一色采子、松村雄基ら出演 高村光太
郎と智恵子の夫婦愛を描く感動作、朗
読劇『智恵子抄』を上演

新派アトリエの会が、2022年11月10日(木)東京・三越劇場、11月13日(日)福島・二本松市安達文化ホールにて、朗読劇『智恵子抄』を上演することが決定した。
高村光太郎の詩集「智恵子抄」は、妻・智恵子に関する詩29篇、短歌6首、散文3篇が収録されている作品集。今回の朗読劇の原作となる戯曲『智恵子抄』は、1956年に初代・水谷八重子と大矢市次郎によって初演された北條秀司の創作劇で、高村は「北條君なら一切委せる。発表前に台本を見なくてもいい」と全幅の信頼を寄せて舞台化を許可した。
その北條秀司作『智恵子抄』を、劇団新派の文芸部である成瀬芳一が朗読劇に仕立て直し、昨年12月に詩集「智恵子」の出版80周年記念として上演した。今回、「朗読劇」という形式をさらにブラッシュアップし、ヴァイオリンとチェロの生演奏を加え、クライマックスには歌舞伎で使用する紙の雪が舞台を舞う、ダイナミックな公演でおくる。
出演は、智恵子の故郷二本松に所縁の深い女優・一色采子が昨年に引き続き智恵子役を演じ、新たに、高村光太郎役を舞台・テレビ・映画と幅広く活躍している俳優・松村雄基、柳敬助・草野心平役を小劇場で活躍している二反田雅澄、柳八重役を劇団新派の小川絵莉が勤める。
新派劇の伝統を踏まえた上での新しい演劇の創造を目指している新派アトリエの会が、さらに深化した演出でおくる本朗読劇。詩を織り交ぜながら描かれる、高村光太郎と智恵子の感動的な夫婦愛に期待しよう。
【ストーリー】
長沼智恵子は、福島県二本松の近在の酒造りの家の長女として生れ、土地の高等女学校を卒業してから東京目白の日本女子大学校家政科に入学、洋画に興味を持ち始め、卒業後東京に留まり油絵を学んだ。そして同級生の柳八重の紹介で高村光太郎を知り、激しい恋心を抱くようになった。一方光太郎は、明治の名工高村光雲の長男として生れ、父の伝統を受けて彫刻家となったが、新進詩人としても華やかな存在だった。彼は放蕩無頼の芸術家達と交わり、自堕落な生活を送っていたが、智恵子を知ってからは、彼女の清らかな美しさに洗い清められ、以前の退廃生活から救い出されていた。
智恵子の愛によって清められた光太郎は美の世界にとびこみ、彫刻の道に骨身をけずり、妻に迎えた智恵子との愛の歓喜を歌った詩がほとばしるように生まれた。
その後智恵子の実家は凋落し、家屋敷が人手に渡った。芸術的精神と物資に恵まれない家庭生活との板挟みとなるような月日が二人に重くのしかかっていた。智恵子は訪ねて来た八重に、画を捨てて世話女房になって高村をたすける事を告げたが、同時に幻聴が襲って来る悩みも打ち明けた。
その後無残にも智恵子は精神分裂症になりはてていた。
静養のため九十九里浜に転地した智恵子の症状はややもち直したが、その後南品川のゼームズ坂病院に入院した智恵子の病状は悪化していった。昭和13年光太郎の献身的な介抱むなしく、智恵子の肉体は遂にこの世を去った。
昭和20年、戦争で東京の住居を焼かれ、心に智恵子を抱きながら光太郎は、岩手花巻の山中に山小屋を作り、一人で生活していた……。

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