森七菜

森七菜

森七菜、初ツアーが東京公演にてファ
イナル 1stアルバム収録曲をはじめ
森田童子や広瀬香美のカバーも

女優で歌手の森七菜さんが、21歳の誕生日にリリースした初のフルアルバム『アルバム』を携えて、初ワンマンライブ『もりななLIVE 2022 「㐂〜よろこび〜」』の東京ファイナル公演が27日に行われた。そのオフィシャルレポートを紹介。

<オフィシャル ライブレポート>
 森七菜初のワンマンライブ『もりななLIVE 2022 「㐂〜よろこび〜」』東京公演が9月27日、池袋harevutaiにて開催された。彼女は21歳の誕生日である8月31日に待望の1stアルバム『アルバム』をリリースし、今月24日には2年8ヶ月ぶりとなる地元・大分での凱旋公演を大成功させたばかり。アルバムでは楽曲制作依頼をするアーティストを自らアイデアを出すなど、音楽活動を積極的に楽しむ姿勢が伺えたが、今回もライブタイトル考案やライブグッズへの描き下ろしイラスト提供など、彼女のアイデアが豊富に散りばめられており、「アーティスト・森七菜」らしさが凝縮された特別な空間が提供された。
ミラーボールが煌びやかな灯りを振りまく会場内に牧歌的なSEが流れ始めると、今回のライブをサポートする4人のバンドメンバーが登場。続いて、オレンジ色のTシャツにジーンズ姿の森七菜がステージに姿を現すと、彼女のまっすぐで透明感の強い歌声が印象的な「背伸び」からライブはスタートした。冒頭こそ若干の緊張を伴ったが、場内の照明が少しずつ明るくなり観客の顔が見え始めると、森七菜は安心とともに笑顔を浮かべつつ、伸びやかなボーカルを響かせる。続く代表曲「スマイル」では「ようこそ、皆さん! 元気ですか? よろしくお願いします!」を合図に、会場の雰囲気が一変。それまでのじっくり森七菜の歌に耳を傾ける姿勢から、ステージ上を元気に飛び跳ねる彼女に引っ張られるように、柔らかで多幸感に満ちた空気が充満していく。森七菜はまるでオーディエンス1人ひとりとアイコンタクトをとるかのように、フロアに笑顔を振り撒き続けた。
最初のMCでは「これだけたくさんの皆さんに集まってもらえて、すごく嬉しいです。一度、大分のほうで1公演してきたんですけど、東京でこんな規模で(ライブを)するのはもちろん初めてなので、少し緊張しています」と本音を漏らす一幕もあったが、以降は「君の彼女」「ロバとギターときみとぼく」といった『アルバム』収録の新曲を立て続けに披露。LEDスクリーンがステージ壁面に設置されたharevutaiの特徴を活かし、曲中では映像演出も用意され、特に「ロバとギターときみとぼく」では森七菜自身が描いたロバのイラストも登場した。緩やかな楽曲が続く中、シリアスな空気を放つピアノソロで再び場の空気が変化。そのまま「深海」へと突入すると、森七菜のひたむきさが伝わる歌声がこの曲の持つエモーショナルさをさらに加速させてく。機敏な感情の変化が求められるこの曲を堂々と歌い切ったことからも、シンガーとしての成長がダイレクトに伝わったことだろう。
公演中、森七菜は「皆さんに支えてもらってばかりなので、今日はその恩返しができたらと思っています」と発言したが、その感謝の思いがライブタイトルの「㐂〜よろこび〜」にも表れていると誰もが思ったことだろう。そんな「㐂〜よろこび〜」を分かち合う今回のライブでは『アルバム』収録曲以外にも、ここでしか聴くことのできないカバー曲を複数用意。そのひとつが、彼女も出演した岩井俊二監督の映画『ラストレター』制作時、彼女が岩井監督にカラオケで聞かせたという森田童子「僕たちの失敗」だ。このカラオケをきっかけに、森七菜は「カエルノウタ」でデビューすることになるのだが、この日はピアノ伴奏のみで切々と歌い、楽曲の持つ繊細さと彼女のピュアな歌声が相乗効果を生み出し、会場を優しい空気で見事に包み込んだ。
その後のMCでは和気藹々としたトークが続く。「こんなことじゃ盛り上がらないだろう」セリフを“よろこび”に変えていく煽りコーナーでは、オーディエンスから彼女に言ってほしいセリフを募り、「森ハチです!」「落胆した!」「みんな、まだ全然盛り上がってないじゃん!」などをバンドメンバーのかき回し演奏とともに客席に放っていく。「このコーナー、私が一番気持ちいいんです!(笑)」と笑顔を見せる森七菜は、その後もチルアウトナンバー「Lovlog」、大切なデビュー曲「カエルノウタ」、バンド編成だからこそのアレンジが印象的なオルタナギターロックチューン「かたつむり」と、緩急に富んだ選曲で観る者を魅了し続けた。
そして、本編最後のMCでは「このまま誰にも邪魔されない、私たちだけの信頼関係を作れたらと思っています。皆さんが私のことを好きでいてくれたり、ここに来る熱量を持っていてくれたりする限りは、私もすごく楽しんでもらえるようなものを、毎日作れるようにと頑張ってます! 今日はいろんなものを飛び越えて、ここまで来てくれてありがとうってことが言いたくて、私もここにやってきました。皆さんと過ごせて本当に楽しかったです」と伝えながら涙を浮かべる一幕も。しかし、その後は再びオーディエンスとコミュニケーションを図りながら、TikTokでも盛り上がりを見せている「愛のしるし」、サビで一斉にタオル回しをする「bye-bye myself」で明るく元気にライブ本編を締めくくった。
アンコールではバンドメンバーとともにグッズTシャツに着替えた森七菜が、思い出の1曲である植村花菜「猪名川」をカバー。彼女の繊細な歌声を活かしつつ、アコースティック色の強いアレンジが施されたこの曲は、初めて聴いた多くのファンにも好意的に受け入れられた。さらに、別のカバー曲として広瀬香美の名曲「ロマンスの神様」もセットリストに組み込まれ、ファンとの交流を深めつつ元気いっぱいに歌い上げる。そして、最後にもう一度「スマイル」を歌唱し、会場の一体感を最高潮にまで引き上げたところでライブは幕を下ろした。
すべての楽曲を披露し終えたあとには、TikTok向けに森七菜と観客がひとつになってウェーブする動画も撮影。そして、「これから私は今日のことを糧に毎日頑張っていけるので、皆さんもぜひ私と過ごした時間を糧に……皆さんがただがむしゃらでものんびりでも、幸せな日々をこれから過ごせたらいいなと思います。幸せなことだけが皆さんの周りに起きますように、そしてまたスマイルで再会できることを祈っています」と挨拶して彼女はステージをあとにした。
(文/西廣智一)
■セットリスト
もりななLIVE 2022 「㐂〜よろこび〜」 9月27日(火) harevutai
M-1:背伸び
M-2:スマイル
M-3:君の彼女
M-4:ロバとギターときみとぼく
M-5:深海
M-6:僕たちの失敗(カバー/森田童子)
M-7:Lovlog
M-8:カエルノウタ
M-9:かたつむり
M-10:愛のしるし
M-11:bye-bye myself
アンコール
M-12:猪名川(カバー/植村花菜)
M-13:ロマンスの神様(カバー/広瀬香美)
M-14:スマイルThe post 森七菜、初ツアーが東京公演にてファイナル 1stアルバム収録曲をはじめ森田童子や広瀬香美のカバーも first appeared on GirlsNews.

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着