アニメのデジタルミュージアム「ANI
MUSE」オープン 第1弾として「王立
宇宙軍 オネアミスの翼」を無料展示

(c)BANDAI VISUAL/GAINAX アニメ業界のさらなる発展を目的としたデジタルミュージアム「ANIMUSE(アニミューズ)」(https://animuse.jp/)がオープンし、第1弾展示として「『王立宇宙軍 オネアミスの翼』展“Ver.0.3 スペシャルプロローグ”」が無料公開された。
 1987年に劇場公開された「王立宇宙軍 オネアミスの翼」は、のちに「トップをねらえ!」「ふしぎの海のナディア」「新世紀エヴァンゲリオン」などを世に送り出すGAINAXが、バンダイとタッグを組んで初めて手がけた長編アニメーション映画。監督の山賀博之のもと、庵野秀明、貞本義行、樋口真嗣といった現在のアニメ界や映画界を支えるトップクリエイターが多数参加したことで知られており、今年10月28日には4Kリマスター版の劇場公開が控えている。
 「ANIMUSE」サイト上の「ANIME MUSEUM」エリアで行われる「『王立宇宙軍 オネアミスの翼』展“Ver.0.3 スペシャルプロローグ”」では、「オネアミスの翼」のコンテ、設定画、原画、イメージボードなど約270点を、4Kリマスター版の予告編のカットとともに展示。今後10月に本展第1弾、2022年内に本展第2弾を有料公開予定で、未公開資料を含めた、のべ約1000点の展示物が公開される。
(c)BANDAI VISUAL/GAINAX(c)BANDAI VISUAL/GAINAX(c)BANDAI VISUAL/GAINAX オンラインショップエリアでは、本展第1弾の前売り券(700円)、赤井孝美による「オネアミスの翼」公式ハンドブック「ためになる(かもしれない)王立宇宙軍」復刻新装版(1100円)、公式ハンドブック付き前売り券(1600円)などを販売する。
(c)BANDAI VISUAL/GAINAX また、ANIME HERITAGEエリアでは、歴史的価値のあるアナログ資料のデジタル化を推進し、著名クリエイターたちへのインタビューや対談などを掲載する。
 9月下旬には「名探偵コナン」「シティーハンター」などを手がけたプロデューサーの諏訪道彦氏が、ベテラン声優にインタビューするコーナー「すわっち(諏訪道彦/アニメ企画プロデューサー)の『これだけは聞いておきたい!』レジェンド声優との対談コーナー」がスタート。月1~2回掲載予定で、第1回には羽佐間道夫が登場する。
 「ANIMUSE」の館長で、かつてサンライズでプロデューサーを務めていた植田益朗氏が「機動戦士ガンダム」から「∀ガンダム」まで、20年におよぶガンダムとの関わりを語りつくすコーナー「植田益朗館長の『Gundam Last Shouting』」も月1~2回掲載予定。
(c)BANDAI VISUAL/GAINAX なお「ANIMUSE」は、“架空の宇宙空間にあるミュージアム” のコンセプトのもと「オネアミスの翼」の世界観をモチーフとして、前田真宏(カラー)が外観をデザイン。バックボーンとなるコンセプト・ストーリーを森田繁(スタジオぬえ)が執筆している。
 以下にオープンに際しての、関係者からのコメントを掲載する。
【植田益朗/「ANIMUSE」館長】
衛星軌道上の宇宙空間に浮かぶ、コンテンツ(知)のエキシビション(展示)とアーカイブ(保存集積)を目的とした「ANIMUSE」は、膨大な数のコンテンツの象徴として、一枚のモザイク画をその入り口に設営。そのモザイク画は、量子アニーリングの最適化技術を用いて生成されています。構成されるそのひとつひとつのコンテンツが、作品やクリエイターにとって財産であり、最大の価値です。モザイク画の生成から始まり、展示空間に入り、作品を構成するコンテンツがDNAを象徴する螺旋状にバーチャル空間に現れ、そこからひとつひとつのコンテンツと出会い、更に関連するコンテンツへの遷移ができ、クリエイターたちの息吹を感じることができます。そんな(メタバース的)新感覚ミュージアム&アーカイブの誕生を、お楽しみください。
【諏訪道彦/アニメ企画プロデューサー】
 テレビシリーズアニメーション「シティーハンター」や「犬夜叉」で、人生の苦楽? を共にしてきた先輩・植田益朗さんが、また何か大きなコトをやらかそうとしています。出会って36年、植田さんのとにかく前を向いて行っちゃおう思考の企画ブルドーザー手腕には、いつも目を覚まさせられる驚きを受けています。そしてまた今回もそれがやってきました。おそらく完成形は途方もないサイトになるでしょうが、まずはスタートにあたり、その行先を一緒に見つめていきたいと思います!
【前田真宏/外観デザイン】
●デザイン・コンセプト
今回のデザインに関してはまず初めに考えたのは「王立」の世界観に沿った未来、衛星軌道上に建設された宇宙飛行士を顕彰するモニュメント兼ミュージアムであると言うことでした。
展示の物量がどのぐらいになるのか見当もつかないので躯体はモジュール式とし拡張性を持たせよう、と言うのは最初から決めていました。ISSもミュールもそうですし。
内部空間は一般的な美術館ならば天地があり天井の高さ、空間の広さをゆったり取って……と行きたいところですが限りある空気の量、その循環、温度管理を考えるとあまり広い空間は不自然かな、などと考え直径12mのニッケル合金、断熱材、アルミハニカム積層材で出来た球体モジュールの中に難燃パネルを立方体に組んだ空間を作り、これを回廊状に組み立てて「ワンフロア」としてみました。壁面と床の区別なく自由にレイアウトでき、お客さんは無重量下で浮遊しながら自由に見て歩ける……。
展示内容によってフロアを分けた方が良いかもと思い、積み重ねて階層を作り縦シャフトで繋ぐ……同じ規格のものを積み重ねただけ、の方が『王立』っぽいかな……と思ったのですが、さすがに単調なので回廊の形を円形と方形に分けてズラしてリズムを作りました。
ドッキングポートを縦に並べてぐるりとアンテナフレームで囲んで「エントランス」としてみました。王家の紋章と王直筆の扁額がお出迎えです。
最上階の天辺には飛行士達を導く「スピードの女神像」が天を指しています。
【森田繁(スタジオぬえ)/バックボーン制作】
●コンセプト・ストーリー
マルチプリシティ・イラ(Multiplicity Era)――多様性の時代。他者を尊重し、その価値観を受容する知性のアップデートの世紀である。
この時代、地球は破滅の瀬戸際にあった。
世界規模の環境破壊、国際情勢の混迷に直面した人びとは、文明の崩壊にともなう文化の喪失に警鐘を鳴らし、「C.H.O.I.C.e」(Conservated Heritage on Orbital Inventory of CulturE/軌道上文化遺産群――チョイス)を創設。極秘裏のうちにある計画を実行に移す。それは人類の文化――とくにアニメーション文化――をデジタルアーカイブ化し、地球の衛星軌道に建造に建造した宇宙ステーションに収蔵することであった。
そのステーションは、来るべき地上の荒廃とそれにともなう文明の崩壊・人類の滅亡までもを視野に入れ、その文化遺産に触れることを望む人々やいつの日かこの星を訪れるかもしれない地球外知的生命、または遠い未来、人類の後継者となるかもしれない新たな存在たちにかつてこの星に存在し、人びとに楽しみと希望を与えたアニメーション文化の精華を伝え残す美術館であり、未来へのタイムカプセルである。
高度2万223キロメートルの衛星軌道上を、巨大な宇宙ステーションは一周12時間で周回する。
その運用は高度な自律人工知能によってなされ、いかなる地上勢力からの敵対的制御も受け付けることはなく、また必要十分な自己防衛能力を有している(その詳細は機密事項)。
天空を往くその輝きを目にするとき、地上の人びとはそれが人類が築きあげてきたかけがえのない文化の集積所であることを常に意識するだろう。
そのステーションの名は、〈ANIMUSE〉――。

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