大平晋也氏(左)とサイバーコネクトツー松山洋氏

大平晋也氏(左)とサイバーコネクトツー松山洋氏

鬼才アニメーター大平晋也の作り方 
「AKIRA」、宮崎駿作品、これからの
仕事

大平晋也氏(左)とサイバーコネクトツー松山洋氏 徳島市周辺で開催中の複合型イベント「マチ★アソビ Vol.25」にて、10月16日、トークショー「アニメーター大平晋也トークイベント!-全仕事を振り返る-」が開催された。
 大平氏は、「紅の豚」「風立ちぬ」など宮崎駿監督作品をはじめ、多くの作品で原画を手がけるアニメーター。サイバーコネクトツーの松山洋氏が聞き手となり、これまでの仕事が振り返られた。
 愛知県出身の大平氏は高校時代に美術部でアニメ制作を体験し、卒業後にぴえろに所属。当時、原画は動画職を3年経験してからと言われているなか、約半年で原画の仕事をはじめるようになるが8カ月でぴえろを離れ、以後はフリーとしてさまざまな作品に関わるようになる。
 「AKIRA」に凄腕のアニメーターが参加していると聞き、大友克洋監督に直談判して20代前半で参加したこと、宮崎監督の作品に参加するときは監督からレイアウト用紙に鉛筆で書いた依頼の手紙をもらうことなど、参加した作品のエピソードが松山氏の巧みなMCで引きだされた。ちなみに、大平氏と松山氏が知り合ったのは、サイバーコネクトツーが制作した「アスラズ ラース」(2012年カプコンから発売)のダウンロードコンテンツとして発売された幕間のアニメ映像を大平氏が手がけたことがきっかけで、アニメ制作はSTUDIO4℃が担当。当時のSTUDIO4℃制作担当者は、現在MAPPA代表の大塚学氏だったそうだ。
 アニメーターは、絵コンテやキャラクター設定にあわせて描くのが常で、大平氏の特徴的な絵柄、ときに色鉛筆やクレヨンで描いてそのまま画面に出す実験的な作風、話数やシーン丸ごとを自身の作風で染め上げてしまうスタイルは、通常の原画マンとは大きく異なる。これは、大平氏が駆け出しの頃に参加したOVAにはテレビシリーズよりも縛りがなく、特殊な仕事ができたことが大きかったのだという。時には変える相談をする前に描いてしまうこともあったそうで、そうしないとアニメーターの個性はなかなか出せませんからと大平氏は朗らかに笑っていた。
 大平氏はここ数年、クレジットに名前がのる作品がないが、長い時間をかけて複数の未発表作品の原画に関わってきたそうで、今後も大作への参加などが控えているとのこと。松山氏のサイバーコネクトツーと仕事をする話ももちあがっていると明かされ、同社でシネマティック(作中ムービー)を担当するCGクリエイターに大平氏が手描きアニメの技術を伝授することなどが検討されているそうだ。

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