菊池風磨&田中樹、いい意味で昨年と
変わらない100点のパフォーマンスを
魅せる 『DREAM BOYS』ゲネプロ&会
見レポート

2004年1月にジャニー喜多川の作・構成・演出、滝沢秀明主演で初演が行われて以来、キャストや内容を変えながら18年にわたって上演されてきた『DREAM BOYS』。KAT-TUN関ジャニ∞Kis-My-Ft2King & Princeのメンバー、中山優馬ら数多くのキャストが紡いできた本作において、2021年に引き続き、主演を菊池風磨(Sexy Zone)、ライバルであるチャンプを田中樹(SixTONES)が演じる。また、7 MEN 侍と少年忍者のメンバー、紫吹淳と鳳蘭も昨年に引き続き参加。演出は堂本光一が手掛ける
初日に先駆けて行われた会見とゲネプロの様子をお届けしよう。

会見には、菊池風磨と田中樹、少年忍者よりヴァサイェガ渉・川﨑皇輝・北川拓実・織山尚大・黒田光輝が登壇した。
菊池は「去年に引き続き幕を開けることができて嬉しく思っています」と笑顔を見せる。田中が「去年、僕ら的には100点だったので、今年も満点を届けたいです」と意気込むと、菊池が「200点目指せよ!」と茶々を入れる。田中は「それはちょっとキャパオーバーになる。今年は二幕構成になっていたり、より深いシーンもあるので楽しんでいただけたら」と、2年目の新たなチャレンジにも言及した。
続いて川﨑が「僕らもグループとして出演させていただくのは2年目。今年も全力でお二人を盛り上げたいです」と宣言。織山が「元々ずっと出たかった作品なので、今年も出演できるのが本当に嬉しいです。稽古場から二人はすごく優しくて……」と話すと、菊池と田中は顔を見合わせて「優しくした?」「してない」と互いに確認し、「嘘ついてます!」「みなさん虚偽の報道に加担することになります!」とおどける。
ヴァサイェガは「風磨くんと樹くんは小さい頃から仲良くさせていただいている大好きな先輩。去年よりパワーアップしたものを見せたいです」と語り、北川は「僕らの成長を見せたいし、風磨くんと樹くんの背中を見てたくさん勉強したい」、黒田は「会見にいない少年忍者のメンバー、7 MEN 侍のみんなと一緒にこの舞台を盛り上げたい」と熱意を見せた。
後輩に優しくしたかどうか確認し合う田中と菊池
続いて、2年目の変化を聞かれた田中は「去年の続きみたいな感じで、気持ちはそんなに変わっていない」と答える。菊池も「この1年、お互い色々な仕事をしたのにずっとドリボをやってる感覚。パラレルワールドみたい」と、ブランクは感じなかったことを明かした。お互いの変化よりも代役として入っていた少年忍者のメンバーの変化に気付いたそうで、「深田(竜生)くんと元木(湧)くんの新たな一面を知ったよね」「久しぶりに顔をよく見て、成長してると思った」と感慨深そうに語っていた。
堂本光一の演出について尋ねられると、菊池が「2年目だからか特別なことはなく、わかりやすくて現実的なアドバイスをもらいました」と言いつつ「ただ、僕が人形のみんなに囲まれてさまようデススパイラル。去年はとにかく葛藤してと言われたので今年の稽古もそう演じたんです。そしたら「なんでお前そんなにさまよってんだ?」と言われて「光一……!!」となりました」と話して笑わせる。さらに田中が「光一くんから『しっかりね』って一言だけいただいたんです。したらコイツ(菊池)が『光一くんもね!』って(笑)」と暴露。菊池は「売り言葉に買い言葉(笑)! 精一杯やらせてもらっています。光一くんのおかげです!」と弁解していた。
少年忍者は「去年より役の理解を深めようというモチベーションでやりました」と話す川﨑に、ヴァサイェガが「織山のギャグを追求してたよね」と頷く。織山が「セクシーのバリエーションを結構試しまたけど、なかなか光一くんにハマらなくて。1回セクシーサンキューをやったんですけど、すごく寒い感じになっちゃってこれはダメだと」と話すと、すかさず菊池が「それはさすがにうちの中島(健人)がかわいそうだ」と止めに入っていた。また、黒田は「僕は1公演に4回くらい殴られます。チャンプチームだけじゃなく、同じアイドルチームからも殴られる」と苦笑い。個性が増したキャラクターたちにも注目したい。
(左から)田中樹、菊池風磨
最後にコメントを求められた田中が「また帝国劇場に立てることにも、観に来てくださる方一人ひとりにも、ステージに立てることにも感謝して全員で走り抜けたいと思います。僕らなりのDREAM BOYSをぜひ楽しみにしてください」と意気込み、菊池が「歴史ある劇場に名前を残せるよう、精一杯戦っていきたいです。最高の舞台を作れるよう全員で走り抜けますので、みなさんよろしくお願いします」と締めくくった。
≫ゲネプロレポート
【STORY】
幼い頃から共にボクシングジムに通い、親友兼ライバルとして高め合っていたフウマとジュリ。しかし、現在から8年前の新人王争奪戦決勝において、フウマが3ラウンド目で突然試合を放棄したことで、同じ夢を追いかけていた二人の絆は切れてしまった。
親に捨てられた過去を持つフウマは、同じ施設で出会ったコウキを実の弟のように可愛がってきた。心臓に重大な欠陥があるコウキの命を救うため、フウマは一大決心をする。
その陰で不穏な動きを見せるエマとマリア。二人の確執が若者たちの人生を大きく揺さぶっていく――。

2021年公演から引き続いて登板となったキャスト陣は、演技、ダンス、歌、すべてにおいて洗練されたパフォーマンスを見せてくれる。菊池と田中は「去年の続きをやっているような感覚」と語っていたが、それぞれの役がさらに馴染み、彼らの人生や孤独、それぞれの苦しみといった感情が伝わってくる芝居に心を掴まれた。アドリブなど笑えるシーンも増え、全体を通して緩急がついている。
『DREAM BOYS』舞台写真
菊池は周囲に見せるクールな表情と弟のように可愛がっているコウキに向ける穏やかで優しい表情のギャップにより、見るものを惹きつける。色々なものをひとりで引き受けて解決しようとするフウマの優しさが切なくも美しい。ソロ曲は彼の孤独や葛藤が描かれつつ、凛とした雰囲気で芯の強さと内に秘めた熱さを感じさせる。
田中は昨年以上に獰猛なチャンピオンらしい佇まい。爆弾を抱えつつボクシングを続ける姿はゾッとするような迫力と危うい色気があり、目を奪われる。自分にも他人にも厳しい鋭さ、後半で見せるあたたかさはそのままに、よりフウマへの信頼や理解を素直に表現していると感じた。
二人の演技や佇まいがライバル兼親友という関係性に説得力を持たせているのも魅力的。作中でのひりつくような空気感、回想シーンの笑顔から、二人が過ごしてきた年月や絆、すれ違いによる傷が伝わり、物語を知っていても固唾を飲んで行く末を見守ってしまった。
『DREAM BOYS』舞台写真
会見で「役の理解度を深めた」という発言があった通り、フウマとチャンプそれぞれに寄り添う少年忍者・7 MEN 侍のメンバーが演じるキャラクターも一人ひとりの個性がさらに伝わりやすくなっている。キャラ立ちした結果、日常やジムでのトレーニング、試合の応援など、ちょっとしたシーンからメンバー同士の関係性やフウマ、チャンプへの思いが見え、描かれていない部分への想像も膨らむ。各陣営のチームワークがきちんとでき、土台がしっかり作られているのに加えてアドリブにも余裕があり、安定感が増していた。
『DREAM BOYS』舞台写真
チャンプがジムの仲間たちを引き連れて歌うソロ曲やフウマのスパイダーフライングは今年も健在。派手で見応え十分なダンスやアクロバット、それぞれの歌唱を楽しめる楽曲、心情にフォーカスするシーンをバランスよく取り入れた演出となっている。また、今回は二幕構成となり、2019年9月公演で披露された「Sad Song」が復活。不器用だが真っ直ぐな少年たちとは対照的なマリアやエマの見せる影、紫吹と鳳の歌唱が物語をさらに盛り上げ、大人たちのドラマにもさらなる深みが加わっている。
さらなる進化を遂げて円熟味を増した本作は、9月8日(木)より30日(金)まで帝国劇場にて上演される。
取材・文・撮影=吉田沙奈

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