cinema staff『RUSH BALL 2022』ライ
ブレポートーー1曲1音に全身全霊を込
め、実像以上に巨大な音像を感じさせ
た濃密アクト

『RUSH BALL 2022』cinema staff
ド頭からメジャーデビュー曲「into the green」を鳴らし、フロアを沸き立たせたのはcinema staffだ。少し薄曇りの空が、ニュアンス豊かなサウンドスケープをより一層ドラマチックに演出。辻友貴(Gt)は全身をぶつげるかごとくソリッドに弾き倒し、飯田瑞規(Vo.Gt)はどこか儚くも芯のあるボーカルで、広大な泉大津フェニックスを瞬時に包囲していく。アニメ『進撃の巨人』エンディング曲にしてバンドをより高みへといざなった「great escape」を鳴らすや、その求心力を改めて実感。久野洋平(Dr)の重厚なドラムと三島想平(Ba.Cho)のアグレッシブなベースが絡まるヘヴィなビートには、腹の底から揺さぶられる感覚に陥るほど。辻はステージに転がりながら強烈な音粒を浴びせかけ、4人全員が一瞬たりとも隙のないフルスロットルのパフォーマンスで、1曲1音に全身全霊を込めていく。飯田の轟音ギターをトリガーにした「海底」では、その美メロの洪水に身を任せる多幸感たるや!
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「前回出演したのは2020年8月29日。その時は、今以上にフェスを開催できるかが厳しい状態で、ただGREENSのたくさんのスタッフのたくさんの思いや決断の上で開催することができました。僕らもまた、こうしてこのステージに立たせてもらっています。どうもありがとう! でもいろんな思いがあるのは、あなたもそうでしょう? この2日間を本当に楽しみにしてくれていただろうし、思い残すことがないぐらい特別な日にしましょう」(飯田)
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そう、一期一会の今に立ち会えた奇跡を改めて言葉にし、「storyflow」では壮大な音世界を創出。硬軟自在のサウンドメイクに、魅入られたように聴き入るオーディエンスの姿が何とも印象的だ。続く「GATE」でもきらめくフレージングにのせ、飯田と三島の渾身のハーモニーが心を揺さぶり続けていく中、いよいよラスト「3.28」へ! ロックの猛者たちが集う『RUSH BALL』において、改めてライブバンドたる強靭な体幹を見せつけたcinema staff。その実像以上に大きな音像を感じさせる、濃密なアクトとなった。
取材・文=後藤愛 撮影=田浦ボン
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『RUSH BALL 2022』cinema staff

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