Editor's Talk Session

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【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
神戸に新ライヴハウス
PADOMAがオープン!

いろいろ挑戦できる
箱を目指したい

千々和
PADOMAではそういったお店の雰囲気以外にどんなことが変わっていきそうですか?
西本
引き続き地元のアーティストにも密着していきたいというのは変わらずにあるんですけど、そもそもART HOUSEはエレベーターなしの3階だったので、今までイベンターさんにイベントを組んでもらっても、アーティストさんにまた来てもらいにくいというのは自分でも分かっていたんですよね。イベンターさんが間で取り持って初めましてのアーティストさんが出てくれても、いざライヴハウスに着いたら3階まで自分で機材を運ばないといけないなんてあり得ないでしょ? そのためにアルバイトを雇うにしても赤字になるから、もうそこは割り切ってやってきたんですけど、PADOMAは1階なのでそのへんは新しく挑戦できることがあると思っています。どうなっていくかは実際に営業を開始してからでないと分かりませんけど、ワンマンからスリーマンくらいで知名度のあるアーティストさんのブッキングも意欲的に入れているところです。地元のアーティストのブッキングも分散させて日を埋めるのではなく、一日にギュッと詰め込んで濃厚にしていきながら、神戸を盛り上げていきたいですね。
千々和
前回、2020年9月の座談会に参加していただいた時は、ART HOUSEで定額制のオンラインファンクラブ・AHOを始めた頃でしたが、今後の展開はどうなっていくのでしょうか?
西本
AHOではサイトを多言語化して、海外に向けて日本の音楽を発信するというのをやっていきます。海外には日本の音楽文化に興味を持っている方もいるし、コロナで旅行もままならないので、そうやって発信していくスタイルに変わっていく予定です。日本で配信ライヴを観る時って、だいたいは“このアーティストが出ているから観よう”って流れだと思うのですが、海外の方はもっとフラットに興味を持ってくれると思うので。そこからどう広げていくかというのは問題ではありますけどね。僕は年に一回、慰安旅行と題してスタッフも一緒に海外に行っていて、もともと海外旅行が好きなので、“独自で発信できることって何やろ?”って考えていたりはします。
千々和
AHOではART HOUSEやPADOMAに出ているアーティストを中心に発信していくと思いますが、西本さんから見て今の神戸のシーンはどんな印象ですか?
西本
相変わらずギターロックやオルタナ系のバンドが出演を希望してくれる機会が多くて、音楽的に最近の傾向を実感することはあまりないんですけど、真面目な人が多い気がしますね。煙草を吸わなかったり、お酒じゃなくソフトドリンクで、ライヴ後はちゃんと帰宅するみたいな。セックス・ドラッグ・ロックンロールの真逆というか。まぁ、コロナの影響もあるとは思いますけどね。
千々和
関東でも似たところはありますね。数十年前よりもライヴハウスが安全な場所になったというのも大きいと思います。
石田
昔はライヴハウスの人がバンドの打ち上げについて行って、こと細かくダメ出しをするっていうのがありましたけどね。
千々和
今はダメ出しがきっかけでその場で喧嘩になるよりも、あとからSNSで“こんなことを言われた”と拡散されて、変な方向で広まるリスクもありますから(笑)。
西本
それもあるかもしれませんね(笑)。あと、今のアーティストは上手な人が多いですよ。若手は基本的に下手くそなところから始めていくのに、そんなに場数を踏んでいなくても、すでにクオリティーの高い人が多いです。
千々和
持ち曲が少ない状態でライヴに挑むというより、曲を配信したり動画をアップして、そこで反響を得てからライヴをするアーティストもいるので、ネットが第一関門になっているのかもしれないですね。
西本
笑えるくらい下手なライヴもそれはそれで観たい気持ちはありますけど(笑)、目も当てられないくらいに下手なバンドって見なくなりましたよね。そもそもライヴをするアーティストの数も全体的に減っているような気がします。少子化も前々から言われていましたけど、集団で何かをすることを嫌う人もいるし、ソロとか宅録で完結することもできますからね。
石田
バンドを従えず、パソコンでバンドサウンドを流してひとりでステージに立つ人もいますからね。
千々和
いい意味では、人づき合いが苦手な人も音楽ができる時代ですよね。ART HOUSEでのお客さんの様子はどうでしたか?
西本
閉店の流れも相まって人がたくさん遊びに来てくださり、終始みんなが楽しんでいる光景を見ることが多かったので、イレギュラーではありながらも一時のコロナ禍よりは人が戻ってきている実感があります。ライヴハウスがやたらビビられるというのは少なくなってきたと思ったり。
千々和
少しずつ上向きになっていると感じる時はありますね。東京の池袋Admではセカンドドリンクのオーダーが100杯を超えたら「マツケンサンバ」が流れて、その間はドリンクが無料になるんですよ(笑)。そんな楽しいことをやっているところもあるので、まずは足を運んでいる人たちだけでも盛り上げていけたらいいなと思います。最後に、9月からのPADOMAのオープンに向けての意気込みをお願いします!
西本
自分の手で探して決めたので、いろいろ挑戦できる箱っていうのを目指したいと思っています。今までも音楽に携わってきたから音楽はもちろんですけど、ダンスとかお笑いとかいろんなことができる場を作りたいですね。どんなかたちで音楽と交えるのかを考えつつ、幅広くやっていけるようになったらいいなと。
■live music club PADOMA
兵庫県神戸市中央区
中山手通1丁目22-10 象ビルヂングB1F

OKMusic編集部

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