八木海莉 瑞々しく凛とした歌声で注
目を集める20歳の才能、これまでのキ
ャリアとデビュー後の歩み

八木海莉が、2022年2月11日(土)、12日(日)・日本橋三井ホールでワンマンライブ『poly dam』を開催する。

今年の夏に3ヵ月連続で新曲(「僕らの永夜」「君への戦」「刺激による彼ら」)をリリースし、9月には初の有観客ワンマンライブ『八木海莉 First One-Man Live -19・20-』を渋谷・DUO MUSIC EXCHANGEで開催。瑞々しく、凛とした歌声によって注目を集める八木海莉のこれまでのキャリアと、メジャーデビュー以降の活動、そして、ワンマンライブ『poly dam』への展望を、彼女の言葉を交えながら紹介しよう。

彼女が最初に注目を集めたきっかけは、TVアニメ『Vivy -Fluorite Eye’ s Song-』の主人公・ヴィヴィの歌唱に抜擢されたこと。昨年12月に初のオリジナル楽曲「Ripe Aster」でメジャーデビューを果たし、2022年4月に全曲の作詞・作曲を手がけた1st EP『水気を謳う』をリリースするなど、徐々に存在感を強めてきた八木海莉。今年9月に20歳になったばかりのアーティスト/シンガーソングライターだ。
2002年生まれ、広島出身の彼女のスタート地点は、小学校のときに通っていた地元のダンススクール。オーディションで西野カナの楽曲を歌ったことをきっかけに、歌って踊れるアーティストになるという目標を持ったという。ボイトレとオーディションを重ねた中学時代を終えると、夢をえるために単身上京。コロナ禍でライブができない時期は、YouTubeにカバー動画(「だから僕は音楽を辞めた」(ヨルシカ)、「クロノスタシス」(きのこ帝国)、「フロントメモリーfeat.川本真琴」(神聖かまってちゃん)など)をアップし、アーティストとしての基礎を自力で得ながら、ファンの拡大を続けてきた。そんな彼女に訪れた最初のチャンスが、前述したTVアニメ『Vivy -Fluorite Eye’ s Song-』の主人公・ヴィヴィの歌唱だったというわけだ。
今年の夏には、3ヵ月連続で新曲「僕らの永夜」「君への戦」「刺激による彼ら」をリリース。「EP(『水気を謳う』)の収録曲は全部自分で作ったので、次はいろんな方と一緒に作ってみよう」というコンセプトのもと、ホリエアツシストレイテナー/ent)、ポップしなないでNAOTOORANGE RANGE)とのコラボが実現した。
6月に配信された「僕らの永夜」は、作詞:八木海莉、作曲:ホリエアツシ、編曲:江口亮)、八木が以前からリスペクトしていたというホリエアツシが作曲を手がけた叙情的なロックチューン。
「ホリエさんには“entのこういう感じの曲がいいです”とお願いしたんですよ、じつは。その理想を超えてくるようなすごくカッコいい曲で……嬉しかったです。 歌詞のテーマは現実逃避。EPを出したあと、こうしたほうがよかった、次はこうしたい、みたいなことが生まれてきて、できること、できないことがいろいろ見えてきたんですよ。それを整理できず、グチャグチャになっていたんですよね。作詞から逃げ出しそうになっていたんですけど、最後の4行は納得しているので、よかったかなと。終わりよければすべてよし、です(笑)」
続く「君への戦」(作詞:八木海莉、作曲:かわむら、編曲:ポップしなないで)は、八木海莉のポップサイドを鮮やかに映し出したナンバー。妄想から生まれた(?)歌詞も魅力的だ。
「普段は自分のことばっかり書いているんですけど、この曲を聴いたときに、恋愛の歌詞にしようと思って。その時に読んでいた本からも影響を受けてますね。ラブソングって、そんなに書いてなかったんですよ。自分の(恋愛の)経験は書けないというか、“わかんない”って感じなので(笑)、「君への戦」みたいな曲ができてよかったです。ライブでもみなさん盛り上がってくれて。ファンの方の反応もいいし、気に入ってもらえてるみたいです」
「刺激による彼ら」ジャケット
そして「刺激による彼ら」(作詞:八木海莉、作曲:八木海莉、編曲:NAOTO (ORANGE RANGE/delofamilia)は、和的なエキゾチズムを感じさせるエレクトロ・チューン。原曲は彼女が17歳の頃に書かれたという。
「曲を書き始めてから、最初のほうにできた曲なんです。高校の卒業が近づいてきた頃だったんですけど、刺激が足りないなと思って。曲作りも始めて、いろいろやっていたんですけど、“今日は何もやれなかった”みたいな日もあったんですよね。達成感がないというか、“こんな1日を送っちゃダメだ”みたいな。“刺激的であれ”という気持ちで書いたのが、「刺激による彼ら」です。その曲を久々に引っ張りだして、整理して。NAOTOさんにアレンジをお願いしたらガラッと変わって、すごくポップな曲になりましたね」
「僕らの永夜」ジャケット
9月には初の有観客ワンマンライブ『八木海莉 First One-Man Live -19・20-』(渋谷・duo MUSIC EXCHANGE)を開催。19歳最後の日(9月4日)、20歳の誕生日(9月5日)に行なわれたライブは、彼女自身にとっても鮮烈な体験となっているようだ。
「味わえるものは全部味わえたし、あっという間でしたね。1日目はめちゃくちゃ緊張していて。2曲目までは声が震えていたので、“落ち着け、落ち着け”と言い聞かせてました(笑)。バンドのみなさんと一緒に歌うこと自体、『Vivy』のイベントくらいで、ほとんど経験したことがなかったんですよ。(リハーサルのとき)最初は“ドラムの音が大きい”と思ったり(笑)。新鮮でしたけど、環境に慣れるだけで精一杯でしたね」
「君への戦」ジャケット
そして2023年2月11日(土)、12日(日)には日本橋三井ホールでワンマンライブ『poly dam』が決定。メジャーデビューから1年が経ち、アーティストとして表現の幅を広げている八木海莉。来年2月のライブでは、さらに進化したパフォーマンスを見せてくれるはずだ。
「9月の初ワンマンでは、“次も来たい”と思ってもらいたい、自分の世界観を知ってほしい、という思いで臨みましたが、2月のライブは2回目のワンマンライブですし、成長した姿を見てもらいたいなと思っています。具体的なことはまだぜんぜん決まってないんですけど(笑)、9月のワンマンで“こんな曲が必要だな”と感じたりもしたので、制作も続けながら、みなさんに楽しんでもらえるライブにしたいですね。グッズを作るのも楽しみなんですよ。普段使いできるグッズを用意しようと思っているので、ぜひチェックしてみてください!」

取材・文=森朋之

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