L→R 桜井 賢(Vo&Ba)、坂崎幸之助(AG&Par)、高見沢俊彦(EG)

L→R 桜井 賢(Vo&Ba)、坂崎幸之助(AG&Par)、高見沢俊彦(EG)

【THE ALFEE インタビュー】
THE ALFEEサウンドの
もうひとつの顔、
ハードロックをシングルでやってみた

新曲「星空のCeremony / Circle of Seasons」を聴かせていただいて正直言って驚いた。エレキギター全開のヘヴィメタルと呼んでいい「星空のCeremony」と、アコギながらそのざらついた音は容赦なくロックの「Circle of Seasons」。先達が相次いで引退を発表する中、デビュー50周年を間近に、そのサウンドはまったく衰えを知らないのである。改めて言う! THE ALFEE、すごい! THE ALFEE、恐るべし!

拓郎さんや加山さんに比べたら
僕らなんてまだまだひよっこ(笑)

ニューシングルのお話をうかがう前に。吉田拓郎さんが2022年を以て全ての音楽活動から引退、加山雄三さんがコンサート活動から引退と、今年はTHE ALFEEとも御縁のあるアーティストが相次いで表舞台を降りられますが、この引退をお三方はどのようにとらえていらっしゃるのでしょうか?

高見沢
加山さんは子供の頃からの憧れのアーティストでもありましたし、僕らがデビューしてからは、音楽番組などで共演させていただきました。ザ・ヤンチャーズというユニットでもご一緒させていただき、何度も同じステージに立たせていただきましたね。
坂崎
高見沢は肖像画まで描いてもらったよね。
高見沢
そうなんです。光栄なこと肖像画を描いてもらったことがありますね。ずっと背中を追いかけていた大先輩ですので、加山さんが出された結論に対しては全面的に支持をするしかないなと思っています。寂しいですけどね。ただ、アーティストをやめてしまうわけではないですから、そういうことを踏まえると、とても残念なことではありますけが、加山さんのご決断を支持したいと思いますし、 “お疲れさまでした”と言いたいです。

吉田拓郎さんに対してはいかがですか? 以前に本誌の企画でTHE ALFEEのキーパーソンとして吉田拓郎さんのお名前を挙げていらっしゃいましたが。

高見沢
拓郎さんは…今度こそ本当なんだろうなという決意を感じましたね。拓郎さんにも同じようにお世話になっていますし、一抹の寂しさというのはどうしても拭い去ることはできませんが、拓郎さんというのは音楽界のパイオニアだっただけに、日本の音楽の歴史を考える中でも重要なキーパーソンでもあり、あの方が歩いた道をみんなが歩いてきたわけですよね。切り開いた道と言ったらいいのかな? コンサートツアーを含めてね。だから、ちょっとショックはショックですけど…引退というご決断は支持しなければいけないなと思いました。受け止めるしかないんですよね。

坂崎さんはいかがですか? 

坂崎
加山さんに関しては、高見沢が言ったことと一緒ですよね。僕らがエレキやギターを好きになった頃にちょうど映画『エレキの若大将』があって。
高見沢
あれは衝撃的でした。
坂崎
日本中の誰もが憧れた大スターでしたからね。引退はそういう時代がきたという感じですかね。ご自身でああやって決めるのってつらいと思うんですよ。たぶん内心は。ですけど、そこはもちろん僕らは尊重するしかないし、ご自身で決めたことだったらそれを応援するしかないですよね。引退されたあとは趣味などを楽しんだり、ご自身のための時間を過ごしていただきたいと思います。拓郎さんは僕にとっては神様ですからね。THE ALFEEにとってもやさしく接してくださって、最終的に僕は『オールナイトニッポンGOLD』を一緒にやらせてもらったり、拓郎さんのジャケットの写真を撮ったり(※註:シングル「いくつになっても happy birthday」)、一緒にハワイの本を出したり(※註:『吉田拓郎のワイハーへ行こう!! I am happy・・・in Hawaii』)、本当に自分にとっては夢のような体験をたくさんさせていただいたので。ただ、本心を言うと、ライヴはまだ観たかったですね。でも、この決断をご自身で決めたことは拓郎さんらしいなってすごく思います。誰の意見じゃなく、自分が決めると。そこは吉田拓郎さんだなとファンとして思います。拓郎さんも社長をやったり、いろいろ叩かれたり褒められたり(笑)、大変な人生ではあったと思うので、お疲れ様でしたと。
坂崎
こういうコメントをすると何か湿っぽくなっちゃうけど、まだまだお元気ですしね(笑)。ライヴ活動をやめたということだけですから、たぶん他の仕事でご一緒できることもあるんじゃないかと期待しています。

桜井さんもお願いします。

桜井
おふたりともいろいろなことを乗り越えて続けていらっしゃって。特に加山さんなんて、本来あのお歳まで第一線でやるってことは普通は考えられないですよね。ですから、我々の活動も50年近いですけれども、加山さんに比べたら、まだまだひよっこだと思っていましたからね。ただ、加山さんが作ってこられた足跡というか、それはもう永遠のものであるし、今、現役を辞められるにしてもそこまでの歴史はしっかりと残されていると思います。もちろん拓郎さんについてもそう思っておりますし素晴らしい大先輩です。

ありがとうございます。それでは、「星空のCeremony / Circle of Seasons」の話に移りますが、吉田拓郎さん、加山雄三さんの引退とやや強引に結びつけると、今回のシングルは“THE ALFEEはまだまだ走り続けるのだろうなぁ”と思わせるに十分な両A面シングルではないかと思ったところです。まず、ハードロックな「星空のCeremony」からうかがいますが、非常にシャープで瑞々しい楽曲になりましたよね。

高見沢
ここのところ僕らとしてはシングルを多く出しているのですが、楽曲の傾向としては、バラードであったり、ミディアムテンポの楽曲が続いたので、THE ALFEEサウンドのもうひとつの顔であるハードロック、そこにコーラスを絡めた楽曲にしたいと思いました。その意図の下で作ったのがこれですね。シングルとして世の中にあまり出てこないような作品を出すのも面白いと思いまして。

“世の中にあまり出てこない”というのはまさしくそうだと思います。何でも最近のJ-POPはイントロをなるべく短くする傾向があるそうですが、「星空のCeremony」のイントロは約50秒です。

高見沢
これでも短いほうですよ(笑)。
坂崎&桜井
あははは。

(笑)。しかも、歌が始まりそうになって、そこからまたギターが鳴るという。

高見沢
そうそう(笑)。“歌が始まるのかなぁ”と思わせてね。
坂崎
フェイントです(笑)。でも、J-POPの人たちってバンドではないでしょ? バンドの人でもイントロないんですかね?

バンドでも短めになっていると聞きますね。

坂崎
あぁ…でも、僕らはギター好きだから、下手したら歌よりもギターに重点を置いているほうですからね。歌と同じくらいギターの演奏は必要ですよ。

ギターソロをスキップするリスナーもいるという話も何かで読みましたね。

高見沢
そういう話もありますね。ギターが聴こえてくるとそういうものはスキップしちゃうって。
坂崎
歌が聴きたいんでしょ?
高見沢
でも、坂崎が言ったとおり、僕らはギタリスト、ベーシストでもあって、楽器を弾いてバンドが出来上がっているグループですから、そこは譲れないというか。演奏、インストの部分。ことさらそこに重点を置いているわけではないですけど、自然にやったらそういうふうになりますね。

そういう意味では、今回はTHE ALFEEのエッジーな部分が出たというか。Aメロが始まってからも歌のバックでノイジーなギターが鳴り続けますね。

高見沢
あそこは普通だったらコードを弾くだけになっちゃうんですけど、そうじゃないのはないかなと思っていたら、ああなっちゃったという。もちろん歌のメロディーを邪魔しないようには弾いてますから、音はぶつかってはいないんですけどね。なかなかこういうことをやる人たちが他にいないだけなんで(笑)。

あと、これはギターではないですけれど、サビはメロディアスで桜井さんの素敵なお声が聴こえてくるものの、そのバックでは2バスがドコドコと鳴っていますね。これもあまりシングルではないことで。

高見沢
シングル楽曲ではないでしょうね。でも、この曲にはあえて2バスの要素を入れ込んじゃおうかなと。メタルですから(笑)。

そういう話を聞くと、冒頭で吉田拓郎さんや加山雄三さんの引退について話をうかがいましたが、THE ALFEEはまだまだ現役感を改めて実感させられます。

高見沢
拓郎さんや加山さんに比べたらまだまだひよっこですからね(笑)。

「星空のCeremony」はTHE ALFEE楽曲で“星空”とくれば、大概「星空のディスタンス」とリスナーは連想するわけで、そこを意識されなかったわけでもないと思うのですが。

高見沢
それはもちろんありました。“ディスタンス”という言葉がコロナ禍ですごくポピュラーになりましたよね。「星空のディスタンス」は1984年ですけど、その時よりも“ディスタンス”という言葉が流行ってますし、浸透していますよね。
坂崎
子供まで言ってたからね(笑)。
高見沢
ソーシャルディスタンスですけどね。僕らには「星空のディスタンス」という楽曲がありますので、それに呼応するように、この2年間のコロナ禍にある恋愛のかたちというか…「星空のディスタンス」と比べるわけではないですけど、そういった要素を「星空のCeremony」に加えたところは確かにありますね。

続編ではないようですけれども、歌詞の内容は遠距離恋愛という点では地続きのものではあるようですね。

高見沢
そうですね。満点の星空の下に恋人同士がいる…そこで別かれるのか別かれないのかは聴いてくださる方の感覚にお任せしますが(笑)。

《満天の星空の下/零れた涙拾い集めて/二年分の想い出と共に/夜空の星に散りばめた》辺りの歌詞は、まさにコロナ禍を彷彿させます。

高見沢
ええ。ただ、「星空のディスタンス」は1984年ですから、今の遠距離恋愛とは違いますよね。あの当時はネットもないし、スマホもないし、Zoomもない。ですから、逆に「星空のディスタンス」の頃のほうが必死感はありましたよね。

「星空のディスタンス」は500マイルを何とか越えていこうという歌詞でしたから。

高見沢
今は500マイル離れていても顔を合わせることができる(笑)。

ただ、顔を見られるぶんだけ、昔とは別の切なさもあるということですよね?

高見沢
そういうジレンマはありますよね。そこで別れる別れないはそれぞれの感覚でとらえてもらえればと思いますが、やっぱり恋愛って障害があるほど燃え上がるものだと聞いたことがあるんですけど、コロナ禍の中でどういう愛のかたちがあるのか…終わってしまう愛も、始まっていく愛もあるだろうし、この2年間はなかなか難しい状態でしたからね。“何を歌っているんだ?”って言われたら、別れようとしても心の奥深くに愛が残っているから消せないこの想いを “どうしようか?”みたいなところですよね。別れの歌だけではなく、出会ったふたりの新たな旅立ちや遠距離恋愛をしている人たちへの応援歌でもあります。

複雑な心境…ということですね。坂崎さんは「星空のCeremony」に関してどんな印象をお持ちですか?

坂崎
最初はやっぱり“星空の”でニヤッとしましたね(笑)。でも、高見沢メロディーで、2バスで、サウンドがハードであってもメロディアスですから。ロマンチックというか。ハーモニーを含めてね。別に裸にしてもおかしくない曲で。ただ、着ている洋服が派手でうるさいというだけ(笑)。

スパンコールがいっぱい付いた衣装みたいな(笑)。

坂崎
なので、THE ALFEEらしいなと(笑)。THE ALFEEらしいサウンドとメロディーで、シングルとしていいんじゃないかと思いますね。先ほどJ-POPと言われましたけど、僕らがJ-POPを追求しても仕様がないしね(笑)。分かんないし、“J-POPをやれ!”と言われても(苦笑)。…まぁ、THE ALFEEもJ-POPの中に入るんでしょうけど、サウンド的には今の流行ではないし。
高見沢
昔から変わっていないからね。
坂崎
うん。今やっている人が少ないサウンドだとは思いますけど、最近は若いバンドがTHE ALFEEをコピーしたりしていて面白いんですよ。歌い方だけは今風で、演奏も結構うまかったりして。

THE ALFEEのコピーってどの辺の楽曲を?

坂崎
「星空のディスタンス」とか「メリーアン」とか、あとは「希望の鐘が鳴る朝に」とか「英雄の詩」とか。なかなかカッコ良いですよ。
桜井
そんな難しいのコピーしてるの!?(笑)それはすごいな!

「星空のCeremony」について桜井さんはいかがでしょうか?

桜井
もう最初の《カシオペアを探して》から“どうですか?”って感じですよ(笑)。
あははは。
桜井
僕は遠距離恋愛というものを例にして、ひとつの男と女の愛のかたちを表現しているんだと思うんです。そこにコロナ禍があったから身近な人とも会えなかったわけじゃないですか。この時期に結婚された方なんて結婚式もあげられなかったし、そういうことも含めて、全ての人に感じてもらえるんじゃないかと思いますね。
L→R 桜井 賢(Vo&Ba)、坂崎幸之助(AG&Par)、高見沢俊彦(EG)
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OKMusic編集部

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