加藤和樹

加藤和樹

【加藤和樹 インタビュー】
集大成とこれからを提示した
ライヴ映像作品
&ミニアルバムを同時リリース

これだけアップテンポの曲がない
作品はなかなかない

配信リリースではカバーに挑戦していましたが、今回のミニアルバム『Nostalgia BOX』は「また明日」も含め全曲オリジナル曲で。タイトルに相応しいコンセプチュアルな作品になっていますね。

このアルバムを作る時に、まず“ノスタルジー”というコンセプトが最初に決まって、そこからテーマに合うような楽曲を集めて選曲して作っていきました。

リード曲でもある「ノスタルジックオレンジ」は《帰る場所ならいつもここにあるよ》という歌詞が印象的で、聴く人それぞれの故郷を感じさせるような温かみのあるメロディアスなナンバーですね。

歌詞の内容も含めて今作に一番ぴったりな楽曲だったので、リード曲はこれしかないと。僕自身も地元に対して思うことがあったりして…。歌っていて風景が見える歌詞だと感じながら、歌詞の世界観に没入して歌いました。

ご自身が作詞された「Still Alive」はエモーショルなナンバーですね。

歌っていても自分の想いが勝手にどんどんあふれてくる曲で。これは全体的に言えることなのですが、今ってなかなか地元に帰れなかったり、人に会えなかったり、悲しい別れがあったり…そうしたことがある世の中でもあるので、それを念頭に置きながら作っていったんです。だからこそ、悲しみはいつまでも引きずるのではなくて、大事な人との思い出とともに生きていくという強い想いを込めて、前向きな歌詞を書きました。僕は幼い子供や母親、両親をイメージして歌詞を書いたんですけど、恋人だったり、親友だったり、聴く人によって思い浮かぶ人物像は変わるんじゃないかと思いますね。

フォークソング調のピアノ曲「もしも」はサビのリフレインが印象的でした。

“もしも”という言葉は誰しもが一度は使ったことがある言葉だと思いますが、僕は自分が“もしも”と言わないようになるためにどうすればいいのかを導いてくれる楽曲だと思っているんです。なので、サビの《もしも》のリフレインにも、ひとつずつに違う意味を込めて歌いました。例えば、会いたい人に会うとか、大切な人に言葉を伝えるとか。そういう後悔しない生き方をするための一曲ですね。

「wishing your happiness」は男女の恋愛を描いた王道のラブソングですが、ご自身が歌詞で描きたかったことは?

全部が全部じゃないですけど、歌詞に自分の実体験を入れることで、よりリアルに伝わるというのは作詞の手法のひとつでもあると思うんです。僕は好きな人の幸せを願うタイプなので、好きな人が自分と違う方向を向いている時は、見守る愛もあると。そんなひとつの愛のかたちを描いています。

「Vintage」は加藤さんの強い想いが込められた等身大の曲のように感じました。

選曲の時、絶対に歌いたいと思った楽曲のひとつでした。僕は“年齢を重ねれば重ねるほど素敵だね”と言われるような生き方をしたいと思っているので、年を重ねることに後ろ向きにならなくていいメッセージが、この楽曲には込められています。その時その時にしか出せない輝きがあるし、年を重ねることを楽しむ自分でいたいんですよね。この曲を聴いて、年齢を重ねることも悪くないと思ってもらえれば嬉しいです。

そして、ラストは15周年記念ライヴでも披露された「また明日」を新たなアレンジで聴くことができますね。加藤さんの《「おやすみ」》という台詞で締め括られつつ、またここから1曲目にもシンクロするような楽曲ですね。

本当にこの作品をループして聴いていただきたいですね(笑)。もともと“おやすみ”ソングを作りたいという発想から生まれた曲なんですよ。一日の終わりに聴いて、“明日も頑張ろう!”って思えるような。なので、そんな楽曲になればと思います。

今作は全体的にゆったりとした楽曲が並びつつも、一曲一曲に浸ることができて聴きごたえのある作品に仕上がっていますね。

これだけアップテンポの曲がない作品はなかなかないですけど、今回は自分でもいいミニアルバムになったと思っています。

同時リリースされるライヴ映像作品の特典では、昨年の15周年ライヴGIGツアーファイナル公演やインタビューも収録されるなど、ボリューミーな内容になっているので、このミニアルバムや10月からのツアーも含め、まさに実りの秋に相応しい充実のラインナップですね。

年末まで楽しんでもらえるんじゃないかと思います(笑)。15周年の集大成としていろいろとやらせていただきましたが、その勢いのまま20周年に向けて良いスタートが切れたので、これからも新たな音楽を届けられるように頑張っていきたいと思っています。まずはミニアルバムとライヴ映像、そしてツアーを楽しんでいただきたいですね。

取材:齊藤 恵

ミニアルバム『Nostalgia BOX』2022年10月19日発売 Imperial Records
    • 【TYPE-A】(CD+DVD)
    • TECI-1760
    • ¥3,000(税込)
    •  
    • 【TYPE-B】(CD+DVD)
    • TECI-1761
    • ¥3,000(税込)
Blu-ray&DVD『Kazuki Kato 15th Anniversary Special Live ~fun-filled day~』2022年10月19日発売 Imperial Records
    • 【Blu-ray】
    • TEXI-99061〜2
    • ¥9,900(税込)
    •  
    • 【DVD】
    • TEBI-82683〜4
    • ¥8,250(税込)

ライヴ情報

『Kazuki Kato concert Tour 2022 ~nostalgia~』
10/22(土) 大阪・心斎橋 JANUS
【昼公演】開場14:30/開演15:00
【夜公演】開場18:00/開演18:30
10/23(日) 愛知・名古屋 ボトムライン
【昼公演】開場14:30/開演15:00
【夜公演】開場18:00/開演18:30
10/25(火) 福岡・スカラエスパシオ
開場 17:30/開演 18:00
10/29(土) 東京・渋谷 PLEASURE PLEASURE
【昼公演】開場14:30/開演15:00
【夜公演】開場18:00/開演18:30
10/30(日) 東京・渋谷 PLEASURE PLEASURE
【昼公演】開場14:30/開演15:00
【夜公演】開場18:00/開演18:30

『LIVE in the DARK w/加藤和樹』
11/09(水) 東京・コニカミノルタプラネタリウム天空 in東京スカイツリータウン(R)
【1st Stage】開場 17:30/開演 18:00
【2nd Stage】開場 19:30/開演 20:00
11/10(木) 東京・コニカミノルタプラネタリウム天空 in東京スカイツリータウン(R)
【1st Stage】開場 17:30/開演 18:00
【2nd Stage】開場 19:30/開演 20:00

加藤和樹 プロフィール

カトウカズキ:2005年にミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴び、06年4月にミニアルバム『Rough Diamond』でCDデビュー。その後、コンスタントにCDリリースや日本武道館をはじめ、日比谷野外音楽堂など単独公演や全国ライヴツアーを開催。また、09年からは韓国、台湾、中国でもCDデビューを果たし、上海や北京、韓国でもライヴを行ない雑誌の表紙などを飾るなど海外にも活動の場を広げている。現在は歌手・俳優はもちろん、声優としても活躍中で、10代~60代のファンを持つと各界が注目をしている。加藤和樹 オフィシャルHP

「ノスタルジックオレンジ」MV

ミニアルバム『Nostalgia BOX』Digest

OKMusic編集部

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