【スターダスト☆レビュー
インタビュー】
ビッグバンドアレンジで
予期せぬ化学反応が起きた
全編ストーリー仕立ての
ライヴはスタ☆レビ史上初
同時発売される映像作品『スターダスト☆レビュー 40TH ANNIVERSARY年中模索 ~しばらくは、コール&ノーレスポンスで~』についても観どころを教えてください。
これは2021年1月から回った102公演のツアーの99公演目、カルッツかわさきでのライヴの模様を収録した作品です。この頃はコロナ禍でお客さんもライヴ中に声が出せない状況なので、あえてお芝居仕立てにして、ゆっくり観てもらう構成になっているんです。いきなりオープニングから“西暦3000年に地球はボーダーという謎の惑星に侵略されて、人々は声が出せなくなってしまった”という『STAR WARS』のような設定がスクリーンに映し出されてコンサートが始まるんですね。地球を支配するダース・ボーダーから自由を取り戻すために、お客さんと一緒に戦いに挑むっていう。全編ストーリー仕立てなのはスタ☆レビの歴史上で初めてなので、非常に価値があるものになったと思います。
根本さんの台詞の多さにもびっくりです。
あははは。ただ、僕らはお芝居を本気でやれるようなバンドではないので、日常会話を芝居風にしてみたんです。メンバーにはストーリーだけ伝えて、そこから外れなければ台詞は毎日変わってもいいし。だから、飽きずにできたんでしょうね。“コール&レスポンスはライヴの肝だけど、それは声だけじゃないはず”ということを改めて考えて…“レスポンスの仕方は工夫すればいろいろあるはずだ!”ってね。
アルバム『年中模索』(2020年7月発表)の新曲が敵と戦うアイテムで拍手が決め手になるという構成も楽しいですよね。
普通は新曲ってお客さんも聴き慣れていないから、セットリストのどこに組み込むかがポイントになるけど、あえて“新曲を探す”という前提で構成してあるので、お客さんもワクワクして探してくれましたね。それも含めて、最初からストーリーは冒険モノにしようと思っていました。そして、その中に停電する場面を作りたかったんです。会場が突然真っ暗になって、お客さんのスマホのライトでステージを照らしてもらう。みんなライヴではよくやっているけど、スタ☆レビはもっと自然な流れで作りたかったんです。強制するのは嫌だったから、ライトを照らしたくなるような物語の流れにしようって。
客席は乗務員という設定ですしね。
そうです! 実は反省点もあって。「トワイライト・アヴェニュー」っていう曲で振ってもらったんだけど、誤算だったのはスマホを持っているから拍手できないんですよ(笑)。片手が塞がっているからね。でも、お客さんもすごく楽しそうだったし、僕らもきれいな景色を見せてもらいました。
「還暦少年」という曲がありますが、歌って、ギターソロも弾く根本さんはまさに年齢を感じさせないというか。メロディーも歌もギターのフレーズもスキルがあって、なおかつ瑞々しいですよね。
ありがとうございます。正直言えば、歌に関してはこの10年ぐらいでやっと歌えるようになってきたと思っているんですよ。もちろん、まだ模索中だけど。ただギターはなかなかうまくならないですね。それでも歌とギターのどっちが好きかってなったら僕は9割、ギターのために音楽やってる気がします。おそらく歌は聴いてくれる人がいなくなったら辞めると思うけど、ギターは絶対に辞めない。もっとうまくなりたいとずっと思っている。だから、歌は人に聴いてもらうためにもっとうまくなろうって思えるし、それなりに成長したと思うけど、ギターはそこまで達観できてないですね。
今もそんなふうに思ってらっしゃるなんて意外です。
僕らは地元の熊谷の友達同士で組んだバンドなんです。お互い下手だって知っていたんです。だから、工夫に工夫をこらして、練習に練習を重ねてきて、今もずっとそう。もうちょっとうまくなりたいって思うんです。だからこそ、もうちょっと成長した来年のスタ☆レビを楽しみにしていられるんでしょうね。
では、2024年まで続くロングツアーはどんな内容になりそうですか?
実は先日HPで発表したのですが、パーカッションのボー林が喉頭癌の診断を受けて、ツアーを半年休むことになったんです。なので、しばらくはスタ☆レビは彼抜きでツアーをやります。そのためにいろんなアイデアを散りばめて、おそらくあいつがいる以上にあいつをイジるライヴになると思います(笑)。普通は半年休むとツアーも終わるけど、僕らは足かけ3年(笑)。あいつも余裕で戻ってくるでしょう。スタ☆レビはライヴがやりたくて組んだバンドですからね。今回も全国津々浦々行きますよ。基本的には冒頭お話したように、曲は日替わりでその街でしかできないような選曲でお届けする予定です。そして、なんと『ブギウギ ワンダー☆レビュー』はビッグバンド編成でレコーディングしたアルバムであるにもかかわらず、ホーンセクションは連れて行かないんです(笑)。でも、そこはスタ☆レビ、数々の工夫を凝らして、新旧取り揃えて楽しんでもらえる内容になると思います。
40年間のスターダスト☆レビューを?
そうです。サウンド的にも時代的にも。40年間のトークもあるかもしれない。僕らが作った音楽をいろいろなかたちで味わってもらう“ブギウギ ワンダー☆レビュー”と題したショーですからね。
取材:山本弘子
ミニアルバム
『ブギウギ ワンダー☆レビュー』Maki
ng
関連ニュース