L→R 四月(Ba&Cho)、けいや(Gu&Cho)、桃(Vo&Key)、たけ(Dr&Cho)

L→R 四月(Ba&Cho)、けいや(Gu&Cho)、桃(Vo&Key)、たけ(Dr&Cho)

【Night Glory インタビュー】
ルーツと変化を投影した
1stフルアルバム

現代的な音ではないかもしれないけど
自分たちの好きな音にできた

そして、完成したのが1stフルアルバム『if one mislaid,』。みなさんのルーツであるJ-POPやJ-ROCK、この2、3年で手に入れたピアノロック、オルタナティブ、シューゲイザーの要素、どちらも入った作品だと感じました。

レコーディングの最中に曲を作ったりもしていたので、バンドの変化が反映されたアルバムになりました。一貫していたのは打ち込みを一切使わず、全部アナログな手法で録ることでしたね。木のせせらぎの音や電車の音といった環境音も、もともとある素材ではなく、自分たちで録音してきた音を使ったり。そういう意味でも時間をかけた制作でした。
けいや
僕らはもともとデジタルサウンドより生音のほうが好きだし。あと、オルタナティブロックやシューゲイザーをやっているインディーロック系のバンドは、ちょっと反商業主義的な傾向がある気がしていて。音楽性だけじゃなくて精神性にも惹かれて、先人の影響からアナログな機材を使ってレコーディングをしましたね。現代的な音ではないかもしれないけど、自分たちの好きな音にできたし、ひとつひとつの音にこだわれたのも面白かったです。

ソングライティングは作詞が桃さん、作曲がけいやさんという布陣ですが、曲作りではどのようなやりとりが行なわれるのでしょう?

まずはけいやが曲を作るところから始まり、どういうイメージで作った曲なのかを訊いてから私が歌詞を書いています。どの曲にも仮タイトルがあるので、“これをテーマにしたらどういう歌詞が書けるかな?”とインスピレーションをもらって掘り下げることも多いです。最初に“こういう情景をイメージして作った”と言われれば、それを踏まえて自分でストーリーを作ったりもしますね。

けいやさんはどういうところからイメージを膨らませるのでしょう?

けいや
例えば「dead piano」は、当時のピアノのフレーズから曲を作ることにハマっていたのが反映されていて、J-ROCK的な音楽性にピアノとファズを織り交ぜているので、今までやってきたことの全部乗せっぽい曲になりましたね。「カイロウドウケツ」は深海生物にハマっていた時に書いた曲で、深海生物を想起させる海っぽい曲を書きたいというところから作った曲です。
けいやは海綿動物の“カイロウドウケツ”をイメージしているけれど、私はそこから“偕老同穴”をテーマに歌詞を書いていったんです。夫婦が生涯をともにして、同じお墓に入ることをイメージしていきました。

その作り方も影響してか、桃さんの歌詞は想像の先にある世界を描いているものが多い印象があります。アニメや映画の世界だったり、ご自身の過去や未来、違う世界線のご自分のことなど。

まさに「after5」は違う世界線の自分を想像して書いた歌詞ですね。もし自分が大学卒業後に就職して、週5フルタイムの土日休みで働いていて、恋人ができて、結婚を視野に入れるようになって…という人生を歩んでいたらどういう感じなのかなと想像しながら書きました。別に今の人生に後悔をしているわけではないけど、“違う人生を歩んでいたらどんな楽しみを見出していたんだろう?”と考えることはよくあるんです。歌詞でよく“夢”という単語を使いがちなのは、自分のそういう性質が影響していると思います。

MV楽曲の「today?」はNight Gloryのディープな部分が出た曲なのではないでしょうか?

けいや
シューゲイザーバンドでも僕は特にSlowdiveの曲調やリバーブ感が好きで。Slowdiveっぽい曲を作りたいというところから着手した曲です。
この曲には“宗教的でちょっとグロテスクだけど、とても美しい”というイメージがあったので、まず聖書について調べて、そこから救済をテーマに歌詞を書いていきました。初めての全編英語詞なんですが、その理由は英語のほうが美しいだろうなと思ったからです。アメリカ人の友達に “私はこういうふうに伝えたいんだけど、英語でどういう言い回しをしたら伝わるかな?”とひとつひとつ綿密に相談しながら歌詞を詰めていきました。YouTubeには海外の方からのコメントも多くて、自分の思っていた届き方をしていると実感できています。

おふたりの好みそれぞれが生かされたソングライティングが実現できていると。

そうですね。けいやと私は好きなアニメや映画の系統や、好きになった音楽の遍歴が近いので、やりたいことのイメージが掴みやすいんだと思います。だから、お互いの出したものに対して共感を得やすいというか。多少の違いはありますが、制作面で衝突することはあまりないですね。

「ロングスカート」はポップスの要素が出た楽曲ですし、今作はバンドの歴史が総動員されているだけでなく、ソングライターおふたりの音楽の変遷も反映された作品になったということですね。今作をきっかけに、ひとつの大きな節目を迎えたのではないでしょうか?

けいや
そうですね。ずっとライヴで演奏していた曲がアルバムとしてコンパイルできたことも嬉しいですし、アルバムをきっかけに知ってもらえる機会が増えたらいいなと。この先もライヴが決まっているので、ライヴをきっかけに作品に出会ってもらえたらとも思います。
最近は自分たちが演奏に集中してライヴができるようになったと感じるので、観てくださる方々にも曲をじっくり聴いてもらえるようなライヴができているとも思います。アルバムを作ったことでやりたい音楽の方向性が定まってきた実感もあるから、これまでのNight Gloryを知っていた人には今のNight Gloryを知ってほしいし、音楽が好きな人にもっと私たちの存在を知ってもらえたらいいなと思っていますね。
けいや
桃さんの言ったとおり、今回のアルバム制作を通じて自分たちの出したい音や、やりたい音楽性がある程度見えてきたので、このアルバムを踏襲した楽曲を今後も作っていきたいです。すでに次のアルバムも大まかなテーマを考えているので、これからのNight Gloryもぜひ注目していただきたいですね。

取材:沖さやこ

アルバム『if one mislaid,』2022年8月10日発売 Night Glory
    • WTMH-1001
    • ¥1,800(税込)

ライヴ情報

『オカザキイン ディーズワールド』
10/09(日) 愛知・安城 Radio club

『The;Cutlery主催「東京type」』
11/05(土) 東京・大塚サーキットフェス
11/16(水) 大阪・北堀江club Vijon

Night Glory プロフィール

ナイトグローリー:2014年に活動開始。破壊的で激情的なバンドアンサンブルに、儚いピアノサウンドと切ないメロディーが合わさる4ピースオルタナティブロックバンド。22年8月に1stアルバム『if one mislaid,』をリリース。愛知県岡崎市を拠点に、名古屋、東京、大阪などのライヴハウスで活動中で、10月9日に愛知・安城 Radio clubで行なわれる『オカザキイン ディーズワールド』、11月5日に東京・大塚にて開催のサーキットフェス『The;Cutlery主催「東京type」』への出演が決定している。Night Glory オフィシャルHP

「today?」MV

「key (2021)」MV

「dead piano」MV

OKMusic編集部

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