはしっかり盛り上がっていく、展開していくというのは、僕の中ではバンド結成当初からそういうのが“PENICILLINらしさ”ととらえていて、初期衝動を今の音で表現したというか…うん、そんな感じですね。

結成30周年にして改めてバンドらしさが出てきた?

HAKUEI
よりそうなってきたところもあるのかもしれません。もともと僕が聴いていた音楽もパンクとかが多かったんで、影響されたのもやっぱりギターロックですし。いくらメロディーラインがしっかりしていたとしても、演奏の上に単に歌がポコンと乗っているようなバランスは好きじゃないし、歌もちゃんと演奏の一部として存在していて、どんなテンポでも曲が一塊となって勢いと迫力が出る感じが自分としては好きなんで。だから、こういうバランスになっていっているんだと思います。
L→R O-JIRO(Dr)、HAKUEI(Vo)、千聖(Gu)
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OKMusic編集部

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