デジタルヒューマン・松田優作が初主
演 松田美由紀が監修したショートム
ービーを公開

デジタルヒューマン・松田優作が初主演するショートムービーが9月21日に東映ツークン研究所のYouTubeチャンネルで公開された。
映像は、「コンテンツの未来をデザインする」というミッションのもと、企画・制作、研究開発を行う東映株式会社の東映ツークン研究所が制作したもの。同研究所は専門チームを編成し、2019年からの3年間におよぶデジタルヒューマン研究開発プロジェクトを進めてきた。2022年春には、かつて東映グループ会社のセントラルアーツに所属し、『最も危険な遊戯』『蘇る金狼』『探偵物語』『華の乱』『ブラック・レイン』などで知られる松田優作を映像で復活させるプロジェクトを始動。ショートムービーは、その第2弾として発表されたものだ。
松田優作の独特の雰囲気やオーラをデジタルヒューマンとして蘇えらせるため、顔の復元にはツークン研究所が運用するスキャンシステム“Light Stage”で取得した複数人の超高精細3DCGデータをもとに、機械学習で生成した顔モデルを利用。表情の動きにはトラッキング技術を使用し、松田優作のボディダブルの表情を解析のうえ、アニメーションをつけているという。また、AIによる音声復元および AI音声ディレクション全般を、ゲーム開発から映像、メタバースコンテンツ開発などの制作を幅広く行うORENDA WORLDが担当。音声合成分野で有名な名古屋大学発の企業・TARVOのAI音声変換技術“Suara”を使用し、松田優作の音声復元に挑んでいる。なお、本作では、松田優作のクリエイティブ全般を担う女優・写真家の松田美由紀が監修している。
公開された映像では、松田優作が夜のトンネル内を車で運転する姿や、スマートフォンを使って通話する様子、ジッポーライターで煙草に火をつける仕草などが映し出され、最後には、「YUSAKU MATSUDA」のクレジットで締めくくられている。
なお、デジタルヒューマン研究開発プロジェクトでは、この技術をこれから先の映像作品の中に活かし、過去の偉人や大スターを現代のスクリーンの中に蘇らせるなどの新たな映像体験を生み出していくとのこと。さらに、社会実装の観点から、AI技術と連携などをはかり、街中での道案内や広告、または接客などのサービス業での活用など幅広い技術活用の可能性を追い求め、社会の課題解決に挑むという。
映像公開にあたり、松田美由紀、東京藝術大学大学院映像研究科教授の岡本美津子氏がコメントをよせている。
松田美由紀
(c)三宅英文
青いライト、煙草の香り。俳優、松田優作の短編映画ができあがりました!亡くなって 33 年経った今、皆さんの想いで新作が作られた気持ちです。監修ではパソコンに向かって少しづつ、時間をかけて、優作の世界に入っていきました。形を追い求めるのではなく私の中の記憶、優作への想いを頼って一歩一歩近づいていく。圧倒的に強いオーラ。それだけを感じながら制作のお手伝いをしました。どんどん顔に魂が吹き込まれていくから不思議。ぜひ現代の優作に会ってみてね。
岡本美津子(東京藝術大学大学院映像研究科教授)
人は微妙な顔の筋肉の動きで感情を読み取ろうとするのですが、この映像ではそれが自然に表現されており、デジタルヒューマンを見たという印象よりも普通のドラマの1シーンを見たというのが率直な感想でした。今回の映像は、デジタルヒューマンが1人の俳優として活躍できる可能性があることを提示した素晴らしい作品だと思いました。また、この技術を東映ツークン研究所の目的の一つでもある社会実装においても活用することで、現代社会に様々な可能性を提供してくれると期待しています。

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