中村獅童と初音ミクが南座で競演　『
超歌舞伎2022 Powered by NTT』が開
幕し、初日レポートが到着

2022年9月8日（木）南座にて、『超歌舞伎2022 Powered by NTT』が開幕し、初日レポートが届いた。

主演は、幅広い分野で活躍する中村獅童とバーチャル・シンガーの金字塔として世界で活躍する初音ミク。2019年に劇場公演として初めて南座で上演してから3年。今年は博多座、御園座、新橋演舞場と全国3か所を回り、各地で熱狂を生んだ。そして本日、ツアー最終地となる南座での公演が開幕した。

一、「超歌舞伎のみかた」

『超歌舞伎のみかた』迫りから登場する澤村國矢と中村蝶紫 　(c)超歌舞伎2022 Powered by NTT

中村蝶紫、澤村國矢が楽しいトークで歌舞伎のお約束や「超歌舞伎」の楽しみ方を解説。昨年から登場した「大向う付きペンライト」の使い方を動画で解説。ペンライトをもったお客様も色を変えたり、大向うの音声を鳴らしてみたりと、これから始まる演目に向けての期待が高まる。さらにNTTが開発中の最新技術「Another Me(R)」が生み出したデジタル上の獅童、その名も「獅童ツイン」が登場し、あたかも本人がそこにいるかのように再現された身振り、手振りや声音で、元気よく客席に呼びかけた。

『超歌舞伎のみかた』獅童ツイン 　(c)超歌舞伎2022 Powered by NTT

二、『萬代春歌舞伎踊』（つきせぬはるかぶきおどり）

『萬代春歌舞伎踊』出雲のお国を演じる初音ミク 　(c)超歌舞伎2022 Powered by NTT

「超歌舞伎のみかた」が終わると浅葱幕が落とされ、初音ミク演じる出雲のお国が登場し、桜吹雪舞う中、艶やかな踊りを披露する。そして中村獅童演じる真柴秀康をはじめ、奴國平（澤村國矢）と女奴お蝶（中村蝶紫）や女歌舞伎の面々が次々と華やかな踊りを披露し、輝く紙吹雪が舞う中踊り納めると、盛大な拍手に包まれた。

『萬代春歌舞伎踊』左から澤村國矢、中村獅童、中村蝶紫 　(c)超歌舞伎2022 Powered by NTT

三、『永遠花誉功』（とわのはなほまれのいさおし）

これまでの超歌舞伎作品の名場面が映し出され、その軌跡を感じる演出に会場が沸き起こる中、袴姿の中村獅童と初音ミクの口上で開幕。

『永遠花誉功』左から小川陽喜、中村獅童 　(c)超歌舞伎2022 Powered by NTT

中村獅童口上（一部抜粋）「2019年に南座で「超歌舞伎」の劇場公演がはじまりました。南座の舞台に立つと、「ただいま！」と言いたくなります。今年は全国4か所をまわって、全部で70回公演。これもみなさまのおかげです！まだまだ感染対策等でご不便をおかけしますが、大向う付きペンライトを振って楽しんでいただいて、この「超歌舞伎」で日ごろのもやもやした気持ちも吹き飛ばしてもらえたら嬉しいです」
初音ミク口上（一部抜粋）「今年は日本各地の劇場で皆さんにお目にかかることができ、感激もひとしおです。わたくしも獅童さん同様に全身全霊でつとめる所存でございますので、拍手はもとよりペンライトでの応援をよろしくお願い申し上げたてまつりまする」

『永遠花誉功』分身の術を披露する小川陽喜 　(c)超歌舞伎2022 Powered by NTT

口上の後、舞台へ誘う映像に続いていよいよ幕開き。天皇の位をわがものにしようとする蘇我入鹿（澤村國矢）を倒すべく、苧環姫（初音ミク）や定高（中村蝶紫）とともに、内裏へ乗り込む金輪五郎今国（中村獅童）。苧環姫が自身の素性にまつわる秘密を明かす場面では、初音ミクが南座の壁と金屏風を行き来する演出に客席は引き込まれる。入鹿との勝負を前に助太刀に現れたのは、南座初お目見得となる獅童の長男・小川陽喜演じる陽国。超歌舞伎を演じる中で「立廻りが楽しい！」と意気込んでいた陽喜は、NTT超高臨場感通信技術「Kirari!」による分身の術を披露し、勇ましく闘う姿に客席からも大きな拍手が送られた。戦いも終盤、「緑の色の灯を！」の台詞とともに、会場一面にペンライトの緑の光が広がり、物語はエンディングを向かえた。

『永遠花誉功』カーテンコール 　(c)超歌舞伎2022 Powered by NTT

カーテンコールでは、初音ミクの代表曲のひとつ「初音ミクの消失」が流れる中、客席には思い思いの色を灯したペンライトが光り輝き、獅童も「みなさんもっと！これが超歌舞伎だ！」と呼びかけ、盛り上がりは最高潮に！写真撮影OKタイムでは観客もこの熱狂をカメラに収める。劇場全体を熱い空気が包み、万雷の拍手の中、幕を閉じた。

客席と舞台がひとつになった熱気あふれる『超歌舞伎2022 Powered by NTT』。本公演は9月25日（日）に南座にて大千穐楽を迎える。