『Movies』('79)/ Holger Czukay

『Movies』('79)/ Holger Czukay

80年代以降の音楽の構造を
変革したクラウト・ロックの鬼才
ホルガー・シューカイの傑作
『ムーヴィーズ』

鬼才ホルガー・シューカイとは

彼は1938年に現ポーランド・グダニスクで生まれている。ナチス・ドイツが台頭し、ユダヤ人の排斥運動なども始まったような年である。子供の頃の生活や音楽体験などは伝わっていないが、25歳の時にドイツの現代音楽の作曲家カールハインツ・シュトックハウゼンの元で学んでいる。約3年間師事した後、1968年に同じくシュトックハウゼンの元で学んでいたイルミン・シュミット(キーボード)と、他にミヒャエル・カローリ(ギター)、ヤキ・リーベツァイト(パーカッション)を加え、ロックバンド「カン」を結成する。シューカイはベースのほか、多くの作品で作曲を担当している。1969年にカンは1stアルバムである『モンスター・ムーヴィー』でデビュー。同年にシューカイはソロ作『カナクシス5(原題:Canaxis 5)』も出している。1977年にカンを脱退、同時にバンドは解散している(カンは1989年にオリジナル・メンバーのマルコム・ムーニーとのリユニオンで『ライト・タイム(原題:Rite Time)』をリリースしている。シューカイも制作に関わっている)。
※カンについては以前このコラムで紹介しているので、ぜひご覧ください。
■『フューチャー・デイズ』/カン
https://okmusic.jp/news/277116
カン脱退から2年の歳月をかけ、シューカイは1979年に2ndソロ作『ムーヴィーズ』を発表し、世界的なヒットを記録する。ソロ作は10作以上あるほか、コニー・プランク、デビッド・シルヴィアンらとのコラボ作も多数。2017年にシューカイは住まいでもあったカンのインナー・スペース・スタジオで亡くなっている。享年79歳。

OKMusic編集部

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