Editor's Talk Session

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【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
音楽シーンのために裏方ができること

楽しい挑戦ができるのがロックだった

千々和
YouTubeは労力には見合わないけど、おふたりとも“主役は自分ではない”というスタンスだからこそ、裏方の仕事の一環として続けていると。それにしても、安藤さんは電動キックボードで北浦和から富士山まで移動したり、1カ月間の雪山修行に出たりと、裏方らしからぬ身体の張り方をしていますよね。
二位
安藤さんは小さい頃からバカな遊びが好きだったりするんじゃないですか?
安藤
めっちゃ好きでした(笑)。
二位
例えば、野球をやるにしても野球部に入ってやるんじゃなくて、放課後に稲刈り後の田んぼとかでとかで友達と集まってやる野球が好きとかね。やっていくうちに“セカンドベースはいらないんじゃない?”みたいな話が出て、独自のルールでやることが面白い的な。
安藤
分かります! ニューベースボールが生まれるんですよね(笑)。
二位
こういう楽しい挑戦が実現できるものがロックだったという感覚があるんですよ。型にはまらない発想で遊べるみたいな。僕はそれが楽しいと思って過ごしていたら、なぜかライヴハウスの人になっちゃったんですよね。
安藤
僕は16歳から20年以上、バンド活動やライヴハウスの運営で音楽にかかわっていますけど、音楽を始めた頃はインディーズバンドが飽和状態になるくらいに活動していたんですよ。あの時はお金になるからバンドをやっている人が多かったんですよね。
二位
そうそう! 安藤さんの世代のバンドはそういう考えがあったよね。
安藤
だからこそ、今こういう活動をしていて思うのは、僕ら世代でYouTubeをやっている人が少ないんですよね。それよりももっと上の世代の方のほうが積極的に動かれていて、コロナ禍でも止めずに活動されているし、生き残っているんです。逆に僕ら世代のほうがコロナ禍になって辞めちゃっている人が多いと思います。それって、音楽は収益がないという観点で見ている人が多いからなのかなと。
二位
バンド活動に関しては、取り組み方がだいたい3種類あると思うんですよ。趣味やバイト感覚だったバンドはすぐに辞めちゃう。自分で会社を起こしたり、お店を作ったような感覚のバンドは続けるしかない。あとは、仕事やお金に余裕があるからバンドも楽勝でできるという人。活動が食い口になっている人は死に物狂いで続けなきゃいけなくて、最近はその差が世代によって出てきちゃった気がしますね。
千々和
二位さんはその3種類で言うなら、やるしかないモードになるんですか?
二位
だって、止めたら終わっちゃいますから(笑)。これは笑い話ですけど、年末年始は何カ所のライヴハウスに出られるかっていうのをバンドが競い合う風潮があるのに、10年くらい前から“家族がいるから大晦日は家で過ごしたいんですよね”というバンドが出てきたんですよ。その時は“いや、俺にも家族がいるけど…これで生きてるからやるんよ”と思って。でも、コロナ禍に入って初めて大晦日を家で過ごすことになったら“意外といいね。むしろ、大晦日は家で過ごす”っていう気持ちに2秒だけなったり(笑)。そういう隙間感は少し出ますよね。けど、これで生きてるから!

OKMusic編集部

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