『Chillin’ Vibes -Extra-』オフィ
シャルレポート、大塚 愛が古墳群に
囲まれた博物館でピアノ弾き語り、地
元・大阪の魅力を再発見

​​『Chillin’ Vibes -Extra-』2022.10.1(SAT)大阪・近つ飛鳥博物館
10月1日(土)、大阪の南河内郡にある「近つ飛鳥博物館」にて『Chillin’ Vibes -Extra-』が開催された。本イベントは、大阪府内のさまざまなエリアで周遊を楽しむために企画された『大阪来てな!キャンペーン』の一環で、今回はその第3弾として、大塚 愛のスペシャルフリーライブが行われた。また、大阪のラジオ局・FM802の番組『THE NAKAJIMA HIROTO SHOW 802 RADIO MASTERS』の公開収録も行われ、集まった800人の来場者とほかにはないロケーションで特別な時間を過ごした。
『Chillin’ Vibes –Extra-』
今回の会場「近つ飛鳥博物館」は、大阪と奈良の県境にほど近い南河内郡にあり、大阪市内から電車で約30分、最寄駅の喜志駅・富田林駅からバスで約15分のところに立地する。712年に口述筆記された「古事記」に記載されている、「近つ飛鳥」と名付たこの地域には、4基の天皇陵を筆頭に聖徳太子墓など数百基の古墳が造られた古墳時代から飛鳥時代の「王陵の谷」とも言われる。
建築家・安藤忠雄氏の設計による博物館は、日本を代表する群集墳「一須賀古墳群」を保存するために設けられた、29へクタールの広大な史跡公園「近つ飛鳥風土記の丘」の中に建てられ、段上に隆起した一つの丘にようになっていて周辺を一望することができる。館内には、国指定の重要文化財である修羅(重い石材などを運ぶための道具)のほか、埴輪など貴重な出土品を、実際に古墳の中に収められているときと同様な姿で展示。この博物館をひとつの「古墳」としてとらえ、古墳内部に入っていくようにして歴史を学び、当時の暮らしや人々の想いに触れ、学ぶことができる設計に。
『Chillin’ Vibes –Extra-』大塚 愛
博物館のシンボルともいえる「黄泉の塔」がそびえる大階段下にステージが設けられ、古墳群の中というどこか神聖な空気があいまって、ほかにはないロケーションとムードが広がる。そんな特別な空間を見渡しながら、大塚 愛が登場。広い空を見上げながらグランドピアノを奏でて「日々、生きていれば」でライブをスタート。<藻掻いて 藻掻いて 藻掻いて それでも今日を生き抜き 息抜き 生きてみたら ちょっとは笑える>と歌われ、今日までの自分を労ってもらえているような心地に。いろいろ思いもよらないことばかりで、うまくいかない日々がまだまだ続きそうだけれども、それでもなんとかこの日を迎え、ともに音楽に身を委ねられたことに笑顔が溢れる。その喜びにこそスポットライトが当てられ、心が洗われたような幕開けに。
『Chillin’ Vibes –Extra-』大塚 愛
曲が終わると、「暑いね、大丈夫?」とあまりの日差しの強さに観客を気遣う。「すごい秋晴れやね。眩しいね……あ、私がスターやから眩しいわけじゃないから、許して(笑)」と和ませつつ、「ユメクイ」「恋愛写真」と続き、「幸せになるヒントは、常に自分の中にある」というテーマが込められた「ドラセナ」をじっくりと聴かせる。青々とした空に、歌声が響き渡り、周囲の緑に住む虫や鳥の声、木々のざわめきと重なりながら共鳴するかのように広がってゆくメロディー。コンサートやライブハウスとは全く異なる、周りに緑しかない(それも単なる緑ではなく古墳群という)環境だからこその澄み渡った音と反響の美しさには、感動せずにいられなかった。
『Chillin’ Vibes -Extra-』大塚 愛
「大阪出身やのに、ぜんぜん大阪のこと知らないので。これからもっともっと掘っていけたらと思うと楽しみです」と、今回のイベントを機に大阪の魅力を再発見したことを話す。そして、ふたたび暑さを気にかけ「この曲の時だけでも夜にして、ちょっとでも涼しくなれば……ならないね!(笑)」とオチをつけつつ、ラストは「プラネタリウム」。日差しが止み涼しくこそならなくても、暑さを忘れてしまうほど楽曲の世界に引き込み、エモーショナルな歌声で魅了してくれた。
『Chillin’ Vibes –Extra-』大塚 愛、FM802 DJ 中島ヒロト
スペシャルライブのステージを終えると、そのままDJ 中島ヒロトとFM802『802 RADIO MASTERS』の公開収録がスタート。改めて、今回の「近つ飛鳥博物館」のライブを振り返りつつ、「空気が美味しい!」をキラキラとした笑顔をみせる大塚 愛。大阪で暮らしていた当時の思い出話に花を咲かせつつ、「大阪人」だなと感じた瞬間について聞かれると「以前に、ハラミちゃんのYoutube番組に出させてもらってトークをしてたんですけど、最後に「知らんけど」と言ったらむちゃくちゃウケて!」と振り返る。「大阪に住んでる時は普通の言葉なんで気づかなかったんですけど、そんなおもしろい言葉やったっけ」と、改めて大阪あるあるの無責任なオチだったことを再確認したと明かし、会場を沸かせた。
そして「大塚 愛は、来年で奇跡的に20周年を迎えます。音楽はじめ油絵などアートに対しても真摯に向き合っていきたい」と抱負を語り、イベントを締めくくった。
『Chillin’ Vibes –Extra-』大塚 愛
ビーチが目前に広がる「潮騒ビバレー(せんなん里海公園内)」でのBEGIN。ラグビーの聖地・花園ラグビー場では、ワールドカップのテーマソングも手がけたLittle Glee Monster。そして、今回の緑豊かな古墳群の中に建てられた「近つ飛鳥博物館」での大塚 愛のステージは、いずれもロケーションとの親和性が音楽のパワーを増幅させ、より身も心も解き放ってくれるような、まさに「Chillin’ Vibes」のタイトルにふさわしい体験となった。
『Chillin’ Vibes -Extra-』
さていよいよ『Chillin’ Vibes -Extra-』は、10月9日(日)吹田市・万博記念公園に登場する、ハラミちゃんのステージで最終回。いずれもスペシャルフリーライブとFM802の番組『802 RADIO MASTERS』の公開収録が行われる。さらに、10月15(土)、16(日)日には『Chillin’ Vibes 2022』が大阪城公園 西の丸庭園で開催されるので、気になる出演者やの詳細についてはオフィシャルサイトをチェックしよう。
ちなみに、『Chillin’ Vibes -Extra-』では、音声AR「SARF」を活用した周遊企画『【Chillin’ Vibes -Extra-】大阪サウンドウォークツアー』を配信中。各会場の最寄り駅からイベント会場まで、周辺のおすすめスポットをFM802 DJの中島ヒロトと、大阪出身のシンガーソングライター・絢香がナビゲートしてくれるサービスだ。町や施設の成り立ちについて楽しく知ることができるので、会場に足を運ぶ際にはぜひ活用していただきたい。またライブ終了後には、ライブ音源1曲を期間限定で各公演会場のスポットで聴くこともできるので、ぜひ当日の臨場感を味わってみよう。
取材・文=大西健斗 撮影=ヨシモリユウナ

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