2022年10月16日 at SHIBUYA CYCLONE

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【VELDE ライヴレポート】
『DETERMINATION FEST.』
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 コロナ禍で打撃を受けたインディーズシーンを活性化させるべく、The;Cutlery、VELDE、いつかの空蝉の3バンドが今年9月に発足させた『響都』プロジェクト。同プロジェクトの立ち上げに伴って、彼らは“まだ知らない音楽に出会える場所”をコンセプトに各バンドがホストを務めるサーキットイベントを企画し、その第2弾となる『DETERMINATION FEST.』が10月16日に行なわれた。10月15日に下北沢で開催された第1弾『蝉祭 SEMI FESTIVAL 2022 東京編』に続く今回はVELDEが主催を担い、全24組のバンドが渋谷のCYCLONE、GARRET、THE GAMEで競演。当日は多くのリスナーが来場し、熱気にあふれたイベントとなった。

 パンデミックの発生と、それに伴うオンラインライヴの浸透により、ライヴ会場に足を運ぶリスナーは減少傾向にあるが、バンドは生で観て気づくことが非常に多い。例えば、ふたつのバンドの音源を聴いて似たようなバンドだと感じたとしても、実際にライヴを観るとまったく違う個性を備えていることが分かったりする。だからこそ、一日に数多くのライヴを近い距離で観ることができる“都市型フェス”は注目の場だ。VELDE主催の『DETERMINATION FEST.』はエモ・ラウド系の新世代インディーズバンドを軸にした顔ぶれだったこともあり、どのバンドも本気で全力投球のライヴを披露。膨大なエネルギーを放出するステージで、その場にいるオーディエンスをどんどん巻き込んでいく姿が印象的だった。

 3つの会場を巡りながらさまざまなバンドを観ているとあっと言う間に時間が過ぎ去り、CYCLONEのステージに『DETERMINATION FEST.』のトリを務めるVELDEが姿を現した。ライヴは穏やかな歌と開けるサビの対比を活かしたドラマチックなミドルチューンの「Run away」からスタート。始まると同時に強固な世界観を作り上げるあたりは実に見事で、場内をびっしりと埋めたオーディエンスが瞬く間に惹き込まれたことがはっきりと感じられた。

 その後は躍動感を放つ「Take me back」と、さわやかな雰囲気の「Here I am」が届けられ、力強さと抒情性を併せ持った楽曲はライヴ映え抜群。ダイナミクスを効かせた演奏で各曲のテイストをしっかりと表現するのもさすがのひと言。エモーショナルなヴォーカルと演奏力の高いバンドならではの良質なサウンドで楽しませてくれた。

 3曲聴かせたところで、YUTARO(Vo)のMCが入った。“今日は『DETERMINATION FEST.』に遊びに来てくれて、本当にありがとうございます。今日出てくれた23バンドには本当に感謝の言葉しかありません。観てくれたら分かると思うけど、適当に集めた23バンドじゃないので。俺たちが決意を持って、これから一緒に歩んでいきたい23バンドなので。俺たち含めて24バンド、これからもライヴハウスだったり、バンドっていいなと思えるような一瞬一瞬を作っていくので、今日が始まりです。みんな、超楽しくなって帰ってください”。

彼の言葉に客席からアツい拍手が湧き起こると、“ここから飛ばしていくぜ!”というYUTAROの言葉でライヴ後半が幕を開けた。刺々しさを放つアップテンポの「Lycoris Radiate」と「005」を怒涛の勢いでプレイ。客席に煽りを入れながらパワフルな歌声を聴かせるYUTARO。フィジカルなステージングとシュアなギターワークのマッチングが魅力的なShunsuke。クールな表情で重厚なグルーブを紡いでいく、やましぃ。強い存在感を発しつつ肉感的なドラミングを展開するYusuke。4つの個性がひとつになって生まれる独自のケミストリーもVELDEの大きな魅力と言える。

 オーディエンスのボルテージが加速度的に高まっていく中、ラストソングとして「Answers」が演奏された。疾走感にあふれた歌中と合唱をフィーチャーし、スケールの大きいセクションのコントラストを打ち出した同曲はドラマチックで、気持ちを駆り立てられずにいられない。場内はイベントの締め括りに相応しいアツい盛り上がりを見せ、心地良い余韻を残してVELDEはステージから去っていった。

 “パンデミックが起こったことで、バンドという文化は衰退していく”という声を耳にすることもあるが、『DETERMINATION FEST.』を体感して、それが戯言だということを実感できた。レベルの高いバンドが多く、大勢のリスナーが集まってライヴを心の底から楽しんでいる姿に触れることができたからだ。そして、『響都』プロジェクトが目指したとおり、今回のイベントで“いい出会い”があった人は多かったに違いない。同イベントを主催したVELDEと『響都』プロジェクトの双方に大きな拍手を贈るとともに、今後の彼らの活動にも大いに期待したい。

撮影:MIKAGE/取材:村上孝之


セットリスト

  1. 1.Run away
  2. 2.Take me back
  3. 3.Here I am
  4. 4.Rain man
  5. 5.Lycoris Radiate
  6. 6.oo5
  7. 7.Answers
VELDE プロフィール

2014年、都内で結成。90年代〜00年代のロック、グランジ、エモ、エレクトロニカなど、メンバーそれぞれが影響を受けたサウンドを詰め込み、暴力的なギターリフからスケール感の広いシンセサウンドまで様々な楽曲の要素を内省的なリリック、表現力豊かな力強いボーカルがまとめあげる。圧倒的なライブの世界観で新感覚を生み出す。オフィシャルHP

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