怒髪天 新曲「100万1回ヤロウ」も
初披露、ドハツの日公演のオフィシャ
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誰が言ったか知らないが、10月20日はドハツの日。ここ10年ほど怒髪天は毎回特別なワンマンライブを行なってきた。今年の会場は鶯谷ダンスホール新世紀。彼らにとっても初めての会場である。
怒髪天
ハワイアンとブルースを掛け合わせた「救いの丘」(1995年発表)、ヒゲダンスとミュージカルを強引につなげる「タイムリッチマン」(2020年発表)、カフカの小説から物語が始まるロックナンバー「むしけらブンブン」(2005年発表)などが違和感なく並んでいる。プレイリストをシャッフルするように自分たちの歴史を面白がれるし、隠すものなど何もない。キャリアに対する自信が今や真似できないオリジナルなのだ。MCタイムを除けばかなりストイックに続くプレイも、改めて記しておきたい魅力である。
怒髪天
1999年の名曲「サムライブルー」でグッと泣かせたあと、目下最新曲の「100万1回ヤロウ」へ。〈ゴワサンデ ネガイマシテハ〉と歌うサビは、そろばんを学校で習った昭和世代にはお馴染みだが、今はすっかり聞かれなくなったもの。フロアをよく見れば絶対にそろばんに縁がなさそうな若者も2割くらい紛れている。それでも全員が歌うこと歌うこと。すべてがチャラになっても諦めない、へこたれない、何度でも立ち上がる。そんな怒髪天の姿勢が詰まった〈ゴワサンデ〜〉は、この時代の新鮮な合言葉のようにも響いていた。
文=石井恵梨子 撮影=西槇太一
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