Editor's Talk Session

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【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
老舗ライヴハウスが
YouTubeを使った施策に挑戦

ライヴハウスがしていることや
情報は全然広がっていかない

岩田
いい話ですね。そんな第2回の冒頭で3人が“この番組、1回だけだと思っていたよ”と話されていましたが、スタッフ側としてはもともと続ける予定だったんですよね?
植島
そうですね(笑)。まず、コータローさんの出演が決まった時点で続ける予定でいました。しかも、思っていた以上に1回目が面白い番組になったことはもちろん、視聴者のみなさんからとても大きな評判をいただけたこと、さらに音楽業界の方々やアーティストからも“観ましたよ! 面白いですね!”という声がいただけたので、“これだったらやれるかも”とスタッフ側としても自信を持てたことが大きかったです。出演するメンバーを毎回変えようかという案も初めはありましたが、“この3人のままが面白くていい!”ということになりました(笑)。
千々和
最近の3人の会話が食べ物とお酒と健康管理なところも味があって面白いですよね(笑)。
岩田
第3回目では外ロケもされているので気になったのが、撮影スタッフや機材などはどのようにされているんですか?
植島
収録用の機材は渋谷クアトロが所有しているものを使っています。音響もクアトロのスタッフが小さな音響用のミキサーを持参していて。その他、当日の撮影ディレクションや編集に関しては、長年お付き合いのある外部の方に対応してもらっていますね。長く番組やチャンネルを続けたい気持ちと、長年続くライヴハウスであるクアトロとして立ち上げたYouTubeチャンネルだからこそ、しっかりとしたコンテンツを作りたいという想いからそのような運営をしています。まだまだ収益につながるチャンネルではないので、最低限のスタッフ数ではありますけど。
千々和
クアトロのチャンネルにアップされている動画の一覧を拝見すると、トーク番組の人選が不思議だと思いました。ムーンライダーズの鈴木慶一さんとスカートの澤部 渡さんによる『倶楽部クアトロ 〜QUATTRO CROSS TALK〜』は、アーティスト目線での渋谷がテーマになっているような内容で面白かったです。
植島
“SPEAKEASY”は“隠れ酒場”という意味なので、楽屋トークのような作りが面白いのですが、『SPEAKEASY QUATTRO』を配信することになったあとに、きっちりとしたトーク番組も作りたいという提案から『倶楽部クアトロ 〜QUATTRO CROSS TALK〜』が始まりました。企画出しの段階で聞き聴き役として誰がいいかを話し合って澤部さんにお声がけをしたんです。クアトロにバンドで出演もしていただいていますし、澤部さんも交友関係の幅が広い方で、さらに映画などのカルチャーにも詳しいんですよね。鈴木慶一さんは澤部さんの交友関係からご出演いただくことになりました。
千々和
あと、一番人選が不思議で異色なのが『ソラミミスト安齋肇&漫画家しりあがり寿がYOUTUBEをはじめました。』でした。
植島
そうですよね(笑)。こちらの番組は他の番組とは別のクアトロのスタッフが立ち上げたものですが、渋谷の魅力のひとつであるサブカルチャーにも焦点を当てた番組が欲しいとパルコ側の意見もあって生まれました。
千々和
番組内でレーベルを設立するというしっかりとした題材があるのに、一番緩いトーク番組というのも斬新で(笑)。安齋さんもしりあがりさんもミュージシャンではないからこそ生まれる雰囲気があるなと。
植島
できるところから番組制作をやっているので、そういう面白い番組がどんどん生まれるように頑張りたいと思います。個人的にはなりますが、チャンネルのコンテンツが少しずつかたちになってはきていますけど、一覧で見た時に出演者の年齢層が高めじゃないですか。そこは老舗のライヴハウスならではありますが、若手バンドなどが出演する番組も増やしていきたいとは思っています。渋谷クアトロは来年で35周年なので、その歴史を大切にしながらも幅広い世代に楽しんでいただけるコンテンツを作れたらなと。
千々和
現状のYouTubeでの番組はクアトロに行き慣れた方や年齢層の高い方が観ているかもしれませんね。でも、ライヴハウス自体は若手からベテランまで多くのアーティストがライヴをするので、会場に来る年齢層は幅広いと思います。お客さんとして若い方も会場に足を運んでいるからこそ、徐々にYouTubeにもつながっていくとは思いますが。
植島
若い方に人気のバンドに番組出演してもらうとかでもいいですしね。チャンネル運営をやってみて分かったのは、クアトロはライヴハウスとしてのプロモーション力が弱くなってきているということで…。ありがたいことにブッキングはたくさん決まっていて、各アーティストさんやイベンターさんたちがライヴの告知をしてくれることで、クアトロ自体の名前はSNS等で広がるんですけど、ライヴハウスがこういうことをしているという情報は全然広がっていかないんですよ。そこは悩みのひとつで、他のライヴハウスさんも一緒ではないかと思います。
千々和
ライヴハウスの色って通わないと分からないですからね。今は時間をかけてクラブクアトロの魅力を知ったお客さんがYouTubeも観ているパターンが多いと思うので、クラブクアトロが最初にYouTubeを通してかかわる層がそういった方々というのは“らしさ”のひとつなんじゃないかと思います。

OKMusic編集部

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