ついに完結! 笑って泣ける、時速2
46億『バック・トゥ・ザ・ホーム・フ
ァイナル』が開幕

時速246億による『バック・トゥ・ザ・ホーム・ファイナル』が2022年8月24日(水)シアターサンモールで開幕した。2016年に始まった人気シリーズの「ファイナル」公演。和田琢磨、高橋良輔、平子悟、アイアム野田、小野坂昌也、八十田勇一、川本成といったお馴染みのメンツのほか、永田聖一朗、さらには小堺一機も初登場する。

 
初日を前に行われたゲネプロ(総通し舞台稽古)を取材した。どんな舞台だったのか、写真とともにレポートしたい。なお、ネタバレには十分配慮しているが、如何せん「出落ち」のような場面もある。すべてを劇場で楽しみたいという方は、観劇後にご覧いただきたい。
時速246億『バック・トゥ・ザ・ホーム・ファイナル』ゲネプロの様子
客席に入ると、垂れ幕に本作のメインビジュアルが映し出されている。UFO・超常現象研究家として活動している矢追純一のアレである。流れる音楽は、某長編宇宙映画の劇中曲。それだけで「おお、宇宙に行くのかな」と期待感が高まる。
とはいえ、物語は2022年の居酒屋で川本成が宇宙人やエイリアンらと酒を飲むところから始まる。そして思い出話や近況報告に花が咲いて「宇宙で飲みたいね」という話題に。「行っちゃいます?」なんて軽々しい一言で、場面は宇宙船の中へとワープする。
時速246億『バック・トゥ・ザ・ホーム・ファイナル』ゲネプロの様子
時速246億『バック・トゥ・ザ・ホーム・ファイナル』ゲネプロの様子
ワープしたと言っても、酒に溺れている間にいろいろやらかしたようで、続々とトラブルが発生する。その対処に追われつつ、無事に地球に帰るために汗水流す。言ってしまえばそれだけの話なのだが(笑)、2時間という上演時間の中で忙しなく物語は進行する。
 
過去作品を見なくても筋は追えると思う。ただ、よりキャラクターの背景や行動を理解したければ、できれば配信を見ておさらいしておきたいところだ(冒頭にこれまでの経緯がバーっと字幕で出てくるが、目が追い付かない&文量が多いので)。

時速246億『バック・トゥ・ザ・ホーム・ファイナル』ゲネプロの様子
今回、サプライズで出演が発表された小堺一機。個人的にはトーク番組『ライオンのごきげんよう』や『リトルショップ・オブ・ホラーズ』(2005)の印象が強いが、本作でも実に自由に小堺らしさを発揮。全力投球の俳優陣の中で、いい意味で力を抜いてくれるフラットさが魅力だった。
 
また、今回が初登場となった永田聖一朗。2.5次元舞台の俳優として活躍している永田だが、そのフレッシュさと可愛さがいい塩梅で生かされていた。本作を機に、舞台で“遊ぶ”ことを知ったかも?

時速246億『バック・トゥ・ザ・ホーム・ファイナル』ゲネプロの様子
本シリーズが始まったのは2016年。いい年した大人たちが真剣に全力で“遊ぶ”姿が話題となり、一度でも観た人はもう一度観たくなるシリーズになった。以前、川本もSPICEのインタビューで「『もうこれ以上ないね』という話だったんです。けど、なんかやっぱり終わってみたら、またやりたいねという話になって」と語っていたが、それだけキャストたちも観客も、この『バック・トゥ・ザ・ホーム』シリーズを愛していたのだと思う。
時速246億『バック・トゥ・ザ・ホーム・ファイナル』ゲネプロの様子
今回の「ファイナル」で、川本が涙ながらに礼を言うシーンがあるのだが、あの川本の涙はきっと本物だった。ひとつの青春を終える寂しさというか、これまでの思い出に浸った万感の思いというか。いつも通りゲラゲラ笑える舞台ではあるのだけども、あの川本のシーンで、あぁこれで終わっちゃうんだな……と一観客として思わされた。

物語は終わる。でも、家族も宇宙も続く。笑えて泣ける「ファイナル」。ぜひ、いい年した大人たちの勇姿を見届けてほしい(なお、公演グッズの「小野坂文具店の光るボールペン」(500円)を購入してからの観劇をお勧めする)。

取材・文・撮影=五月女菜穂

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