SHISHAMO、クリープ、サウシー、フレ
デリックら7組が熱演、FM802主催イン
ドアイベント『HIGH! HIGH! HIGH!』
が今年も開催

『ROCK KIDS 802 -OCHIKEN Goes ON!!- SPECIAL LIVE HIGH!HIGH!HIGH! supported by ナカバヤシ』2022.9.25(SUN)大阪城ホール
9月25日(日)に大阪城ホールにて、ロックイベント『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-SPECIAL LIVE HIGH!HIGH!HIGH! supported by ナカバヤシ』が開催された。
同イベントは、大阪のラジオ局・FM802で毎週月曜日~木曜日の夜21時から、DJ落合健太郎が届ける生放送『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-』が主催するインドアロックイベント。番組スタート10周年を記念し、大阪城ホールでの開催が実現した今年は、クリープハイプSaucy DogSHISHAMOフレデリックヤバイTシャツ屋さん緑黄色社会、WurtSの番組ゆかりのアーティスト7組が熱演を繰り広げた。
FM802 DJ 落合健太郎
コロナ禍以降、最大動員数となる約1万2000人のお客さんが360度を埋め尽くす会場。まずは、大きな拍手に迎えられながら落合健太郎がステージへ。「すごい!まだ声は出せないけど…拍手で想いは伝わってきます!」と、10周年アニバーサリーを祝した「HIGH! HIGH! HIGH!」のリズムに合わせた手拍子もバッチリ決まって楽しむ準備は万端だ。
会場にはライブ以外にもお楽しみがいっぱい。スマホでアーティストに直筆メッセージを届けることができる「Logical Air文字魂Project」企画も実施され、特設ブースでは、アーティストからの直筆メッセージも見ることができる。さらに会場内レストランでは、「ヤバい照り焼きチキン丼」や「緑黄色サラダ」など、出演者にちなんだ番組考案のこの日だけのスペシャルメニューも用意された。
■フレデリック
フレデリック
落合健太郎に「昨年のリベンジ!」と紹介されたのは、昨年体調不良により出演キャンセルとなったフレデリックだ。「ただリベンジしにきただけじゃない!ここにいる全員をフレデリックのファンにして帰ります!」と三原健司(Vo.Gt)が高らかに宣言した1曲目の「オンリーワンダー」のキレキレの演奏から、このステージに向けた半端ない気合が伝わってくる。
フレデリック
フレデリック
続く「YONA YONA DANCE」では、三原康司(Ba)、高橋武(Dr)のダンサブルなビートが大阪城を揺らし、「KITAKU BEATS」へと続く神セトリで踊り続けるアリーナはディスコ状態に。MCでは、FM802がはじめてバンドの曲をかけてくれた日から今まで10年続く同局との想い出を語る場面も。そんな現在地を確かめるように披露された初期の名曲「峠の幽霊」では、健司の弾き語りからしっとりと魅了した。
フレデリック
緩急も見事なステージを締めくくるのはもちろんこの曲「オドループ」! 「トップバッターの記憶って薄れていくもんだけど…帰り道になんとなくフレデリックのこと思い出してくれたなら、一生ついて来てください!」健司の言葉に応えるように最大のハンドクラップが鳴り響き、赤頭隆児(Gt)のお立ち台でのギターソロも炸裂!確実にこの日の記憶に残る鮮烈なパフォーマンスで爪痕を残した。
■WurtS
WurtS
2番手は、作詞・作曲・編曲、アートワークや映像に至るまで、すべてをセルフプロデュースする新世代のソロアーティストWurtS(ワーツ)。おそらく、この日の出演者の中で、はじめてライブを観るお客さんが一番多かったのは彼だろう。打ち込みのビートとともにMVでもおなじみのウサギさん(DJ)が盛り上げ、サポートメンバーに続き、キャップを深くかぶったミステリアスな姿の本人が登場。物憂げなメロディーのダンスナンバー「Talking Box(Dirty Pop Remix)」へ続ける流れは、「どれだけ躍らせてくれる?」という会場の期待感に応えるかようなワクワクするオープニングだった。
WurtS
そこからは、打って変わって「ふたり計画」「僕の個人主義」のエモくダイナミックなサウンドを展開し、ラップを織り交ぜたエレクトロポップな「BOY MEETS GIRL」で緩める―そんな変幻自在なステージングは、自身の肩書を「研究者✕音楽家」と公言する彼の楽曲の振れ幅を感じさせた。ほぼMCはなく、キャップで顔は見えないがハンドマイクでフットワーク軽く煽る場面も。謎に包まれた存在でありながら、どこか懐かしさも感じる耳なじみの良いサウンドでジャンルやジェネレーションを越えていく。そんな彼の存在を強く印象付けたステージとなった。
■ヤバイTシャツ屋さん
ヤバイTシャツ屋さん
FM802・DJの板東さえか登場し、「準備はいい? ハイになっちゃいますか!?」と呼び込まれたのは、リハからフレデリックやSaucy Dogのカバーで盛り上げまくっていたヤバイTシャツ屋さん。こやまたくや(Vo.Gt)、しばたありぼぼ(Vo.Ba)もりもりもと(Dr)の3人は、登場するなり、360度囲む客席にはしゃいでいる。
ヤバイTシャツ屋さん
「あつまれ! パーティーピーポー」からのロケットスタートでテンション高く、こやまの「踊りなさい!」の指令に従い、拳をあげるオーディエンス。「無線LANばり便利」では、「座れ!」からの1万2000人によるジャンプで圧巻の景色を見せるなど、前半から楽しさの天井を更新し続けた。MCでは、「(ヤバTを)初めて観るよ!っていう人、うるさくてごめんね。ファンになった? CD買ってくれる? ライブ来てくれる?」こやまの圧強めのお願いもありつつ(笑)、「この夏、花火観てないからここで見たい!」と、ありぼぼが花火に見立てた客席ウェーブを懇願。
ヤバイTシャツ屋さん
大阪城ホールのスケールをしっかり満喫する3人だった。でも、これだけでは終わらないのがヤバT。ラストソングの「かわE」では、ステージ後方のお客さんに見えるように、もりもとのドラムが一回転(人力)! 残り時間3分で超高速「Tank-top of the world」をつめこみ、曲中にカウントダウンしながら「もりもと~! 早すぎる!」と12秒残しでフィニッシュ! 1秒も無駄なく楽しませるという、ライブ筋力ムキムキの3人が去ったあとも、大阪城ホールはしばらくザワついていた。
ヤバイTシャツ屋さん
■Saucy Dog
Saucy Dog
石原慎也(Vo.Gt)、せとゆいか(Dr)、秋澤和貴(Ba)がひとりずつ登場し、3人がドラムの傍らに集まり拳を合わせるとSaucy Dogのステージがはじまる。「Be Yourself」のリリックビデオがライブ映像とともにモニターに映し出され、心の中で口ずさみながら歌詞の世界観に浸るオープニング。「Saucy Dogはじめます。よろしくです」と石原が声をかければ、どんな大きな会場でも、いつもと変わらない彼らの空気感がそこに生まれる。
Saucy Dog
伸びやかなヴォーカルがファルセットとともに会場後方まで届き、みんなの心をじんわりと満たしていくようすには貫禄も漂っていた。「FM802はコロナ禍を経て、バンドやライブを盛り上げてくれる存在です。今日もそんなふうに前進できる1日になればいいなと思います」と、MCで決意と感謝の想いを伝えたせと。そんな言葉通り、しっかりと歩みを進めるかようなサウンドを響かせた「BLUE」、太陽のようなオレンジの照明が包む中、未来を見つめる歌詞が爽快なナンバー「メトロノウム」で意志の強いバンドサウンドを響かせた。
Saucy Dog
「Saucy Dogは、あなたの隣に立って手を繋いで歩んでいける存在になりたい。あなたの大切な人を想い浮かべて聴いてください」と届けたラストソング「いつか」はやはり名曲。最後は「またみんなに会いに来ます。ありがとう!」感謝の言葉を何度も口にした3人の心がこもった演奏に胸をうたれた30分だった。
Saucy Dog
■緑黄色社会
緑黄色社会
先日、武道館2DAYS公演を終え、新たなるステージへと走り出した緑黄色社会。大きな拍手で迎えられたメンバーの鮮やかなグリーン&ブルーの衣装がステージに映える。ライブの幕開けを華々しく飾るナンバー「始まりの歌」では、圧倒的な声量を誇る長屋春子(Vo.Gt)と小林壱誓(Gt)のツインボーカルがパワフルに大阪城ホールを包み込み、現在のバンドの勢いを感じさせる生命力漲るサウンドであっという間に広い会場をリョクシャ化!
緑黄色社会

緑黄色社会

「この贅沢な景色を楽しみながらやりたいと思います!」とキュートな笑顔を見せた長屋は、さらに「ラジオってすごいと思うの。ひとりぼっちの瞬間もそうじゃないと思える。離れてても近くに声が聴こえているようで」とラジオ愛を語り、「今日は前だけじゃなく360度!後ろにも(お客さんが)いてくれる頼もしさよ!」と興奮を抑えられないようす。会えなかった時間を埋めるように、全力で音楽を届けてくれる彼らに、大きく手が振られる。
緑黄色社会
緑黄色社会
「まだまだいくよ!!」とはじめた大ヒット曲「Mela!」では、peppe(key)のグリッサンドが狼煙となり、クライマックスへと加速。上手下手、後方席へも近づき、躍動感たっぷりに歌唱する長屋、小林壱誓と穴見真吾(Ba)のセッションなど圧巻のパフォーマンスに釘付けになった。最後は、リラクシンなムードと力強さが共存する「キャラクター」で存在感を見せつけ、あっという間の30分を締めくくった。
■クリープハイプ

クリープハイプ

昨年に続く出演となったクリープハイプ。尾崎世界観(Vo.Gt)、長谷川カオナシ(Ba、key)、小川幸慈(Gt)、小泉拓(Dr)がSEなしでゆっくりとステージに現れると、尾崎のアカペラから「ナイトオンザプラネット」へ静かにすべりこむ。シンプルなメロディーと言葉遊びが研ぎ澄まされたこの曲。プラネタリウムのような照明もキレイで、ライブで体験すると人肌のような温度が感じられて、なんでもない日常が愛おしくなる。
クリープハイプ
MCで尾崎は、先日参加した、東京・明治神宮野球場の「東京ヤクルトスワローズ✕横浜DeNAベイスターズ」戦の始球式を「夢のような経験だった」と振り返った。そして「今日は感動させる側だから死ぬ気でやります」と表現者としての想いを新たにする。続く「しょうもな」も「ラブホテル」も夏の終わり、すなわち今の季節に聴きたくなる選曲で、「夏のせいじゃなくて802のおかげです」という言葉にもグっときた。
クリープハイプ
そして、妖艶なイントロで会場がザワいた「キケンナアソビ」から、カオナシのセクシーなベースラインがたまらない「HE IS MINE」へ。例の部分については、「わかってると思うけど、無音のアレをお願いします」と尾崎。一番の爆音である“無音”が見事に決まったが、そろそろアレを叫びたい…。
クリープハイプ
そして、「新曲解禁はいつもFM802。大事な曲を預ける大事な場所です。今日はライブで聴いてほしい」と9月28日(水)発売された新曲「愛のネタバレ」も披露され、ファンは歓喜。最後は「栞」で、デビュー10周年の歩みとこれからを示し、鮮やかにトリへとつないだ。
クリープハイプ
■SHISHAMO
SHISHAMO
イベントを締めくくるのは、『HIGH!HIGH!HIGH!』初登場となるSHISHAMO。サウンドチェックから、タオルまわしリハーサルまで済ませた会場は、盛り上げる準備バッチリだ。ステージに宮崎朝子(Vo.Gt)、松岡彩(Ba)、吉川美冴貴(Dr)がスタンバイし、吉川のカウントのあと、1音目が鳴らされる瞬間はいつ見てもカッコイイ。ソリッドなギターの音色と大人っぽくなった宮崎の歌声が映える「ねぇ、」からライブがスタートした。
SHISHAMO
夏の定番となった「君と夏フェス」演奏後、グルっと会場を見渡しお客さんの多さに喜び、驚く3人。「最後まで残っていただいてありがとうございます!誰も残ってなかったらどうするって言ってたんだよね」(宮崎)「(お客さんが帰らないように)出入り口閉めといてもらおうってね」(松岡)とかわいいやり取りも。「FM802やオチケンさんには、わたしたちが高校生のころからお世話になっていて。今日はトリを任せてもらえて光栄です!初めましての方にも楽しんでもらえるように精一杯やります!」と感謝の気持ちとともに気合を入れ直し、アコギのストロークを響かせたのは「夏の恋人」。夏の夕焼けのような照明が青春の甘酸っぱさとせつなさを際立たせる。そして、後半戦を前にうれしいお知らせもあった。「11月から10周年イヤーに突入します。2023年3月4日(土)に大阪城ホールでワンマンやります! 今日はじめて観た人にもまたお会いできたら」
SHISHAMO
歌詞もグルーヴィーなロックサウンドも攻めモードな「狙うは君のど真ん中」でファイティングポーズを決めると、ハイライトとなった「明日も」では、歌詞がモニターに映し出された。今日会えたそれぞれのヒーローを想い出し、「また明日から頑張ろう!」と思える最強の応援ソング。いつもよりなんだか心に刺さる。最後は「恋する」で銀テが舞う中、来春に大阪城ホールでまた会えることを楽しみに、ステージを去った3人の姿はまさにヒーローのように逞しかった。
SHISHAMO
そして、ハッピーな余韻を残すステージに、落合健太郎が登場。「『HIGH!HIGH!HIGH!』は、この場で終わるわけではありません。今日、初めて観たアーティストも明日からのオンエアを聴いて、余韻を胸にライブを想い出してください。みなさん、音楽のバトンを受け取ってくれてありがとう。その受け取ったバトンを繋いでいきたいと思います。よい思い出を胸に明日からも頑張っていきましょう!」と集まったリスナーに感謝の言葉を伝え、会場全員で一本締め! 約7時間のライブは、終幕となった。
『ROCK KIDS 802 -OCHIKEN Goes ON!!- SPECIAL LIVE HIGH!HIGH!HIGH! supported by ナカバヤシ』
なお、この日のライブ音源は10月3日(月)~6日(木)のFM802『ROCK KIDS 802 -OCHIKEN Goes ON!!-』を
「HIGH!HIGH!HIGH! SPECIAL」とし一部オンエア。放送後1週間はradikoでタイムフリー配信されているので、ぜひチェックしてみてほしい。
取材・文=岡田あさみ 写真=オフィシャル提供

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