MASH A&R presents『Treasure Tour』
出演3バンド予習コラム Vol.3 〜P
anorama Panama Town編〜

Panorama Panama Town、YAJICO GIRL、ユレニワによるスプリットツアー『MASH A&R presents「Treasure Tour」』が10月14日からスタートする。3組で全国をまわりつつ各地に対バンを迎える形式で、名古屋、新潟、大阪、岡山、福岡、東京の計6公演。ツアーファイナルは11月11日、東京・Spotify O-Crestで行われる。SPICEでは同ツアーの開催を記念し、主催3バンドの紹介記事を掲載する。
この記事ではPanorama Panama Townにフォーカス。2013年に神戸大学の軽音楽部で結成されたバンドで、2015年の「MASH FIGHT! Vol.4」でグランプリを獲得。メンバーは岩渕想太(Vo&Gt)、浪越康平(Gt)、タノアキヒコ(Ba)の3名で、現在はサポートドラマーを入れた4ピース編成でライブを行っている。
当初は疾走感のあるロックサウンドと鋭いラップを融合させたスタイルが基本形で、音数や言葉数を増やし、溢れんばかりの情報を突きつけることで“攻め”の姿勢を表現していたが、その後シンセや打ち込みを取り入れるなどの変遷を経て、2021年4月リリース、石毛輝the telephones, Yap!!!)プロデュースのEP『Rolling』でザ・ストロークスなどに影響を受けたガレージロックに回帰。しかし趣味を反映した“○○っぽいサウンド”を鳴らすだけに留まらず、自分たちが今この時代でやることに意味のある表現の模索を怠らないバンドであり、現時点での最新作=2021年11月リリースのミニアルバム『Faces』では、最新の洋楽チャートの傾向もインプットしつつ、リフやシンプルなコード進行を主体とした複雑すぎないバンドサウンドを如何に面白く聴かせるかという挑戦に乗り出している。
バンドのYouTubeチャンネルにアップされているライブ映像が複数アップされているため、ライブの雰囲気を知るにはそれらを観るのがいいだろう。予習におすすめの1曲としては『Faces』収録の「Strange Days」を紹介したい。フックとなるフレーズをいくつ作れたかで勝負するのではなく、1曲を通じてどのようなイメージを描いていくかという部分に重きを置き、構想を練る現在のバンドの姿はこの曲にも表れている。同じコード進行をずっとループしつつ、最終的には開けていくこの爽快感はぜひ生で体感したい。
かつての彼らは、自分の心情を歌った曲でもリスナー一人ひとりにとってリアルなテーマを歌った曲として受け取ってもらえるよう、意識しながら楽曲を制作していた印象があるが、そういった意識から解放された今のPanorama Panama Townは、濃くて尖ったコミュニティを形成しつつある。その濃さがライブの場でどう爆発するのか、ぜひ目撃してほしい。

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