うらたぬき(浦島坂田船)「この活動
ができて本当に幸せな人生を歩めてい
ます」 ありったけの“愛”を届けた
『Uratanuki Birthday Live ~Love!
Love!~』をレポート

Uratanuki Birthday Live ~Love!Love!~

2022.8.9 LINE CUBE SHIBUYA
ボーカルユニット・浦島坂田船のメンバーであり、個人活動も精力的に行っているうらたぬきが、2022年8月に『Uratanuki Birthday Live ~Love!Love!~』と題したバースデーライブを全国4か所で開催。3年ぶりに有観客で行うことができた今回の生誕祭では、リリースされたばかりのソロアルバム『Love!Love!』の収録曲をたっぷり披露し、ライブタイトル通りありったけの“愛”を届けてくれた。ここでは、誕生日当日の8月9日にLINE CUBE SHIBUYAにて行われた東京公演の模様をお伝えする。
ステージ前にかかる紗幕に映し出されたオープニングVTRは、『Love!Love!』に収録の「CLAP! YOUR HANDS!」を用いたアニメーション動画。うらたぬきの<ライブを楽しむための準備運動をはじめるよ!>という言葉をきっかけに、こたぬき(うらたぬきファンの呼称)たちがリズムゲーム感覚でクラップしたりペンライトを振ったり。声出しができない中でもとことん楽しんでほしい!といううらたぬきの想い、<ラブラブな日にしよう>という呼びかけに、高まってしまう。
うらたぬき
「楽しんでいこうぜ!」という一声で紗幕向こうのステージ中央がスポットライトで照らされると、そこにはダンサーとともにポーズをきめたうらたぬきの姿が。『Love!Love!』の1曲目を飾る「どっきゅーん」で、ライブはスタート。キービジュアルそのままのスポーティーな衣装&ヘッドセットマイクがよく似合ううらたぬき。紗幕がゆっくりと上がるとステージ前方へと進み、軽やかに踊りながら歌い、両手でハートマークを作ったり、とびきりの笑顔見せたり。さらには、<愛のこもった投げキッス>に“うら”<ビーム>に、ファンサをたたみかけた「ファンサ」。ダンスに注力しジャンプやターンでも魅せた「トンデモワンダーズ」。冒頭3曲でいきなり、こたぬきのハートを射貫いていく。
うらたぬき
ヘッドセットマイクからハンドマイクに切り替えた「ルドイア」は、『Love!Love!』に収録のヤンデレナンバー。がっしり支えるバンドサウンドもライティングもアグレッシブで、<自分のものにならないなら いっそ誰のものにもしたくないんだ。>というこじらせ愛が鮮烈だ。
いっぽう、「誇り高きアイドル -boy's side-」では<アイドル>としての意地や覚悟を力強く歌ううらたぬき。<歌うことで生きてるんだ 踊ることで感じるんだ><歓声が減っても 年を取っても それでも笑っていたい><でかい夢を見て悪いか ファンと夢を見て悪いか>といったフレーズはじめ、歌詞がそのまま自身の心情に重なるのだろう。
うらたぬき
うらたぬきにつられこたぬきも大きく手を振った「シアワセは台本の外から」、<猫男子>のツンデレも猫ポーズもたまらない「うらたねこ♂」でかわいいを極めたと思ったら、浦島坂田船が7月にリリースした『Toni9ht』に収録のロックなソロ曲「マダ」では気迫のロングトーンで圧倒。バンドメンバーと隣り合って歌う姿もエモーショナル、反骨精神を貫く「怪獣」にしても、ひたすらにかっこいい。かわいいにもかっこいいにも振り切れるうらたぬきに、気づけば翻弄されている。
ひとつ年を重ね大人の趣味・乗馬に挑戦した幕間VTRをはさみ、グリーンのオーバーサイズジャケット&ハーフパンツに着替えて登場したのは「スーパーダーリン」。好きな人のために頑張る女の子=こたぬきにとって、やっぱりうらたぬきは<スーパーダーリン>だ。
一気にディープな世界へと引きずり込んだ「カレシのジュード」。低音ボイスに切なさと儚さをにじませた「キスマーク」。ライブで中毒性が増し増しになる「マウントリタガール」からの狂気をにじませる「スカーレ」、ぐっと大人っぽい「Bad end」。うらたぬきの表現力はまだまだ増していくのだろうな、ともあらためて思う。
うらたぬき
「恋のMAGIC」では、途中でダンサーがステージ上にケーキを運んでくるというサプライズも。「サプライズがあるならアンコールだろうなと思ってたからめちゃめちゃびっくりした、こえー!(笑)」と動揺を隠せないうらたぬき。バンドメンバー&ダンサー、してやったりである。こたぬきはもちろん、メンバーにも愛されているんだなぁ。
<お前を食う>と宣言、遠吠えも響かせた「雄々しきオオカミ」では、途端に肉食男子に変貌。『Love!Love!』の中でも挑戦的なナンバー、ライブではよりいっそう刺激的だ。色気爆発な「Pink」ではダンスの見せ場もあって、ドキドキが止まらない。
うらたぬき
「いつもですとここで朗読をしてかっこいいことを言うんですけど、今日はみなさんにラブレターを書いてきました。まずは一言、言わせてください。愛してるよ! 3年ぶりに誕生日当日に有観客ライブができて、とても幸せです。ありがとう。SNSでもたくさんのコメントをいただきました! 自分の誕生日かのように喜んでくれる人がたくさんいて、とても嬉しい気持ちになりました。この子たちを幸せにしてあげようって心から思いました。あらためてありがとうございます。そしてたぬママよ、俺を産んでくれてありがとうな。こんな大勢にお祝いされるなんて、俺が小さい頃には思ってもみなかっただろ。色々と迷惑かけたけど、これからも迷惑をかけるからよろしく。そして、身体を壊さないように元気でいてください。みんなもここまで俺のことを応援してくれてありがとう。コロナのせいで得られなかったものはたくさんあると思う。過去を振り返っても取り戻すことはできないけど、みんなと掴み取る未来、希望っていうのは確実に、絶対にあると思います。俺は君たちと、そしてここに来れなかった人たちも含めて、全員が人生のパートナーであると思っています。この先もずっとずっと一緒にいようね。」
うらたぬき
そう誓って、「ラブレター(仮)」へ。指ハートや両手ハートといった身振り手振りを交え、客席の奥のほうまで見渡して歌う姿が印象的だった。<命の限り 声の限り>、彼は愛を伝えていくのだ。
「誕生日当日にこんなにたくさんの人に祝われるライブができるなんて、この活動ができて本当に幸せな人生を歩めています。太陽のような、太陽は言いすぎかな。月のような光でみなさんを照らしますので、この先もずっとずっとついてきてくれたら嬉しいです。」
うらたぬき
本編ラストは、「Again,again」。<支えられ 支えながら>こたぬきと歩むうらたぬき。背中を押す歌声、そこに込められた想いや熱量、すべてに胸を打たれた。
「今日、ライブがやれて本当によかった。最後は、去年オンラインで開催したバースデーライブの最後に届けた曲です。どうしても有観客で歌いたかったから。」
「テオ」で始まったアンコール、最後の曲は「Reach」だ。その歌声と笑顔が<闇を照らす>のなら、なにがあってもどんな道でも歩いて行ける。
うらたぬき
なお、この東京公演の模様は映像収録され、9月17日(土)に配信される。チケット販売は、日本国内はイープラスにて、海外向けにはZAIKOで受付中。会場に足を運べた人も、運べなかった人も、ぜひご覧いただきたい。

文=杉江優花 撮影=小松陽祐(ODD JOB)

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