会見に臨んだ(左から)松村北斗、新海誠監督、原菜乃華

会見に臨んだ(左から)松村北斗、新海誠監督、原菜乃華

新海誠監督「今描かなければ」と“焦
り” 「すずめの戸締まり」で3.11を
描いた理由

会見に臨んだ(左から)松村北斗、新海誠監督、原菜乃華 新海誠監督が10月25日、都内で行われた最新作「すずめの戸締まり」の完成報告会見に出席した。劇中には2011年3月11日に発生した東日本大震災について、直接言及するシーンがあり「今描かなければ、遅くなってしまうのではないか。そんな焦りのような気持ちがあった」と意図を説明し、「震災直後、それでも冷酷冷徹に桜が咲くことに心底驚いた。我々には無関心な自然の鋭利な美しさを、エンタテインメントとして映画にするなら、こういう形なんじゃないかと考えた」と本作に込めたメッセージを語った。
 「君の名は。」「天気の子」を大ヒットに導いた新海監督が描く新作は、日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる“扉”を閉めていく旅をする少女・すずめの解放と成長を描く冒険物語。「つい最近まで作っていた」と完成に安どの表情を浮かべる新海監督は、「スタッフ数百人の代表として、今日はこの場にいる。自分で言うと偉そうですが、キャラクター・アニメーションのひとつの到達点になったんじゃないかと。大きな画面で体験するにふさわしい作品になった」と強い自信を示していた。
 会見には1700人を超えるオーディション参加者からヒロイン・岩戸鈴 芽役に抜てきされた原菜乃華、「SixTONES」のメンバーで“災い”をもたらす扉を閉めることを使命とする「閉じ師」の青年・宗像草太を演じる松村北斗が同席した。
 会見前日、完成したばかりの本編を鑑賞したといい、「言葉にできないくらい、すばらしい作品。スタッフの皆さんの熱意を大画面、大音量で感じてもらいたい」(原)、「いろんな理由で笑ったり、泣いたり、感動したり、救われたり。自分の感性に、こんなに幅があったんだと気づかされ、作品を通して、自分を見ているようだった」(松村)と興奮冷めやらぬ様子だった。
 また、原は「13歳のときに、初めて『君の名は。』を見て、それから6年後、まさか新海監督の作品に携われるなんて、夢にも思っていなかった」と抜てきを振り返り、アフレコについては「自分の声をうまく扱えず、へこんだ瞬間も数えきれないが、夢のような幸せな時間だった」と達成感。一方、松村は「誤解がないように伝わってほしいんですけど、新海監督は僕らのことを楽器だと表してくれた。鍵盤を押し直す作業を繰り返し、新海監督が“演奏”することで、草太が完成した」と役作りを語り、「試行錯誤していくことで、今の自分で十分に生きていける。そんな明日が来る楽しみをもらった作品」と熱い思いを示していた。
 会見には共演する染谷将太、伊藤沙莉、花瀬琴音、新海作品3度目のタッグとなる「RADWIMPS」の野田洋次郎、野田とともに音楽を担当する陣内一真も駆けつけた。「すずめの戸締まり」は、11月11日から全国公開。

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